「・・・まだ諦めがつかないようだが、もうここまでだ。これ以上戦うにしても、そこからどうやって脱出するんだい？」
「っ・・・くそがぁぁぁっ！」
‘ダンッ！’
それで二人に近付きアッシュの前に来たクレスがもう終わりだと状況についてを口にすると、流石に言葉だけで言い返すことが出来ずに絶叫気味にアッシュは地面を叩く。
「アッシュ・・・！」
「・・・くっ・・・ナタリア・・・！」
ナタリアはそこに心配げに近付きルークが剣を抜いた後でそっと立ち上がりその場からどき、アッシュは立ち上がりながらも屈辱に悔しさと言った気持ちを押し隠すように顔を背ける。
「・・・さて、こうやって決着も着いたことだがあまり時間を長くかけすぎるのもあまり良くはない。体感時間程度ではあるが、この戦いが始まって終わるまでの間でもう各国で外殻大地降下の件に関しては話終えているまではいかずとも途中くらいにはなっていてもおかしくはないからな・・・だからさっさとルークはアッシュに対する要求を伝えろ。時間が惜しい」
「・・・あぁ、分かった」
「・・・っ！」
そんな様子である時にリオンが横から早く話すようにと促しの言葉を向け、ルークが覚悟して頷いた様子にアッシュが悔しげに歯を噛み締める。レプリカの言うことなどを聞かねばならぬという悔しさを隠しきれずに。



(・・・さぁ早く言いなさい、ルーク・・・貴方が何を考えているのかを・・・！)
その中でティアも目を光らせ、ルークの言葉について聞き逃さないようにと用意をする。
「・・・アッシュ。俺が考えたことを言う前に、分かりきったような事を言うようだけれど一つ聞きたい・・・もし俺がお前と一緒にキムラスカに戻りたいって言ったら、お前は我慢してでもそうするなんて言えるか？」
「何・・・？」
(えっ・・・と言うことは、ルークはアッシュと戻ることを望んでいるの・・・！？)
しかしルークが意を決して静かに問い掛けた事の中身を受けてアッシュがたまらずルークに視線を向け、ティアは内心で意外に思いつつも喜びも共に感じていた。今目の前にいるルークなら、アッシュの事を考えない選択をすることも有り得ないことではないとどこかで感じていた為に。
「・・・ハッ！誰がテメェなんざと仲良しこよしでキムラスカに戻るなんて言うか、この屑が！そんなもんを我慢してまで行う気なんか俺にあるわけねぇよ！」
(アッシュ・・・！)
だがアッシュがそんな歩み寄りなどするはずもなく、瞬時に負けたことなんか忘れたと言わんばかりに見下す笑みと罵倒を向けたその姿にティアは怒りを覚える。そうすれば丸く話が収まるだろうという気持ちで。



「・・・やっぱそうか・・・よし、んじゃ決まった。アッシュ、お前はキムラスカに戻れ。そうしてもらう代わりに俺はもうキムラスカに戻らないからよ」



「「「・・・え？」」」
・・・だがルークが気にした様子もなく納得したと言ったよう自身の望みを口にすると、ティアにナタリアだけでなくアッシュまでもがキョトンとした。ルークがまさかそんなことを言ってくると思わなかったと言うように。
「・・・んだよ、その反応。もしかして俺が言ったことが聞こえなかったってのか？」
「っ、そんなんじゃねぇ！・・・まさかテメェ、俺に同情だかしてそんなことを考えてやがったのか・・・！？」
「はぁ？誰が同情でんなこと言うかっつーの・・・単純にそうした方がいいからそう言っただけだ。お前のその反応からな」
「俺の反応、だと・・・！？」
そこにルークが反応しろとばかりに声をかけていち早くアッシュが同情かと怒りに満ちた反応を浮かべるが、原因はアッシュの答え方だと言うと怒りを抑えつつもどういうことだと先を促すように表情が今にも噛みつかんばかりにぎらつく。









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