いよいよの終幕への加速

「俺が気に食わねぇなんてのは今までのお前の態度で十分分かってるし、俺に情けをかけられるだとかってのはお前からすりゃ俺に下に見られてるみたいな気持ちになっから嫌になるみたいな感じなんだろ。そして俺からしてお前にやられたら嫌なことが何かって言えば、これ以上と言うか何度も何度もお前が結果を気に入らねぇってだけで争うことだ」
「はっ、屑が!怖じ気づきやがったか!」
「何とでも好きなように言えよ、俺からすりゃ仲良く出来ねぇししたくねぇってんなら、お前に関わるなんかもういい加減勘弁してほしいんだよ・・・だから俺はお前に対してさっきのように言ったんだよ。もう仲良くやんのが無理ならお前が一人ででもキムラスカに戻った方が父上達もそうだけど・・・何よりナタリアの為になるってな」
「っ・・・!」
ルークが確かな強い気持ちを持って考えを明かしていくのに対してアッシュはまた嘲りの言葉を吐くが、そこでふとナタリアに視線が向いたことにアッシュもその先を見て言葉を詰まらせる・・・今にも泣き出しそうに、それでいて心配そうな顔を浮かべているナタリアが見えた為に。
「ナタリアの気持ちってヤツは俺ら二人が仲良くしてほしいってのは前に聞いたけど、今の戦いが終わってもこれじゃもう俺にはお前とどうにか仲良くなんてこれ以上無理だとしか思えねぇ・・・けどならそれで今こうやってこんな顔をしているナタリアにとって俺がいなくなるのが辛いか、それともお前がいなくなるのが辛いか・・・それを考えた結果はアッシュ、お前がいなくなるのが辛いだろうって考えになった」
「っ・・・だからテメェは、そういったことがあるからいなくなるってのか・・・?」
「あぁ、そうだが・・・それでも俺の要求を否定するってんなら、俺にすることもそうだけど何より・・・ナタリアに面と向かって言ってみろよ。自分がキムラスカに戻るつもりもないし、ナタリアに対する気持ちは完全に無いってちゃんと考えた上でな」
「「・・・っ!」」
その顔を見てからどれだけナタリアのことが考えの基になったかを話した上で、選択肢として片方は残酷な事になる結果を提示したルークに、アッシュだけでなく言われた当人であるナタリアもビクッと反射的に反応した。
(酷い言い方だけど、ここまで追い詰めないと流石にアッシュはナタリアの前以外だともう無理だって場を離れようとするだろうからな・・・これくらいはしないと・・・)
一方でルークはここまでの状況は自分の想像通りに出来たと、内心の辛さを感じつつも考えていた。二人に苦渋の想いをさせねばならないことに。



(ちょっとルーク!こんな言い方をしたらアッシュだと意地になって逃げるような事を言うわよ!?)
それでこのやり取りを端から見ていたティアは危機感を抱く。アッシュの性格なら意地でも戻らないと言うだろうと。
「・・・話の途中だけれど、いいかしら?」
「っ、何だ・・・!?」
(ちょっ・・・一体何を言おうというのよ、この人・・・!?)
そんな時にジュディスが間に入ってきた事にアッシュが苛立たしげに応対し、ティアはヒヤヒヤした気持ちと怒りを混ぜ合わせながら心の中で叫ぶ。
「今まで貴方達二人だけが話をしてきたけれど・・・ナタリア、貴女の気持ちがどうなのかを聞かせてもらえないかしら?今、二人にどう思ってるかにどうなってほしいのかを」
「えっ・・・!?」
(・・・なんで、いきなりそんな事を・・・?)
だがジュディスが口にしたナタリアへの気持ちを問い質す声に、当人が戸惑いティアは何故それを今言うのかと理由が分からずに首を傾げた。ナタリアの気持ちという今更分かりきった事を何故聞くのかと。









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