合間の一時はいかに

「・・・ありがとう、ミュウ。そんな風に言ってくれるのは嬉しく思う。けどだ・・・季節が一巡りするまで俺はお前とは一緒にはいてやれないし、いてやれたとしてもそれこそ季節が一巡りするまでだ・・・お前はチーグルの森に戻ることになるし、戻るって自分でも決めてんだろ?」
「そうですの・・・」
「・・・ミュウ。言い訳とかそんなんじゃなく、俺はお前が嫌いだから離れたいとかそんなことを言ってるんじゃない。俺が言いたいのは、別れるならちゃんとした形で別れようってことなんだ(お前が言うなって言われるだろうけどな、前にやったことを考えると・・・)」
「ちゃんとした形で、ですの?」
ルークは真剣にミュウに礼を言いつつも話を進め、内心で自虐しながらも首をコテンと傾げさせる。ちゃんとした形でと言い。
「どっちにしても俺はミュウだけじゃなく他の奴らとも別れることになる。3日後を皮切りにだ・・・それで正直に答えてほしいんだが、他の奴はともかくとして俺とアッシュが今のままで仲良くなれるなんて少しでも想像出来るか?」
「・・・出来ないですの」
「だろ?俺はやれることをやる気ではいるけれど、だからと言って全部がうまくいくって限ったことじゃない・・・けど俺はやるって決めたんだ。これからどうするかについてを。でもそうするって決めたからには、ミュウも含めてお別れをしないといけないんだけど・・・その時にはミュウ、お前だけでもいい。俺とちゃんと別れの言葉を交わしてちゃんと別れてほしいんだ。別れることが嫌だとか認められないとかそんな風になるんじゃなく、その時になったらお互いに納得して別れられる・・・そんな形でな」
「・・・そうなんですの?」
「あぁ・・・これは命令なんかじゃなく、お願いだ。ここの奴らは別にしても、アッシュ達とちゃんとした別れが交わせないならミュウ・・・最後に俺と別れの言葉を交わしてくれ。それが俺の最後のお願いだ・・・」
「っ・・・!」
その姿にルークは自身の考えを話しつつも自分がいかに葛藤して話をしているのかを滲ませるよう、それでいて切に願うように頭を下げるとミュウは息を詰まらせた。ルークの本気としか見えないその姿に。
「・・・・・・分かりましたですの。ご主人様と別れるのはすごくいやだけど、ご主人様がそう言うなら僕はそうするですの・・・」
「・・・ありがとう、ミュウ・・・そして、ごめん・・・」
「・・・ご主人様が決めたことに僕は従うですの・・・うっ、うっ・・・」
「っ・・・本当にごめん、ミュウ・・・」
ミュウもそこまで来てルークの考えの通りにする・・・そう頷いたかと思いきや、下を向いてすすり泣くような声が聞こえてきたためその小さな体を引き寄せ、再度静かに謝る。譲る気はなかったからといっても、結果ミュウを悲しませてしまった事を申し訳無く思い・・・









「・・・泣き疲れて寝ちゃったか・・・」
・・・それで数分後、ミュウの声を圧し殺すように抱いていたルークだったが、寝息が聞こえてきた事にその小さな体をベッドへと寝かしつける。だがやはりその表情には晴れない影があった。
「・・・ちょっと外に出るか・・・」
ルーク自身自分がそうなっなていることは分かっている・・・だからこそ気晴らしをしようとルークは外へと向かう。居たたまれない気持ちを少しでも変えるために・・・










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