前と違う結末への序曲
(やっぱり・・・何となく予想は出来ていたけど、この人達もそういった結論に達していたのね・・・)
・・・イオンが驚愕する中で今まで話を黙って聞いていたティアは、内心で予想通りと気に入らない気持ちを滲ませた声を漏らす。
(・・・落ち着くのよ、ティア。障気の押し込みもそうだけれど、これからの事を考えればプラネットストームの停止を行うのは不可欠な事・・・今は口を出すべきではないわ、私が発言しても何でそれを知ってるのかってなるのは目に見えているし・・・)
だが今までのティアと違い、その光景をただ見ようと心に秘めて黙る。と言っても単に自分の立場で話をしても、自分の事を説明しなければ証明が難しいと今までから感じていた為に。
「導師にとって、相当な驚きであると言うのは見ていて分かります。ですがプラネットストームを止める以外に障気を確実に出ないようにするための方法はないのです」
「な、何でそうなるんですか・・・プラネットストームを止めないといけないというのは・・・」
「さっき言ったよう、プラネットストームが障気発生の原因になっている上に障気を発生しないようにした上でプラネットストームを動かす・・・そんな都合のいい事にするのは、根本的に不可能だからです。事実、そういった結論が出たからこそタルタロスに用いた技術以上の対処法が無かったんです」
「そ、それは・・・ですが、そんなことをしたなら音素が世界を循環しなくなってその恩恵が得られなくなって、人々の生活が・・・」
「恩恵を優先すると言うのであれば、先程に言ったような危険性は今後起きる事は覚悟していただかねばならない事態になるのはどうしても避けられません。その上で言わせていただきますが、今回の障気の押し込みは成功はしたとしてもこれからもまた成功するとは限りません・・・あくまで障気はしばらく出てこなくなるだけであって、綺麗サッパリ消えてなくなる訳ではありません。むしろ障気が復活した時が最も危うい状況に陥る可能性は高いと、我々はそう見ています・・・例えるならそれはずっと水をせき止めていたダムの堤防が決壊するような物になり、はち切れた水の流れは一気に濁流となり解き放たれるようなもの。そうなったならそれこそ成す術もなく人々は飲み込まれることになります・・・十数年、大気に溶け込む事なく溜まっていた障気が溢れ出す形でです」
「っ!?・・・そんなことが起きたら・・・!」
「あくまで我々の予想ではありますが、アクゼリュスに蔓延していた以上の濃度の障気が出ることは予測出来ます。少なくとも障気が最初に噴出した地帯の近くに住む方々はその影響を強く受け、救助が来る際に生きているだけで御の字で死んでいても当然の物・・・となる可能性すら有り得ると思われますが、それが障気噴出の際に何度も起こることだとしたなら導師はどう思われますか?」
「・・・・・・そんな、事にはなってほしくありません・・・そうなってしまえば取り返しがつかない事になるのは目に見えています・・・そして、障気の噴出を二度と無いようにするには、もうプラネットストームを止める以外にないと・・・」
「はい。ここで音素、そして預言の恩恵惜しさにそこから目を背けるような事をすれば、さっき言ったことも併せていずれ破綻を来す可能性は極めて高くなるのは避けられません。この問題に関してはインゴベルト陛下にピオニー陛下にも話をした上で、判断をするべき事だと我々は考えています」
「・・・そう、ですね・・・そこまで聞いてしまったからには、お二方にもお話をしないといけませんね・・・」
・・・それでいかにプラネットストームを止めねば危険なのかと更なる可能性まで話したヒューバートに、イオンは次第にその危険性を感じてそうすると自然に考えを変えていった。そんなことにはさせたくないといった様子で。
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・・・イオンが驚愕する中で今まで話を黙って聞いていたティアは、内心で予想通りと気に入らない気持ちを滲ませた声を漏らす。
(・・・落ち着くのよ、ティア。障気の押し込みもそうだけれど、これからの事を考えればプラネットストームの停止を行うのは不可欠な事・・・今は口を出すべきではないわ、私が発言しても何でそれを知ってるのかってなるのは目に見えているし・・・)
だが今までのティアと違い、その光景をただ見ようと心に秘めて黙る。と言っても単に自分の立場で話をしても、自分の事を説明しなければ証明が難しいと今までから感じていた為に。
「導師にとって、相当な驚きであると言うのは見ていて分かります。ですがプラネットストームを止める以外に障気を確実に出ないようにするための方法はないのです」
「な、何でそうなるんですか・・・プラネットストームを止めないといけないというのは・・・」
「さっき言ったよう、プラネットストームが障気発生の原因になっている上に障気を発生しないようにした上でプラネットストームを動かす・・・そんな都合のいい事にするのは、根本的に不可能だからです。事実、そういった結論が出たからこそタルタロスに用いた技術以上の対処法が無かったんです」
「そ、それは・・・ですが、そんなことをしたなら音素が世界を循環しなくなってその恩恵が得られなくなって、人々の生活が・・・」
「恩恵を優先すると言うのであれば、先程に言ったような危険性は今後起きる事は覚悟していただかねばならない事態になるのはどうしても避けられません。その上で言わせていただきますが、今回の障気の押し込みは成功はしたとしてもこれからもまた成功するとは限りません・・・あくまで障気はしばらく出てこなくなるだけであって、綺麗サッパリ消えてなくなる訳ではありません。むしろ障気が復活した時が最も危うい状況に陥る可能性は高いと、我々はそう見ています・・・例えるならそれはずっと水をせき止めていたダムの堤防が決壊するような物になり、はち切れた水の流れは一気に濁流となり解き放たれるようなもの。そうなったならそれこそ成す術もなく人々は飲み込まれることになります・・・十数年、大気に溶け込む事なく溜まっていた障気が溢れ出す形でです」
「っ!?・・・そんなことが起きたら・・・!」
「あくまで我々の予想ではありますが、アクゼリュスに蔓延していた以上の濃度の障気が出ることは予測出来ます。少なくとも障気が最初に噴出した地帯の近くに住む方々はその影響を強く受け、救助が来る際に生きているだけで御の字で死んでいても当然の物・・・となる可能性すら有り得ると思われますが、それが障気噴出の際に何度も起こることだとしたなら導師はどう思われますか?」
「・・・・・・そんな、事にはなってほしくありません・・・そうなってしまえば取り返しがつかない事になるのは目に見えています・・・そして、障気の噴出を二度と無いようにするには、もうプラネットストームを止める以外にないと・・・」
「はい。ここで音素、そして預言の恩恵惜しさにそこから目を背けるような事をすれば、さっき言ったことも併せていずれ破綻を来す可能性は極めて高くなるのは避けられません。この問題に関してはインゴベルト陛下にピオニー陛下にも話をした上で、判断をするべき事だと我々は考えています」
「・・・そう、ですね・・・そこまで聞いてしまったからには、お二方にもお話をしないといけませんね・・・」
・・・それでいかにプラネットストームを止めねば危険なのかと更なる可能性まで話したヒューバートに、イオンは次第にその危険性を感じてそうすると自然に考えを変えていった。そんなことにはさせたくないといった様子で。
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