いよいよの終幕への加速

「・・・貴女がまだ勘違いをしているようなので言わせていただきますが、僕達の目的は貴女方の事をサポートすることではありませんしましてや貴女方に嫌われてでも仲を取り持つなんて事ではありません。それで貴女から嫌われていて関わるなとばかりに拒否の態度を示されているのに、何故僕達が事のついでだとしても献身的に貴女方の為に動きたいなどと思うと思ったのでしょうか?僕達の事を嫌っている人の為にと」
「・・・っ!」
それで再度いかに自分達が嫌われていたのかを強調してやる気が起きるはずがないと話すヒューバートに、ティアは悔しそうに視線を背ける。嫌われても尚動くのは当然だと、今までの自分の態度から考えて流石に言えないと思ったために。
「・・・話を戻しますが、だからこそ僕達はルークさんが出した結論というものには反対はしません。そして最後にアッシュさんがどういった返事を返すかですが、これも僕達は事実を事実としてありのまま受け止めはします・・・ですがここでルークさんへの対抗心だけの答えであったり、ナタリア様に対してどちらの答えであっても真っ向から向かい合って一つの区切りの答えを出せないと言うのであれば僕はアッシュさん・・・心底から貴方を軽蔑します」
「なっ・・・軽蔑だと・・・!?」
次にヒューバートはそんなティアから視線をアッシュへと向けて話をするが、その中で軽蔑との言葉が出たことに戸惑い混じりの怒りを浮かべる。
「はい。ルークさんがいかに自分も含めた周りの状況から結論を出したのか、それは今お聞きしたはずです。そしてその声に中身から覚悟が出来ている事は少なからず貴方も感じた・・・かどうかは別にしても、ルークさんがこういう結論を出したことに違いはありません。例えアッシュさんにナタリア様、それにキムラスカから未来永劫離れることになってもと・・・その上でアッシュさん。貴方がこのルークさんの覚悟に対してナタリア様の事を見ずにルークさんへの気持ちだけを優先させた判断を下すことは、貴方が敵視するルークさんに劣る行為だとハッキリ僕は思います」
「!!・・・俺が、この屑に劣るだと・・・!?」
「怒りに身をやつすのは大いに結構。ですがその怒りに任せた勢いだけの結論を出すと言うなら、僕はルークさんより貴方の方を人として劣っていると軽蔑します。ルークさんより物を考えることも出来ず、ナタリア様を見ることなど出来ない愚かな人物であるのだと」
「っ・・・くそっ・・・!」
そこで話を続けるヒューバートの話の論点が考えなしに行動を起こすことの是非に行く中でそっと視線がナタリアに向いたことにアッシュもそちらに釣られると、複雑極まりない表情になって悪態の声を漏らす・・・そこには今にも泣き出しそうで、いつきっかけ次第で涙を溢すか分からないナタリアの姿があってその理由がアッシュ自身にあるとアッシュも理解した為に。
「・・・それくらいにしといてやれ。結構いい頃合いになってきたしよ」
「頃合い・・・あぁ、外殻大地を降下させる時間ですか」
そんな状態を見かねてと言うよりは区切りをつけようとしてか、ユーリが頃合いと口を挟んできたことにヒューバートも思い出す。外殻大地降下をするにはちょうどいい頃合いであるということを。










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