分かたれた道の再度の交錯

「・・・む・・・ルークか?」
「っ、師匠!(よしっ!ナイスタイミングです師匠!)」
だがその時に休憩所から出てきたヴァンがルークに気付いた事に内外共に嬉しそうに駆け寄る。
「無事だったかルーク・・・それで、ティアはどうした?それにガイもお前の事を探していたはずだが・・・一緒ではないのか?それに誰なのだ?こちらの女性達は・・・」
「あー・・・それは・・・説明すると長いんですけど・・・」
「それについてはこちらからも説明させていただくわ。その方が手間も省けると思うから」
「そうか・・・では頼もう」
(・・・ま、俺一人で説明するよりは妥当か)
そんな姿に微笑を浮かべ対しつつティア達の事を聞いてくるヴァンに頭をかきながらルークは悩んでいると、ジュディスからかかった声に両者共に反論することなく済ませる。












・・・それで休憩所に場を移し、ルーク達は情報を交換しあった。ルーク達は紆余曲折あってティア達と離れバチカルに向かっている事、ヴァンからはガイと手分けしてルーク達を迎えに来たのだと言うことを。



「・・・成程、事情は分かった・・・ただそうとなれば私はここから動くのはあまり好ましい物ではないな・・・」
「えーっ・・・もしかして師匠と帰れないのか・・・?」
「出来れば私もそうしたいところだが、ティアともそうだしガイにもルークの事は大丈夫だと伝えねばならん。そして一定時間が経てばガイは途中経過を報告するためにもこちらに来る手筈となっている・・・ガイとの行き違いを防ぐ為にもここから迂闊に動く訳にはいかんのだ、ルークよ」
「・・・はーい、わかりました・・・(よっし、案外楽に師匠と離れることが出来たぞ!)」
そして情報交換も終わりすぐにヴァンがティア達を待たねばならないからと自身に言ってきた事に表向きはあからさまに不満タラタラだが、内心は簡単に目的を達成出来たとルークは喜びを浮かべていた。
「・・・それでそちらのギルドに関してだが、今ここに来るまでルークの事を守ってくれたという実績を考えればおそらくファブレから謝礼金が出るだろう。だからという訳ではないが、改めてバチカルまでルークを護衛してもらうわけにはいかないだろうか?」
「はっ!?いきなり何を言ってるんですか師匠!?」
「ここから先はキムラスカ領とは言え港に着くまではまだ時間がかかり、大分平野部を歩かなくてはいけない。まだ道中は危険で、その上目的地は同じなのだルークよ。ここはまだ護衛をしてもらった方が安全だ。私が共に行けぬ以上はな」
「うぅぅ・・・(あ~・・・やっぱそっちはそうなるのか・・・)」
だが続けてジュディス達の同行も理由付きで言い渡されたルークは言い返すことが出来ず唸ってしまう。ここまで来たらそれが手っ取り早く楽であると自身も思っていた為に。
「後はそちらが頷くかどうかだが・・・どうだろう?引き受けてくれるなら私もそちらのギルドが報酬をもらえるよう公爵に口添えするようにするが・・・」
「もちろん受けさせていただくわ。ギルドである以上依頼をされたなら断る理由はないから」
「それに正式な依頼ならお金が入りますからここにいないルーティさんも納得してくれるでしょうね」
(それでこっちも了承、か・・・まぁ仕方ないし、バチカルに戻るまで我慢しないとな・・・)
次にヴァンはジュディス達の方に受けるかと問えば、すぐに了承でアニーに至ってはルーティの事を思い笑顔を浮かべている・・・その姿にルークも覚悟を決めた。もうバチカルまで我慢すると。







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