分かたれた道の再度の交錯
「それを説明する前にこれはちょっと聞いとかなきゃいけないけど、皆はアドリビトムからの報せで俺の事を知ったのか?」
「え?私はそうだけど・・・」
「私もですが・・・」
「私にユーリ達はエステルから聞いたわ。その後でアドリビトムから連絡が来たけれどね」
「そうなのかい?」
それでルークが向けた問い掛けにしいなとアニーは戸惑いながら答えると、ジュディスが少し違うと答えた事にナナリーが意外そうに目を瞬かせる。
「えぇ。確かその時にはガルバンゾの上層部にライマからルーク失踪の報告が来たと、エステルが私達に泣き付いてきたのだけれど・・・それがどうしたのかしら、ルーク?」
「うん、これがアドリビトムの皆に迷惑をかけれないと思った理由になるんだけど・・・ライマからいなくなってアドリビトムに行ったなら皆を混乱に巻き込むって思ったからだ。特にエステルやウッドロウみたいに国に連なる奴らを巻き込んだらな」
「・・・どうしてエステル達が特になのさ?」
「自分で言うのもなんだけど、何もなかったら俺はライマの次期王っていうような立場にいた。そんな存在がいきなり消えたってなったら国は当然探そうとするだろうけど、ルミナシアにいた頃の俺が頼れる所なんてアドリビトム以外にまずないって皆考えがつくのは予想出来る・・・そこで俺がアドリビトムに行って匿ってもらったとして考えたなら、ライマはどう思うと思う?そんな俺を匿ったアドリビトムを」
「そうね・・・大方ルークを早く返せとかライマに対しての無礼とか敵対行動を取っている、と言った所かしら?重臣の人達の気持ちとしては」
「うん、大体俺もそんなところだと思う。そしてエステル達が特にって言った理由としては、下手すると国際問題になりかねないからだ。エステルで言うならガルバンゾが俺をたぶらかしたからライマを抜け出した・・・なんて抗議をつけられる形でな」
「それはっ・・・言い過ぎじゃないのかい?」
「言い過ぎなんかじゃない、これはな。むしろそう言った抗議をしなかったら体面を損なうって躍起になると思う。次期国王が逃げ出したなんて人聞きの悪いことになったらライマの評判が下がる、だから抗議はしなければってな・・・だからもしアドリビトムで会ってたエステルを頼ってガルバンゾに行ったならって思ってライマは連絡を取ったんだと思うよ。居場所を知る為にもだけどその経緯次第じゃガルバンゾが悪いって言うためにさ」
「「「「!」」」」
それでジュディスが自分達のエステルの様子について話をした後ルークがいかにライマが考えるのかという予想を述べていくが、その中身に程度の差はあれジュディス達は驚いたように目を見開いていた・・・ライマという国が取るであろうあまりに生々しい行動と、それを予想するルークの考えに。
「それは多分ウッドロウの所に行っても同じことだっただろうし、二人以外を頼っても似たような事になったと思う。規模が違うだけでさ・・・まぁアドリビトムに行ったならその場合は事態の解決の為に金銭を払うとか圧迫をかけたりして俺を引き戻そうとしただろうし、そもそもの事を言うとアンジュが俺をアドリビトムにずっと匿うなんて考えを持つことなんて有り得ないって思ったんだよ。アンジュの性格を考えるとライマに戻ってちゃんと謝れくらいは言われただろうし、そのまま有無を言わさずライマに戻される事も考えられたしな・・・」
「だからアドリビトムを頼ろうと考える気持ちはなかった、と?」
「あぁ・・・ライマを出るって決めた時点で俺には頼る所はないって思ってたから、頼っちゃいけないって思ってたからな・・・皆を頼ったら迷惑でしかないって・・・勿論、そんな俺の事で皆を集めてしまったこととかも悪いって思ってるんだけどさ・・・」
「「「「・・・」」」」
それで自分がアドリビトムを頼らなかった理由を語った上で悲し気に表情が変わり、顔を下げて申し訳ないとルークはジュディス達に漏らす。その姿にジュディス達はすぐには何も返せず、表情を歪ませていた。痛いほどの沈黙の中で。
