合間の一時はいかに

「・・・ま、お前のそういった表情を見れただけでもここに呼んだ価値はあったな」
「陛下・・・からかわないでください」
「からかっちゃいないさ。本気でそう思ってる・・・実際にお前と一対一で顔を突き合わせて話をしたのはこれが初めてだが、謁見の間で会っていた時のお前は他の奴らもそうだが真面目な顔をしていたが、そういった表情をしているのを見れたことに少し嬉しさも感じたんだ。さっきの話もあってお前が姿を消すことを自分で悲観的に考えてないと言うことが、その姿から分かった気がしたからな」
「・・・陛下・・・(・・・何かそういう風に言われるとは思わなかったな・・・陛下だからこんな風に言えたのかもしれないけど、こんなことを聞くと少し嬉しいかな・・・)」
そんな姿に笑顔のまま言葉を続けるピオニーにルークは恥ずかしげにしていたが、続いた言葉と見守るような柔らかな笑みにたまらず嬉しさを感じる。ピオニーが特別だとしても、人から見れば今の自分が悲壮感などに取りつかれてないと見えると言われて。
「・・・これからお前に会えんと言うことに残念だという気持ちこそあるが、必要以上にお前を留めるようなことは望ましくないようだからな。だからもうお前に会うことも無いだろうが、お前が健常に生きていけることを祈っておく・・・達者に暮らせよ、ルーク」
「っ・・・はい、ピオニー陛下もどうぞお達者に・・・(こんな形でも、例えルミナシアのピオニー陛下と違うとは言っても・・・こうやってちゃんとした形で別れの挨拶を交わせるなんてな・・・)」
そしてピオニーが最後の挨拶といったように別れの言葉をかけてきたことに、内心複雑さを感じつつもルークは頭を下げる・・・ライマの王であったピオニーに迷惑をかけると知りつつも抜け出すことを選んだため、申し訳無いし礼儀がなってないと思いつつも何も言わずに消えていった事を思い出しながら・・・















・・・それでピオニーと別れたルークは再びダイクロフトへと戻ってきた。
「おっ、戻ってきたか」
「ユーリ・・・待ってたのか?」
「あぁ、ちょいとお前さんに話を聞きたいっていうやつがいるからな・・・大丈夫か?」
「・・・まぁ別に他に用もないから大丈夫だけど」
「んじゃ付いてきてくれ(こっちも聞きたいことがあるしな・・・)」
それで装置から出てきた所に顔を見せたのはユーリで用向きをルークが問うと、話がしたい者がいると言われた為に素直に付いていく事にする。話があるのはお互い様だと思いながら。



「・・・呼ばれたから来たけど、話があるのは誰なんだ?」
「・・・私です・・・」
「エステルか・・・」
・・・ユーリの案内の元、とある部屋まで来たルーク。
そこにはダイクロフトでの待機組が揃っていたため誰からの話なのかとルークが聞くと、エステルが悲しそうな表情を浮かべながら前に出てきた様子に何となく察した。エステルが何を言いたいのかを。
「・・・ガイ達に別れの挨拶をしに行ったってヒルダから聞きました・・・どうなったんですか、ルーク?」
「・・・取り合えず説明するからゆっくり聞いてくれ」
そんなエステルから口にされたのはガイ達との別れの事についてで、ルークは予想していたといった様子で説明すると先程あったことについて話し出す・・・









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