合間の一時はいかに

「いよう、ルーク君♪」
「あ、ゼロスにロイド・・・どうしたんだ?」
「話はそこの部屋でしようぜ~・・・さっきのナタリアちゃんとの会話についちゃ変な人に聞かれたくないっしょ?」
「っ、分かった・・・」
・・・それでしばらく通路を歩いていると、背後から声をかけてきたゼロスとロイドに立ち止まるルーク。
何事かと聞くルークだが、意味深に笑い近くの部屋の扉を指差すゼロスにすぐに頷き部屋に向かう。重要な話があることを匂わせる様子に。



「・・・それで、どうしたんだ?さっきのやり取りを隠れて見てたってのは何となく分かるんだけどさ・・・」
「ん~、一応言っとくと俺達はいたくていた訳じゃなくて偶然近くにいただけだからね」
「ルーク・・・」
「おぉ、聞く気満々だねロイド君」
それで部屋に入って話を始めるのだが、ロイドがルークの方へ一歩前に出る様子にゼロスはニヤリとした笑みを浮かべる。
「なぁ・・・ルークはあの時ナタリアに力がないなら言うなみたいに言ったけど、その気になるっていうかお前がナタリアの支えで力になってやるって選択はなかったのか?アッシュとのことでさ・・・」
「力に、か・・・」
対してロイドは至って真剣にナタリアの側に寄ってやる考えがなかったのかというように問い、ルークは複雑そうに表情を歪める。
「・・・俺から見ても、ナタリアがそういったことを俺に求めてるのは何となく感じてはいた。けど俺はそうしない方がいいと思ったからあぁ言ったんだ・・・今の俺が積極的にナタリアの味方をするのはおかしいって思ったのもあるけど、それで手伝ってもナタリアが後で気持ちを本当の意味で立て直せるかって考えてな」
「・・・本当の意味で立て直せる?」
「俺はナタリアとアッシュをくっつけることに関して、迷いはない。けどそれで俺がアッシュと不仲になることに関しては俺が一緒に居続けるって選択をしたとしても、アッシュが根本的に俺と衝突を繰り返そうとする行動をどうにかしないとナタリアの気苦労が収まる事なんてない。むしろ今まで以上に難儀するのは目に見えてる、どうにか出来ないかってな・・・ちなみにロイドはアッシュが俺に喧嘩を全く吹っ掛けてこない日常なんて想像出来るか?」
「・・・いや・・・俺には想像出来ねぇ・・・」
ルークは意を決して何故そうしないかについてを口にしつつアッシュが取るだろう行動の是非に関してを問うと、ロイドは苦々しい表情で首を横に振る・・・アドリビトム内で常日頃のルークとアッシュの様子を見てきたからこそ、メンバー内で屈指のお人好しであるロイドでもそんなことしないとアッシュの行動は否定出来ない物だった為に。
「そう、俺もそう思った。そしてこれから一緒にいるにしろいないにしろ、まず有り得ないにしたって俺が俺達の関係の改善に成功させたとしたら・・・ナタリアにその気に自覚はなくても、多分ナタリアは俺達との関係について俺に解決を委ねようとする。自分じゃ無理なら俺に動いてくるようにって、最初からな」
「・・・だからあんな風にナタリアに言ったってのか、必要以上に頼られないようにするために・・・」
「今言ったばかりだけど、俺がアッシュをどうにか出来る可能性はまずないとは思う・・・だから無いことを気にする必要はないんじゃないかって思うかもしれないけど、それでも俺がアッシュとのことをナタリアの為にもなんて風に約束でもして動いたら、そっちの方に流れかねないって思うんだよ」
「あ~、ルーク君の言った通りになる可能性は非常に高いだろうしそれで正解だったと思うよ。少なくとも俺はそう思うね」
「ゼロス・・・」
ルークはだからこそナタリアに対しての態度を一貫していたとその考えを明かし、ゼロスも気楽そうにしながらも確かな同意を口にしたことにロイドは意外そうに視線を向ける。









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