前と違う結末への序曲
「おいアニー・・・どういうことだ?」
「以前聞いたことがあるんです。ルークさんとの会話の中でナタリアさんを異性として見ることが出来るのかといった中身を・・・その時にルークさんは元気よく話していたのが急に何か冷めたような様子になって、それはないと返したんです」
「そ、それは・・・というかその話が今の流れと、なんの関係があるのですか・・・?」
「・・・ナタリアさんが決断出来る材料をあげたいと思ったんです。ルークさんに対してどうするべきかという材料を」
ユーリはその発言の意味を問いフーブラス河での出来事を話題に出すアニーにナタリアはだからなんなのかと困惑するが、瞬時に笑顔を真顔に変え声のトーンを落とす。
「ルークさんに対して可哀想であったり恨みを買うのでは、と言った言葉・・・これらはナタリアさんからすれば本心からで他意はないのでしょうが、貴女が思うほどにルークさんは貴女の事を意識していません。いえ、正確には貴女にアッシュさんがいると薄々と感じていたからそうなったんだと思います。ルークさんが屋敷にいる時に常に昔のアッシュさんとの記憶を求め、来訪してきた貴女の姿から・・・」
「っ・・・それは、つまり・・・ルークには、私への情はないと・・・!?」
「少なくとも異性として貴女をルークさんは見ていないことは間違いないでしょう・・・それとも貴女はルークさんにアッシュさんと同じくらいの気持ちを向けられたいとそう思っているのかもですが、自分にはその資格がある・・・そう思っているんですか?」
「っ!・・・そ、そんな・・・事は・・・」
常にないアニーの執拗でいて追い詰めるような言葉からの追求に、ナタリアは冷や汗を盛大に滲ませ言葉を詰まらせ視線を背けた。答えにくい、答えたくない・・・そういった気持ちがありありと見えるような形で。
「・・・アニー、そこまでにしておこう。流石にナタリアさんも困っている」
「そうですね・・・と言いたいのですがナタリアさん、これだけは言わせてください・・・ルークさんは貴女の事も含め、色々と決めて動こうとしています。そんな中で貴女が自分が大事と何も決断をしない、という結論に逃げることだけはやめてください・・・そうしたなら二人の間で出た結論に対して、口出しもそうですがそれ以上に貴女が悲しむような権利は無いと思いますから」
「っ!・・・はい、分かりました・・・どうするか、考えたいと思います・・・」
クレスがそこで流石にと思ったのか制止に入り、理解はしたとしつつもアニーは最後にとナタリアに選択をするよう強く言い含めシュンとさせて頷かせた。ただちゃんと考えて答えたと言うよりは、アニーに圧されて首を振ったと言った様子に近いだろう。
・・・そこからナタリアは雰囲気を重くし、三人と喋らぬままに進みダイクロフトを経由してベルケンドへと到着した。
「・・・さて、本当ならこのままイエモンさん達が言っていた人達の所に行くのがいいんだろうけど・・・ナタリアさん、しばらく宿屋で心を落ち着けて来てもらっていいですか?今の状態じゃ落ち着いて話なんてとても出来るような物じゃないって自分でも感じているんじゃないかな?僕達はここで待っていますから心を落ち着けてください」
「・・・そう、させていただきます・・・出来る限りは早く戻ってきますので、少しお待ちください・・・」
ベルケンドの街の入口に来たところでクレスが未だ引きずってる様子のナタリアを見かねて休息を提案すると、当人は否定が出来ずに重い足取りで宿の方に向かう。強がる余裕など一切無いといった力のない様子で。
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「以前聞いたことがあるんです。ルークさんとの会話の中でナタリアさんを異性として見ることが出来るのかといった中身を・・・その時にルークさんは元気よく話していたのが急に何か冷めたような様子になって、それはないと返したんです」
「そ、それは・・・というかその話が今の流れと、なんの関係があるのですか・・・?」
「・・・ナタリアさんが決断出来る材料をあげたいと思ったんです。ルークさんに対してどうするべきかという材料を」
ユーリはその発言の意味を問いフーブラス河での出来事を話題に出すアニーにナタリアはだからなんなのかと困惑するが、瞬時に笑顔を真顔に変え声のトーンを落とす。
「ルークさんに対して可哀想であったり恨みを買うのでは、と言った言葉・・・これらはナタリアさんからすれば本心からで他意はないのでしょうが、貴女が思うほどにルークさんは貴女の事を意識していません。いえ、正確には貴女にアッシュさんがいると薄々と感じていたからそうなったんだと思います。ルークさんが屋敷にいる時に常に昔のアッシュさんとの記憶を求め、来訪してきた貴女の姿から・・・」
「っ・・・それは、つまり・・・ルークには、私への情はないと・・・!?」
「少なくとも異性として貴女をルークさんは見ていないことは間違いないでしょう・・・それとも貴女はルークさんにアッシュさんと同じくらいの気持ちを向けられたいとそう思っているのかもですが、自分にはその資格がある・・・そう思っているんですか?」
「っ!・・・そ、そんな・・・事は・・・」
常にないアニーの執拗でいて追い詰めるような言葉からの追求に、ナタリアは冷や汗を盛大に滲ませ言葉を詰まらせ視線を背けた。答えにくい、答えたくない・・・そういった気持ちがありありと見えるような形で。
「・・・アニー、そこまでにしておこう。流石にナタリアさんも困っている」
「そうですね・・・と言いたいのですがナタリアさん、これだけは言わせてください・・・ルークさんは貴女の事も含め、色々と決めて動こうとしています。そんな中で貴女が自分が大事と何も決断をしない、という結論に逃げることだけはやめてください・・・そうしたなら二人の間で出た結論に対して、口出しもそうですがそれ以上に貴女が悲しむような権利は無いと思いますから」
「っ!・・・はい、分かりました・・・どうするか、考えたいと思います・・・」
クレスがそこで流石にと思ったのか制止に入り、理解はしたとしつつもアニーは最後にとナタリアに選択をするよう強く言い含めシュンとさせて頷かせた。ただちゃんと考えて答えたと言うよりは、アニーに圧されて首を振ったと言った様子に近いだろう。
・・・そこからナタリアは雰囲気を重くし、三人と喋らぬままに進みダイクロフトを経由してベルケンドへと到着した。
「・・・さて、本当ならこのままイエモンさん達が言っていた人達の所に行くのがいいんだろうけど・・・ナタリアさん、しばらく宿屋で心を落ち着けて来てもらっていいですか?今の状態じゃ落ち着いて話なんてとても出来るような物じゃないって自分でも感じているんじゃないかな?僕達はここで待っていますから心を落ち着けてください」
「・・・そう、させていただきます・・・出来る限りは早く戻ってきますので、少しお待ちください・・・」
ベルケンドの街の入口に来たところでクレスが未だ引きずってる様子のナタリアを見かねて休息を提案すると、当人は否定が出来ずに重い足取りで宿の方に向かう。強がる余裕など一切無いといった力のない様子で。
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