合間の一時はいかに

「・・・なぁゼロス、お前がそこまで言うって事は嘘や大袈裟なんかじゃなく本当にそう言ってるんだろうって思う・・・けどそこまでナタリアの事を俺にだけって形でも言ってもいいのか?普通のゼロスならこんなことまず言わないだろ・・・?」
「・・・まぁ普通の時の俺なら言わないだろうね。でもさ、ロイド君・・・他のメンバーはどうかと知らないけど、もう俺は表向きはともかくとしてもナタリアちゃんに対して同情的な感情もそうだし、言葉をかけようなんて気持ちは一切浮かばないのよ。散々バンエルティア号の中でアッシュと想いあってるのに立場とかルーク君に対する考えで右往左往してる姿を見てきて、そしてまたこっちでも同じような姿・・・ルーク君を助けるって目的で今ここにいる俺からすりゃ、いつもみたいに女の子を大事になんて考えと同じような重さで天秤にかけちゃどうしようもないからこう言ったって訳よ」
「天秤にかけちゃいけない、か・・・」
「ま、俺様にロイド君は裏方の役割だしルミナシアに戻ったらもしまたアッシュ達の中の誰かに会うこともあるかもしれないしさ。その時にこっちでのことや今アッシュ達に抱いてる印象とか言わないよう、心の準備をしてりゃいいさ。もうそんなに俺達もここにいる訳じゃいるわけでもないんだしね」
「・・・そうだな。俺もルークを助けるって選んだ時点で、アッシュ達に事実を言わないって決めた立場だからな・・・」
ただここで女性に対しての普段の態度と違うとロイドは聞くが、ルークと天秤にかけたからこその結果であり戻った際の態度を一貫させる必要についてを返され苦い顔ながらも納得する。自分もルークの味方をすると選んだ以上、戻っても何も話さないようにしなければならないと・・・










(ロイドは大丈夫かな・・・ゼロスなら大丈夫だろうけど・・・そう信じて俺はこれからどうするか考えないと・・・残り時間もそんなにないんだし・・・)
・・・場は変わり、部屋に戻りミュウを起こさないよう静かにベッドに腰掛けたルーク。
その体勢のままルークは少し考え込む、これからについてを。
(・・・うん、やっぱり明日は皆に頼んでグランコクマに送ってもらおう・・・まだティア達はともかくとしても、ガイとアニスには先に別れの言葉をかけに行きたい。ルミナシアじゃ何も言わずに俺がライマを出る形で行ったし、ミュウにも別れが近いとも言った・・・ならまだティア達には言わないにしても、二人には今回は先に別れを言っておこう・・・もう会うことも無いだろうしな・・・)
それで出た結論はもうついてこない、会うことがないだろう二人に別れを告げに行きたいという物であった。前には何も言えず出ていった負い目があり、またそれを繰り返すことは流石にしたくないと思い。
(・・・それにアニスには聞きたいことも残ってるしな・・・まぁ皆にはこの事は流石に言えないから、別れの言葉だけ交わしに行くつもりだって俺一人で行くしかないだろうけどな・・・)
だがそれもあるが前にアニスに言われたこと・・・これがルークの中に疑問として残っていたからである。アニスとアドリビトムの面々の間で何があったのか、それを前からずっと聞きたいと思っていたこともあるのだが機会が無いことにアドリビトムの面々がいる前でその話題を出さない方がいいと思ったのもあって・・・












・・・そういった考えを持ちつつ他の事も考えながら静かにルークは過ごしていき、一晩過ごして起きた後にアドリビトムのメンバーの元に向かった。









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