前と違う結末への序曲

「そういうわけだからお前も気にせずいろよ。多分下にいる奴らがやることを終えたらもう後はやることがいっぱいで、こんな風にゆっくり出来る時間もねぇだろうしよ」
「そうなんですの?」
「まぁなんつーか、そろそろ仕上げっぽい時期に差し掛かって来たからな。それに俺も俺でやらなきゃなんねーことがあるから、それに備えなきゃなんないんだよ。その為に休憩すんだから、気にせずお前も休憩しとけ。分かったな?」
「はいですの!ミュウもその時の為にちゃんと休憩するですの!」
それでルークが自分だけでなくミュウにも休憩するよう言えば、元気一杯に手を上げ了承を返す。
(・・・まぁそういったことが全部済んだら、ティア達だけじゃなくてミュウとも離れる事になるんだけどな・・・もしどういう選択を俺が選ぶにしても、今度もまたミュウを俺は悲しませるような別れ方をするのかな・・・ならその事も考えようかな、ルミナシアに行くならまだいいけどオールドラントに残るならローレライ達が言ったような展開になったらミュウに辛いことになるだろうし・・・)
その姿に内心でルークは考える。前以上にミュウを悲しませないようにするために、どういった選択に別れ方をするべきなのかと。



「・・・戻ったぞ、ウィル。とりあえずダイクロフトで待機するって答えをもらえたから、大丈夫だと思うぜ」
「そうか・・・では打合せ通り俺とフィリアでダアト、ユーリとアニーでシェリダンに向かうぞ。その際に俺はタルタロスの方が済んだ時の為に優先して装置を配置しているからそれまでは移動は出来んと伝える。暇だからとティアがルークの元に行かないようにとするためにな」
「お願いしますウィルさん、フィリアさん」
「はい、アニーさん」
・・・その一方でウィル達の元に戻ったユーリは予定通りといったよう四人で話し、互いに意識を高めあう。これからの為にいかに動くか、特にティアをルークに近付けないようにする為にどうするかを理解した形で。









・・・それでウィルとフィリアは装置を使ってダアト付近に降り立ち、すぐにダアトのイオンの元へと向かった。



「・・・そうですか、もうパッセージリングの操作に関しては一つ命を下せば外殻大地の降下が完全に行える物となっていると・・・」
「はい。後はベルケンドとシェリダンのどちらかにタルタロスで向かった一行がいかに早く話をまとめ、障気をどうにかするための解決手段に目処をつけれるか・・・それがいかに早く来るかにあります。ですのでその為に向こうに装置を配置して情報及び向こうの一行がこちらに合流するようにしています。ですので我々はそれが済むまではこちらで待つ以外にありませんので、ご了承下さい」
「そういうことでしたら分かりました。それまでの間は出来る限りダアトの安定に務めるようにします」
・・・そして導師の私室に来てルークの事を除いて状況を説明し終えたウィルに、イオンは異を唱えることなく了承する。
(っ・・・ならどうして貴方達はルークをこっちに連れてこなかったのよ・・・イオン様の護衛が大事なのは分かるけれど、空き時間くらいはどうにか話をしたかったのに今の話じゃルークの元に行くのもルークがこっちに来るのも、ましてやダアトからすら動けないって事になるじゃない・・・!)
そんな中で案の定というか予想通りと言うべきか、イオン達側の中でティアは怒りを押し殺そうとするよう拳を握り唇を噛み締めながら盛大にウィル達への文句を心中で並び立てていた。もっと自分に対して気を遣えと言わんばかりの中身を。








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