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「え?私はそうだけど・・・」
「私もですが・・・」
「私にユーリ達はエステルから聞いたわ。その後でアドリビトムから連絡が来たけれどね」
「そうなのかい?」
それでルークが向けた問い掛けにしいなとアニーは戸惑いながら答えると、ジュディスが少し違うと答えた事にナナリーが意外そうに目を瞬かせる。
「えぇ。確かその時にはガルバンゾの上層部にライマからルーク失踪の報告が来たと、エステルが私達に泣き付いてきたのだけれど・・・それがどうしたのかしら、ルーク?」
「うん、これがアドリビトムの皆に迷惑をかけれないと思った理由になるんだけど・・・ライマからいなくなってアドリビトムに行ったなら皆を混乱に巻き込むって思ったからだ。特にエステルやウッドロウみたいに国に連なる奴らを巻き込んだらな」
「・・・どうしてエステル達が特になのさ?」
「自分で言うのもなんだけど、何もなかったら俺はライマの次期王っていうような立場にいた。そんな存在がいきなり消えたってなったら国は当然探そうとするだろうけど、ルミナシアにいた頃の俺が頼れる所なんてアドリビトム以外にまずないって皆考えがつくのは予想出来る・・・そこで俺がアドリビトムに行って匿ってもらったとして考えたなら、ライマはどう思うと思う?そんな俺を匿ったアドリビトムを」
「そうね・・・大方ルークを早く返せとかライマに対しての無礼とか敵対行動を取っている、と言った所かしら?重臣の人達の気持ちとしては」
「うん、大体俺もそんなところだと思う。そしてエステル達が特にって言った理由としては、下手すると国際問題になりかねないからだ。エステルで言うならガルバンゾが俺をたぶらかしたからライマを抜け出した・・・なんて抗議をつけられる形でな」
「それはっ・・・言い過ぎじゃないのかい?」
「言い過ぎなんかじゃない、これはな。むしろそう言った抗議をしなかったら体面を損なうって躍起になると思う。次期国王が逃げ出したなんて人聞きの悪いことになったらライマの評判が下がる、だから抗議はしなければってな・・・だからもしアドリビトムで会ってたエステルを頼ってガルバンゾに行ったならって思ってライマは連絡を取ったんだと思うよ。居場所を知る為にもだけどその経緯次第じゃガルバンゾが悪いって言うためにさ」
「「「「!」」」」
それでジュディスが自分達のエステルの様子について話をした後ルークがいかにライマが考えるのかという予想を述べていくが、その中身に程度の差はあれジュディス達は驚いたように目を見開いていた・・・ライマという国が取るであろうあまりに生々しい行動と、それを予想するルークの考えに。
「それは多分ウッドロウの所に行っても同じことだっただろうし、二人以外を頼っても似たような事になったと思う。規模が違うだけでさ・・・まぁアドリビトムに行ったならその場合は事態の解決の為に金銭を払うとか圧迫をかけたりして俺を引き戻そうとしただろうし、そもそもの事を言うとアンジュが俺をアドリビトムにずっと匿うなんて考えを持つことなんて有り得ないって思ったんだよ。アンジュの性格を考えるとライマに戻ってちゃんと謝れくらいは言われただろうし、そのまま有無を言わさずライマに戻される事も考えられたしな・・・」
「だからアドリビトムを頼ろうと考える気持ちはなかった、と?」
「あぁ・・・ライマを出るって決めた時点で俺には頼る所はないって思ってたから、頼っちゃいけないって思ってたからな・・・皆を頼ったら迷惑でしかないって・・・勿論、そんな俺の事で皆を集めてしまったこととかも悪いって思ってるんだけどさ・・・」
「「「「・・・」」」」
それで自分がアドリビトムを頼らなかった理由を語った上で悲し気に表情が変わり、顔を下げて申し訳ないとルークはジュディス達に漏らす。その姿にジュディス達はすぐには何も返せず、表情を歪ませていた。痛いほどの沈黙の中で。
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