合間の一時はいかに

「変わりたいって言うのは別に構わないだろうが、その結果として良くない方向に変わるなんてこともある・・・ま、何が言いたいのかって言うと無理して早くそうしようなんて思わなくていいってことだ」
「そうよ、エステル。それに以前の貴女だったらアニス達家族の事に関しては一も二もなく否定を返し、どうにか穏便な解決手段をと願って行動していたでしょう・・・そう考えれば貴女も少しずつ変わり始めてるのよ。ルークの影響を受けて貴女らしいままにね」
「私らしいままに、ですか・・・」
それでユーリがそれらから急がなくていいとまとめた上でリフィルが変わっていることもあると言うと、エステルは実感が湧いていないと言ったように声を漏らす。
「ま、自分が変わったかそうでないかなんざそうそう自分で分かるもんじゃねーだろ。分かる時が来るとすりゃもうちょい時間が経って、ゆっくり前の事を振り返る時間がくりゃ自然とそう思うもんだ」
「・・・そういうものなんですか、スパーダ?」
「そういうもんだよ。現に俺も家を出るまでの俺と今の俺を比べてみたら、前の俺とは違ってるって思うぜ。良くも悪くもよ」
「私も・・・そう思えるようになるんでしょうか・・・?」
「さぁな、そこまでは保証はしねぇよ。ただもうちょいすりゃルークの決断と共に、俺らもルミナシアに戻ることになる・・・それまでは俺らもゆっくりすることは無いだろうしな」
「そうですね・・・まだやらないといけないことがありますから・・・!」
そんな声にフォローを入れるように言葉をかけたのはスパーダで実感のやけにこもった中身にエステルは不思議に思うが、まだ時間はあると言われてようやく気を引き締められたようで表情にやる気がみなぎる。
(・・・とりあえずエステルもだが、他の皆も大丈夫そうだな。後はティアについてをどうするかになるんだろうが、まぁ問題はないだろ・・・あいつがどう動くつもりでいるかなんて今更関係ない気もするがな。多分ジュディ達に俺の予想が正しけりゃあいつがどうにかしようって動こうとする時には、もうティアにとって取り返しのつかない状況ってヤツになってる頃だろうしな)
そんな光景を見ながらユーリはティアについてを考える。と言ってもティアが何かをやらかす心配などではなく、最早ティアでは何も出来ないだろう・・・そう確信めいたように考える形で。



(・・・明後日には外殻大地の降下を本格的に始める事になる・・・そこから彼らがどうするかは分からないけれど、もう全部が終わったらあの人達はルーク達に近寄らせない・・・そこからどうにかすれば、何とかなる・・・!)
・・・一方ティアだが、用意された部屋の中で考えにふけていたのだがその中身はユーリの予想が間違いではないと言ったよう、最早アドリビトムの面々に対する対抗手段を考えるのではなく遠くなってから行動しようと腰が引けた考えを持っていた。アドリビトムの面々に負けてないと未だに意地を張りつつも、認めたくないとしつつ根幹の部分では避けたいと逃げる形で。












時間は有限である、生ある者にとって



だからこそ動く時が重要になる



掴むべき物を掴めた者とそうでない者の差は著しく違う・・・



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