分かたれた道の再度の交錯

「・・・終わったのかい?」
「えぇ。方法は誉められた物ではないけれど、結果は成功よ」
「そうですか」
「えっ・・・一体何がどうなってるんだ、本当に・・・?」
・・・そして少しして夜の闇の中からしいな達が姿を現し、ジュディスと穏やかに会話を交わす様子に未だに混乱の中で状況の理解出来ないルークは呆然と言葉を漏らす。
「そうね・・・色々聞きたいことはあるでしょうけど、まず先にこの事は伝えておいた方がいいでしょうね」



「私達は貴方の知るアドリビトムのメンバー・・・つまりはルミナシアで共に貴方と一緒にいた私達よ」



「・・・えっ?・・・・・・っ、はあぁぁぁぁぁぁっ!?」
だがその疑問に答えるためのジュディスの言葉にルークはキョトンとした後、その言葉の意味に気付きたまらず叫び声を上げた・・・ルミナシア。この世界とは関係ないはずのその名をはっきり出すということは、嘘ではないということに気付き。
「あの、ルークさん落ち着いてください・・・今から説明しますから・・・」
「あ、あぁ・・・悪いアニー・・・」
「っ・・・本当に変わるもんだねぇ・・・いつもだったら『余計なお世話だっつーの』くらいは言うと思ったんだけど・・・」
「っ・・・!」
アニーがそこで心配してきた事にルークは素で返すが、軽く驚いているしいなの声にハッとした。演技を忘れ素に戻っていた事に気付き。
「ルーク。今から帳尻を合わせようとキレるフリはもう無駄よ。私達はもう貴方の本当の姿を知っているのだから・・・それでもまだ続けようと言うなら、今度は本気で怒らせてもらうわ」
「っ・・・わ、分かったよ・・・」
すかさずジュディスは釘を刺すよう、ルークの再度の演技の続行を止めるように言うが・・・その笑顔の裏に込められた異様なプレッシャーを受け、たまらずルークは頷かずにはいられなかった。尚しいな達はその光景を同情的な視線で見ていた。
「そう、ならいいのだけれど・・・どこから話をしようかしら?いきなりのことでルークも混乱しているでしょうし」
「・・・うん、まぁ色々聞きたいことはあるんだけど・・・とりあえずジュディスを治療してからにしてくれ。手加減はしたけど結構手応えはあったからまだ痛むだろうし、その間に俺もちょっと落ち着きたいから・・・」
「・・・そう、分かったわ」
「ではジュディスさん、こちらに来てください」
ルークの返答に満足したからなのか圧力を無くして話を進めようとするジュディス。だが先程の攻防のダメージを心配した上で時間をと言うルークにジュディスは了承を返し、アニーの言葉に従い彼女の元へ向かう。









・・・それから多少の間を空け、ルークはジュディス達とは視線を合わせる事なく静かに目を閉じ頭を抱えながら考えに没頭していた。必死に今の状況を整理する為に。
「・・・もういいかしら?私の手当ては済んだのだけれど」
「・・・あぁ、大分こっちも落ち着いてきたからいいぞ」
ジュディス達もそんなルークを気遣ってかその間に近付くような事はしなかったのだが、手当ては済んだとジュディスがアニー達と共に声をかけたことに手をどけ目を開けて頷く。話をすると覚悟を決めて。
「まずはどういった話をするかだけれど、それは貴方から聞きたいことを聞く形でいいわ。私達より貴方の方が聞きたいことはいっぱいあるでしょうし」
「分かった・・・って言ってもまず俺が聞きたいのはなんでオールドラントにアドリビトムの皆がいるのかって事なんだけど・・・どうしてなんだ?」
「その質問に対する答えなら少し長くなるけれど、いいかしら?」
「・・・うん、大丈夫だ」
「そう・・・では話すわ、私達がここに来た理由を」
それで最初に話の主導権を譲ると言われたルークは何故ここにいるのかを問うと、長くなると前置きをされたがそれでも話を聞くためにジュディスの言葉に頷いた。是非とも聞かなければならない事だった為に。










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