前と違う結末への序曲

「この事に関しては障気の押し込みが終わった後に両陛下に伺いを立てていかがするかという話をしに行くことは我々の中では規定路線になっていますが、導師もその時には協力していただけますか?」
「・・・はい・・・そう聞いてしまっては、僕としても下手に無視出来る物ではないと感じました・・・その際には僕もお二人の説得をしたいと思いますが、ジェイドやナタリア達もその考えには賛成ですか?」
「障気の危険性に今までの話を考えれば、彼らの言うことは無視する事は難しいと見ていますので賛成ですよ」
「私もですわ。確かに音素の恩恵が無くなることは良くない事だとは思いますが、障気をどうにかしなければ後世の人達まで危ういというならそうする方がいいと思いましたので」
「そうですか・・・そういうことなら安心して僕も説得が出来ます。僕だけで説得というのは少し不安でしたからね」
「決まりましたね・・・では後の事は障気の押し込みが済んでから進めましょう。まずは障気をどうにかしなければどうにもなりませんからね」
「はい」
それでプラネットストームの停止の説得の為に動くかを問い掛けるヒューバートは、イオンが二人に考えを聞いて同意を示したことに話を先に進めると言う。
「とは言え大筋に関しては大方言いました。い組とめ組の方々に作っていただいた装置を発動させてからタルタロスに乗って地核まで行き、そこからダイクロフトまで戻れば一先ずは障気はどうにかなります」
「それはいいんですが、そう聞くと思いの外簡単なように聞こえますね。障気の押し込みは」
「いえ、そうでもありません。障気の為の装置を起動させて地核にまで移動するのに最適なアクゼリュス跡地に行くのに五日かかりますが、効果を持たせていられるのはその五日程度で下手に時間をかける事は出来ません。その上でタルタロスから脱出してダイクロフトに戻るにしても、ここでも下手に時間をかければ障気の影響を受ける可能性が高くなりますから脱出の為の時間は出来るだけ少なくしなければなりません。ですからタルタロスに乗って地核にまで行く面々は最低限タルタロスを動かせて、かつ休憩の為の交代人員を乗せる程度に納めなければなりません。人数にして言えば六人以上、十人未満と言うところが妥当な人数でしょう」
「時間制限もありますが、今言った以上の人員を配置するのはあまり良くないということですか・・・」
「そうなりますが、残った方々にはその五日の間で各地の代表の方々の説得をお願いしたいと思っています。外殻大地の降下も含めて時間をかけて話し合っていただいた上で結論を出していただいた方がいいでしょうからね。ですからジェイドさんにナタリア様に導師は各地に戻られて上層部の方々の説得をお願いします」
「・・・本当は僕も障気の押し込みの場にいたかったのですが、そういうことならそうした方が良さそうですね。ジェイドにナタリアもそれでいいですか?」
「はい、その方が待つ時間に何をするかとならないですみますからね」
「私もそれで構いませんわ」
それで障気の押し込みの際にどんな制限があるかを説明した上で各地に話をしに戻ってほしいと言うヒューバートに、イオンにジェイドにナタリアは反対などないと頷く。



「それでは後はどのような人選にして僕達が分かれるかですが・・・」
(来たっ・・・ここは何としてでも私とルークがタルタロスに乗って一緒になるように動かないと・・・それにローレライが地核にいる今、私達に接触してくる機会を逃すわけにもいかない・・・!)
(どうするかな・・・地核にもうローレライがいないこともあるけど、あえてタルタロスに乗らないといけない理由って俺には無いし・・・)
そして話をどういった組分けをするかという話題に移すヒューバートを尻目に、ティアとルークは考える。熱量も思考の方向性も両者かすってもいない考えを。









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