・・・ルークがガイ達との別れを済ませた後、特に何か目立ったことが起こることもなく一夜が明けた。



「・・・ナタリア達に各自の国に戻ってもらうように言いに行ってもらってる？」
「えぇ、一応どうかと思ってといったようにね」
・・・それで朝のルークがいる部屋の中、ジュディスにヒューバートの二人からの報告を受けてルークは若干首を傾げる。
「明日に各国で外殻大地の降下についてを説明する際、他の皆さんは所属の国にいた方がいいのではないかと話をしに行っているんです・・・と言ってもその狙いとしてはジェイドさんにナタリアさんのどちらかでもラジエイトゲートでの場から離せればいいとの狙いからです」
「あぁ、成程・・・いられると迷惑ってより、やりにくくなるからってことからなんだろうけれど・・・ティアがそこに含まれてないのは・・・」
「彼女が僕達の言うことを素直に聞く可能性が少ないからですよ。それに導師に頼んで共にダアトでの説明役に、なんて言うのには失礼と承知で言っても一兵士・・・それも導師守護役ですらない彼女では不適格です。ただ彼女はそんなことはないとは言いそうではありますが、現状でどちらに付いていきたいかとティアが言うなら間違いなくラジエイトゲートの方です。例え導師の言葉であってもティアは導師に対しては申し訳無くはしつつも、こちらに付いていきたいと言うでしょうね」
「・・・確かにそうなりそうだと俺も思う・・・今のティアの感じだと、イオンよりこっちが大事だって言いそうだし・・・」
ヒューバートがその案の狙いについては何なのかを口にするが、そこにティアの名が無いことに疑問を口にしたルークは返ってきた言葉に苦く納得する。今のティアが自分達から離れる選択肢などまず選ばないだろうと。
「まぁ一応話をしには行ってはもらいますが、こちらが望むようにティアが考えてくれるとはまずならないと思っておいた方がよろしいでしょう。あくまでそうなってくれたらいいという程度のつもりでこちらも話をしに行っていますからね」
「まぁそれは仕方無いと思うけど・・・ナタリアにジェイドだと、ジェイドはまだマルクトに行くって言うかとは思うけどナタリアは少し微妙かな・・・」
「あら、どうしてそう思うのかしら？」
「何となくアッシュとの戦いが近いというか、そろそろだって感じて一緒にいたいって感じてる気がするんだよな・・・まぁ俺がナタリアに話をしたのが理由でもありはするんだけど、だからこそその時が近いって思ってる可能性があると思う。だからナタリアがその瞬間を逃がさないために余程じゃなけりゃアッシュの元から離れるって考えるとは思えないんだよな」
「成程、ナタリアもナタリアで察しているのではないかと言うことね」
ヒューバートがそれでもティアにも話をしに行っていると言い、ルークがナタリアについての状態を微妙と評するとジュディスも納得した面持ちを浮かべる。
「まぁジェイドの場合はピオニー陛下次第ってとこだろうけど、どっちに来るかこれは本当に五分五分ってとこかな。陛下は多分どっちでも構わないって言いそうだけど、それでジェイドの性格だと面倒ごとが起きるなら行かないとか考えそうだし・・・」
「有り得ますね。特にティアの事がありますから、何か起きる場にいるのを嫌がる可能性は否定出来ません」
「まぁそれならそれで好都合ね。下手な事になる可能性がその分わずかでも下がるってことだから」
そして最後にジェイドについてどうなるかも微妙と言うルークにヒューバートは納得し、ジュディスはむしろその方がいいと口にする。余計なことにならなくなる可能性が減るとあっさりしたように。









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