合間の一時はいかに

「しかしなんでそこまでされるのかについて、心当たりはないのか?お前自身には全く」
「・・・心当たりがあればこんなことは言いませんし、そもそもこっちも止めるように言うなり気に入らないなら態度を改めるなりなんなりしようとしたとは考えたとは思うんですが・・・」
「・・・成程。お前には心当たりはないし、他の者に聞いても大方同じような答えが返ってくるんだろうな・・・」
そこでピオニーは心当たりについてを聞くのだが、心から疑問だとばかりに表情を明るく出来ないルークに何とも言いがたそうに頭をかく。
「これがもうちょい態度が可愛らしいもんだったら、ティアがルークに惚れてるだとかって話になるんだろうけどな・・・」
「ティアが、俺に?・・・正直、有り得ないです」
「それは、どういう意味でだ?ティアにそういう気持ちを抱けないという意味でか?それとも向こうがお前にそういった気持ちなど抱いてないだろうという意味でか?」
「どっちの意味でも、です。ティアからそういった風に見られてるなんて感じたことはないですし、俺はティアにそういった気持ちを抱いたことなんて無いですから・・・」
「・・・まぁ向こうの気持ちがどうなのかは当事者じゃないから分からんが、お前がそこまで言うんならルークの気持ちは確かに無いんだろうな」
そこでピオニーがふと呟いた惚れてるとの言葉から互いの気持ちはどうかといった会話になるが、ルークの素直な気持ちを受けて納得する。
「・・・俺とティアってそんな風に見えますか?前にもダイクロフトの奴らからそんな風に言われましたけど、あんまり俺はそんな気がしないんですけど・・・」
「あ~、あくまで俺の場合は又聞き程度だからティアの態度がルークにお熱だからそうなってるんじゃないかと思っただけだ。まぁ同じように言われるって事はダイクロフトの奴らも何らかの根拠か予想があるからそう言ったんだろうが、肝心のお前がそう感じないんなら意味はないだろ。現にそういった風に聞いてもティアに対して何らかの意識はしないだろ?」
「はい、そういった気にはとても・・・もしティアが万が一俺の事を想ってたとしても、今までの事を思い出すとそんな風には感じれないし気持ち自体も沸き上がらないですね・・・」
ルークはそこで客観的な目からそう見えるのかを聞くと、あくまでそう思っただけと言ってからそう聞いて意識できるかとピオニーに問われると、ルークは首を横に振る・・・今までの積み重ねがあってティアを異性として認識するのは、同情などを有したとしてもあまりにも高い壁となってそれを乗り越えることは出来ないと感じた為に。
「ま、あくまで今のは他人からの勝手な予想だしお前自身もそう感じれないとキッパリと言えて感じるんなら問題はないだろう。だが・・・もし今の話が大袈裟じゃなくて本当だとしたら、男としてお前はちゃんと応えられるのか?流されるままになるんじゃなく、自分はこう考えてるんだってぶれる事なくだ」
「・・・はい。もう俺の心は決まっていますし、そんな風に流されるのは・・・いけないと思いますから・・・」
「・・・フフン、何だかんだ言ってもお前も男だな。男女の関係について想像して顔を赤くするとはな」
ピオニーがそこで誘惑を用いられても迷わずにいられるかと聞くと、ルークが素直に頷いた後に恥ずかしそうに顔を赤めた姿に面白そうに顔を覗きこむ。
「あ~・・・否定したいけど、否定できないです・・・ただティアに関しては心配はないです、迷いはないですから・・・(流石に言えないからな・・・ジュディス達との事に関しては・・・)」
そんなピオニーに首を振りつつ答えるルークだが、流石に馬鹿正直に言ってはいけないと考える。ジュディス‘達’との関係と何が起きたのかということに関してを。









.
17/29ページ
スキ