順調、そして焦燥

「ご主人様~!ご飯の用意が出来たですの~!」
「ん・・・あぁ、んじゃ飯食うか」
「あぁ、そうするか」
そこにミュウが元気よく声を上げながら近づいて来たことにルークは演技の仮面を被り、ユーリもまたその様子に乗っかる。ミュウにとって不自然でないようにと、話を打ち切る形で。


















・・・それから軽く食事を取る形で休憩を取ったルーク達は、再びセフィロト回りに向かうことになった。続いて向かったのはアブソーブゲートだ。



(ん~・・・もう最深部まで着いたか・・・これもローレライのおかげなのか、それともあの時は師匠が入口の仕掛けを使えないようにしてたからなのか・・・多分師匠が使えなくしてたんだろうな、あの時は。俺達が来ないようにするか、時間稼ぎをするために先に来てそうしたとでも考えないと不自然だしな~)
前回の一度目に通った仕掛けだらけの長い道を全く通らず、パッセージリングの前にまで行く装置に乗って目的地まで来たルークは内心で考える。前との違いはヴァンが行動したかにしてないかの違いだろうと。
「・・・よし、これでパッセージリングの操作は終えた。後はラジエイトゲートに行くのみだ」
(あっ、操作は終わったか・・・取りあえずラジエイトゲートでどうやってミュウを連れていかないようにするかだけど、ちょっと皆に協力してもらうべきかな・・・ミュウに単に付いてくるなって言ったってそうするってすんなり頷いてくれないだろうし、休憩中に抜け出して先にラジエイトゲートに行くなんてのはアブソーブゲート前で休憩したから無理があるしな・・・)
そんな時にウィルが操作の終了を口にした事でルークは次のラジエイトゲートでの事を考える、ローレライの望み通りに事を進める為にミュウを離さなければならないと思い。









・・・それでアブソーブゲートからダイクロフトに戻ったルーク達は、次の目的地であるラジエイトゲートへと向かうべく装置の設定変換を行っていた。
「・・・なぁ、ちょっと思ったんだけどよ・・・あんまりにもすんなり行き過ぎじゃねぇか?」
「・・・どうしたんですか、ルークさん?藪から棒に・・・」
「あ~・・・師匠達にいきなり予想外な所で会うような事とか無かったし、敵が出てきてもどうにかなるくらいの強さの奴らばかりだったからつい順調とばっか思ってたんだけどメジオラ高原の所の譜業いたろ?あんな感じで戦わなきゃなんねぇつえぇ奴とか、何か他にも危険とかあってもおかしくねぇんじゃねぇかって思ったんだよ」
「む・・・事前の調査ではラジエイトゲートには目ぼしい仕掛けに危険などは無いとは調べはついているが、まぁ考えられん訳ではない。だがそう考えるならどうしたいというんだ、ルークは?」
そこでふと何か言いづらそうに発言するルークにアニーが何かと疑問を口にし、危険についてを示唆する中身にウィルは納得はするが対策はと問い返す。
「あ~・・・ちょっとパーティーを二つにわけらんねぇか?一つを先行くって形で先に進ませてもう一つを後進で緊急事態に備えて進ませるって形でな」
「・・・ふむ、まぁ危険を避ける意味で悪くはないと言えるが・・・現状では・・・」
‘ポンッ’
「一応の念の為だ・・・嫌なら別にいい(頼む、ウィル・・・何かあると察してくれ・・・!)」
「っ・・・・・・分かった。ここで失敗するのは俺達にとっても望む所ではない。すぐに後進用のパーティーについて待機しているメンバーに出てもらうよう頼みに行こう」
「・・・よし(ほんとごめんウィル・・・直接答えを言えず、こんな回りくどい事で何かあるとは察してもらって・・・)」
その案について口にしたルークだがウィルはあえての必要はないと言いかけた為、強引にウィルの前に出て両肩に手を置き視線を強く合わせながら否定を返さないように願うルーク。その様子にウィルもルークの気持ちを少なからず感じて意見を翻し、内心でルークはホッとした。とりあえずうまくいったことに。









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