合間の一時はいかに

(・・・取り敢えずダイクロフトに戻らないと・・・)
「・・・おぉ、ルークか?」
「ピオニー陛下?どうしてここに・・・」
「公務の合間の休憩だ・・・それよりどうした?一人でここに来たのか?」
「はい、少し用がありまして・・・」
「ふむ・・・」
それで宮殿の外に出ようと歩いていたルークだったが、対面上からピオニーが来て話しかけてきた事に立ち止まって応対する。
「・・・よし、少し付き合えルーク。休憩しようにも一人じゃつまらんと思ってたところだ。時間は大丈夫か?」
「・・・まぁ急がないといけない事はないですが、いいんですか?つまらないからと言って、俺と一緒になんて・・・」
「構わん、一人でいるのもつまらんと思っていた所だからな・・・とりあえず行くか」
「はい・・・(あ~・・・ルミナシアでの事もあるから、正直ピオニー陛下と直に対面ってのは気まずいんだけどな・・・俺的に・・・)」
少し考えていた様子のピオニーは自分に付いてこいと言い、断る理由も無かった為に反論せずに付いていく。前の時の申し訳無さを感じつつ・・・









「・・・成程、もう会う事が無くなるだろうから挨拶に来たということか」
「すみません、このような形で来て・・・」
「構わん。お前達のおかげでマルクトが滅びずに済んだばかりか、本当の意味で和平を結ぶまでになったし何より報告じゃお前がヴァンを主だって止めたからさしたる被害も出ずに終わらせる事が出来たんだろう。そんな功労者なら別に宮殿に来るくらい構わんさ」
「ありがとうございます、陛下・・・」
・・・それでブウサギが足元を歩き回るピオニーの私室の中、グランコクマに来た経緯を話終えたルーク。
報告も無しに訪れた事を謝るルークだが至って気にしてないと笑顔を見せるピオニーに、再度頭を下げる。
「ま、二人については心配すんな。アニスは今聞いたばかりだからどうするかは分からんが、マルクト内でどっちも問題なく働けるようには取り計らってやる」
「陛下直々にそう言っていただけるのでしたら安心です」
「そう固くなるな。ここは俺の部屋だし、さっき言ったばかりだがお前達の功労を考えればこれくらいはむしろ行わないといかんと思うからな・・・だがダイクロフトの住民もだが、お前ももう少ししたら人前に出ることは無くなるというのか・・・アッシュの事もそうだが、ティアのことが無ければお前もマルクトで身柄を引き受けてもいいと思ったんだがな・・・」
「そう言ってくださるのはありがたいんですが、アッシュはまだ俺に勝負を挑むだけで済むかもしれませんが、ティアはその・・・控え目に言っても、時間や場所など関係無く俺の元に来る可能性が高いですから・・・」
「・・・成程、そこまで言う程にお前はティアのことを危惧をしているということか」
ピオニーは気楽に話を進めていくのだが、進んだ話の中でティアのことを言いにくそうに口にしたルークにピオニーは表情を引き締める。
「旅の間の事はジェイドからの又聞き話だったり今のお前がどれだけ危惧しているかについてしか聞いてないが、相当なようだな」
「・・・はい。何故ジェイド達に対してもそうですが、特に俺に対してあんな風になるのかが分かりません・・・」
「・・・ちなみにお前にだけ会わせないようティアを面会謝絶にするようにするから、マルクトに安心して来いと言われたら来るか?」
「それはまず意味がないと言うか、逆効果だと思います。それこそ下手をすれば譜歌を歌うことはなくても、俺に会うためだけに俺の所に無理矢理侵入してくる可能性もありますし・・・」
「・・・そこまで、ということか・・・」
ピオニーはそこで前置きの質問をした上で対策を取ればどうにかならないかと聞くが、力押しで来る可能性の方が高いと信じているルークにそっと頭に手をやる。ティアに対して呆れたといった様子で。









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