合間の一時はいかに

・・・アドリビトムの面々がローレライとの話を行っているその頃、ルークの元にミュウが戻ってきていた。



「ご主人様~、ただいまですの~!」
「お~、って何で飛び込んでくんだよ・・・(こんな風にミュウと一緒にいれんのもそろそろ終わりか・・・)」
部屋に入ってきてミュウが声を上げると共にベッドに座っていた自分の方に飛び込んできて、表面上うざそうにしつつも内心で別れの時が近いことを考え気持ちが重くなるルーク。
(・・・どうするかな、まだ時間があるから3日後・・・遅くても4日後にはもう別れる事になるって理由は言わないにしても、触りくらいは言っといた方がいいかな・・・)
「どうしたんですの、ご主人様?」
「ん・・・あー・・・(・・・言おうかな。ミュウがどういうことかって不安に思ったり、何か行動に起こされる可能性はあるけど・・・それでも何も言わないより、こうなるって少しでも考えてもらった方がミュウもちゃんと事実を受け止めてくれるだろうしな・・・)・・・ちょっと話を聞け。これからのお前にも関わることだ」
「はいですの」
更に思考を深めどうするべきかと考えていたルークだが、ミュウが自分を見上げながら何かを感じた様子に話をすることを決意して手元からミュウをベッドに降ろし、真剣な面持ちで話しをすると口にする。
「・・・確かお前の所の長老が言ってたよな。俺に季節が一巡りするまで仕えろとかなんとかよ。けどそれは無しだ」
「・・・どういうことですの?」
「多分3日後かそれくらいには今のこの旅の終わる。そしてそうなりゃもう俺はお前に関わってやることは出来なくなるし、お前をあのチーグルの森にまで帰すことは出来なくなる。だから3日後、全部終わったら俺が送るかここの奴らが送るかは知らねぇがあの森に帰れ」
「そ、そんなの嫌ですの!ミュウはご主人様に季節が一巡りするまで仕えますの!」
「(前の俺ならうるせぇだとか黙って言うことを聞けって言ってたんだろうけど・・・少しは言葉を使えるようになったんだから、ちゃんと言葉で説得しよう・・・理由付け自体は俺が勝手に考えたものじゃあるけど、それ以外は俺の本心からの言葉で)・・・ミュウ、そうやって使命だとかもあるだろうけど俺の事を思ってくれるのは嬉しく思う。ただ・・・もう終わりの時間が近付いて来てるんだ」
「ご、ご主人様・・・?」
それで話を進めて帰るように言っていくが納得など出来ないと声を上げるミュウに、内心で決心をつけて素の口調に戻し言葉をかけていくと戸惑いを浮かべる。いきなりのルークの変貌に。
「多分チーグル族に残ってたっていう言い伝えについてだけど、あれはこういった状況になることを考えてなんだろうけど、その季節が一巡りっていうのはこの状況が終わるまでチーグル族に離れて欲しくないからっていう風に俺は捉えてるんだ。いざって時にチーグル族の助けがなかったらいけないからってな」
「・・・そうなんですの?」
「あくまで俺が考えたことじゃあるけど、どっちにしてもそろそろ俺達がやれることはもう終わりに近付いてきてる・・・だから3日後、チーグル族に説明する役なら俺がやるのでもいいしあいつらに頼んでもいい。ミュウ、全部が終わったら帰るんだ。チーグルの森に」
「・・・嫌ですの!そんな風に言われてもミュウはご主人様と離れたくないですの!」
「ミュウ・・・」
その素のままでもっともらしいように考えた理由を真剣に語っていった上でちゃんと帰るように願うルークだが、ミュウが涙目で胸に飛び込んで拒否をしてきたことに辛そうに表情が歪む。自分をこうもミュウが思ってくれている気持ちを受けて。









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