焔の決意と知りし者達

「どうして、また・・・それに、こっちの光は一体・・・」
『我はローレライと言う・・・だがまずはルークからの手紙だ、渡してくれ』
「ルークの、手紙・・・それとこれはもしかして、ルークの髪・・・?」
アンジュが呆然としながら二人の組み合わせに疑問を向けるが、ローレライが手紙と言いディセンダーが取り出した紙と髪の束に何をと受け取る。
「・・・・・・これは・・・!?」
「・・・どうしたんだ、アンジュ?」
「・・・見て。この手紙にはルークの言葉が書かれているわ。俺がライマにいつまでもいたら邪魔だろうし、かといって一人で生きてけるとも思えないからいっそこの世界から消える・・・そう、ね」
「「「「っ!?」」」」
それで手紙の中身に目を通したアンジュだが、読み終えた時に目を見開き愕然とした様子に変わった。ロイドが何が書かれてるのかと問うが、その呆然としながら手紙を差し出した返答にロイドだけでなく全員驚愕した・・・ルークは死んだと、そう取る以外に出来ない表現に。
『待て、ルークは死んではいない。ただルークはありのままのことをそのまま文に興しただけなのだ。このルミナシアという世界から消えるとな』
「・・・どういう事だ、ローレライとやら」
『・・・ニアタから話を聞いたり他の世界のカノンノに会ったことで、他にも似たような世界があることはそなたらも知っているだろう。まずはそれを念頭に入れて我の話を聞いて欲しい』
そんな空気に不穏な空気になる前にローレライは訂正を入れるが、ユージーンの鋭い視線からの問いかけにまずはと前置きを入れる。ルークの事情に自分の事情を話さんと、覚悟を決めて・・・













・・・そこからローレライは多少かいつまむ部分こそありはしたが、事実を話した。

ルークは元々オールドラントという世界で生まれたこと、ライマにいるアッシュ達もそのオールドラントの世界にいたこと、オールドラントで紆余曲折経てヴァン達と戦った結果ルークは死ぬ寸前となりこのルミナシアの世界に存在していたルークの体にオールドラントのローレライがその魂を宿したこと、そしてアッシュ達に全てが終わった為に後を託し自分は消えるとルークがライマを出て、それを見かねたローレライがオールドラントに再び魂を送ったことを・・・



『・・・故にもうルークは戻ってこない。仮にもし戻ってきたとしても、まずライマには戻ろうとはしないだろう。ルークはアッシュ達が幸せになるにはこれしかないと考え、行動してきたのだからな』
「「「「・・・」」」」
・・・それらの話を聞き終えた一同だが、ローレライの言葉に葬式のような重い沈黙を返す以外に誰も出来なかった。おそらく皆の中では様々な葛藤なり想いが渦巻いてることだろう、ルークに対してそれこそ様々に・・・
「・・・一つ、質問いいかしら?」
『なんだ?』
ただそれでも話をせねばと思ったのだろう。アンジュが意を決して口を開き、ローレライも声に答える。
「その、なんで貴方達二人はここに来たの?ローレライの話だとルークの手紙はその、森の岩場に置いていたとのことだけど・・・」
『・・・それはルークを送った後、ディセンダーが我の元に飛んできたからだ。話を聞けば我の動きからルークの事を知り、いてもたってもいられず来たらしい。それで皆に説明したいと言われて、その根気に負けて共にここまで来た・・・と言うわけだ』
「そうだったのね・・・ありがとう、そこまでしてくれて」
その問いは何故ここに来たのかという物で、ローレライは率直に問いに答える。アンジュはその判断に礼を述べるが、ディセンダーは気にした様子もなく首をフルフルと横に振る。
「でも・・・それだともう、ルークはこっちに帰ってこないんだね・・・」
「そっか・・・そう言うことになるのか・・・」
そこにクレスとロイドが確認を取るように声を上げるがその内容が内容なだけに、他の面々はまた沈痛な表情に変わってしまった。ルークと仲のよかった二人が心から悲しむ姿が、あまりにも胸に突き刺さって来たために。







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