前と違う結末への序曲

・・・ローレライからもたらされたルークの身体に関する事実。その事実をルークは深く受け止め、どうするべきかと考えにふけっていた。



「・・・おっす、いるな?」
「んあ?何だよ、ユーリ・・・俺に何か用か?」
ダイクロフトの自身にあてがわれた部屋で、ベッドに腰掛け考え込んでいたルーク。そこにユーリが入ってきたことに、ルークは考えを中断して用向きを問う。
「いや、こうして俺達が先にセフィロト回りを終えたから後はどうするかって話をしに来たんだが・・・ベルケンドにシェリダンかダアト、それかここに残るかどうしたい?」
「は?三つ行き先があんのになんで残るなんて選択肢があんだよ?」
「ま、ぶっちゃけた話として俺らがその三つのどこかに行ってもやることが無いからだよ。精々状況確認にやることを終えたらバチカルとグランコクマに報告に行くくらいだが、今の状況でどっちかにお前が行ったところで面倒になるのはどっちも同じだろ」
「あぁ~・・・そういうことか・・・(アッシュもそうだけど、何よりティアの方だよな・・・多分時間が空いて俺が一人になった瞬間突撃してきそうだし・・・)」
それでユーリから出てきたこれからの行動の選択肢について聞くが最後の選択肢にルークが疑問を抱くと、揉め事が起きる可能性について示唆されたことに内外共に納得する。特にティアがまずいと思い。
「んで、どうするんだ?やることも特に無いだろうし、別にここで待っててもいいとウィルは言ってたけどよ」
「あ~・・・んじゃ待つわ。めんどくせぇのは俺も嫌だしそこにいる奴らに迷惑かけると色々遅れるかもしれないしな」
「そっか。じゃあウィルにはそう伝えとくから、ここでゆっくりしとけよ。色々考えることはあるだろうしな」
「おぉ、わりいな」
「気にすんなよ、しばらくゆっくりしとけ。状況が進んだら報告しに来るからよ・・・んじゃな」
「あぁ」
それで改めて問いを向けられ行かないと返すルークにユーリはすぐに了承を返し、笑みを浮かべたまま部屋を退出する。
「・・・ご主人様、大丈夫ですの?」
「は?なんでいきなり俺が大丈夫かどうかとか聞いてくるんだよ?」
「ユーリさんが考えることがあるって言ってたですけど、何か悩みがあるんですの?」
「んあ~・・・そういうことか・・・」
それでミュウが足元から心配そうに声をかけてきたことに意味が分からないと返すが、考えることについて悩みがあるのかとする中身を聞いて納得する。ミュウが心配する理由として間違いではないと。
「・・・心配すんなっつーの。確かに考え事はしてるけど、そもそもいつも何をしてても何も考えないような奴なんか誰もいねぇよ。それで色々あって考えなきゃなんねーことがあるってのをあいつが気を使って言ってきただけだから、お前が心配することなんか何もねーって」
「そうなんですの?」
「そうそう。だから大丈夫だっていうか、考え事すらすんなとか言うのは無理だから気にしなくていいんだよ」
「分かったですの!」
そんな心配を打ち消すよう大したことないし当然の事だと言い切るルークに、ミュウはすぐに笑顔で元気よく返す。ルークは大丈夫なのだと理解し。









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