順調、そして焦燥
・・・そこから二人は剣を重ねた。手加減抜きというルークの剣を、ユーリは重そうに受け止めつつも何とか切り返していくといった形で手合わせが進む形で。
「・・・だーっ・・・くそっ、まだ手が痺れてる・・・ここまで実力に差があるのか・・・」
「大丈夫か、ユーリ?言われた通り手加減は出来る限りはしないようにはしたけど・・・」
・・・数分後、床に座りながら手をヒラヒラ振るユーリの痛ましげな様子に立っているルークは心配そうに声をかける。
「心配すんな、むしろこんな手応えがある方がやりようがあるってもんだ・・・追い付く楽しみがあるからな」
「追い付くって・・・一応前の経験分があるからなんだけどな、今の俺の腕って・・・じゃないと師匠と一対一なんて流石に無理だったろうし」
「ま、腕が確かなのは間違いないんだ。別に構わねぇだろ」
「まぁ、そうなんだけどな・・・」
しかしユーリが楽し気に返してくる様子にルークは何とも言えない気持ちを抱いて頭をかく。
「ま、ミュウが戻ってくるまでまだ時間がありそうだし適当になんか話しとくか」
「まぁいいけど・・・と言うか、何か違和感あるな・・・アドリビトムじゃユーリとこんな風に話すような事ってなかったから・・・」
「それはお前が突っ掛かってくるからだろ。まぁ演技ってのもあったからだろうけど、何でわざわざ俺にあんな風に言ってきたんだ?自分で言うのもなんだが、俺結構面倒だったろ?」
「あ~・・・俺としちゃユーリに限った訳じゃないんだよ。ほら、スパーダとかイリアとかとも結構喧嘩紛いな事よくしてたろ?あれって前の俺の性格を考えて衝突がないようにとか遠慮がないようにとかって無理だろうと思ったから、会う度に余程の事がないように突っ掛かるって風にしてたんだ。だから誰を特定のターゲットみたいな感じにしてたつもりは俺からしたらなかったんだよ」
「んじゃ俺はたまたまだったって訳か。あんな風に何回も突っ掛かってきたのは」
「まぁそうだけど・・・そもそもユーリって貴族嫌いで、俺の事も良くてわがままお坊っちゃん程度にしか思ってなかったろ?なのに、なんでここまで皆と一緒に付き合ってくれたんだ?」
そんなことなど構わずユーリが気楽に話しかけてきた事にルークも座って返していくのだが、ふと思い出したといったようにルークはユーリに聞く。ユーリは自分の事を少なくとも好きではなかった筈だと。
「・・・ま、貴族が嫌いだってのは否定はしねぇよ。だからって貴族全部が嫌いだってんなら、俺はエステルの望み通りにガルバンゾから連れ出すなんて真似はしてねぇから」
「あぁ・・・そう言えばユーリ達がアドリビトムに来て罪人って俺が言ったのってそういった事があったからだったっけ・・・」
「そうそう・・・正確に言えば俺が嫌いなのは上の立場に立って権力を振りかざし、下の奴らの事を考えないで迷惑をかけるような奴だ。その点でエステルは何も知らないままは嫌だと事実を知りたいって動こうとしてたから、俺も協力したんだよ」
「まぁエステルがそんなタイプじゃないってのは分かるんだけど・・・それで言うと俺はエステルとは違うと思うけど・・・」
「まぁ確かにエステルとは違うよ、お前は・・・けどそれは状況もあるだろうがエステルと違ってお前が誰も頼らず、色々悪名だとか自分に降りかかるものを全て背負ったっていう行動を一人でも起こしたって違いだ」
「・・・それは・・・」
ユーリは貴族嫌いは否定はせずとも全て嫌いではないとエステルを引き合いに出しつつ話を進め、ルークはエステルと違うと自分の事を言うが自身の行動について言われ視線をさ迷わせる。そこまで仰々しく言われるような物ではないといったように気まずげに。
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「・・・だーっ・・・くそっ、まだ手が痺れてる・・・ここまで実力に差があるのか・・・」
「大丈夫か、ユーリ?言われた通り手加減は出来る限りはしないようにはしたけど・・・」
・・・数分後、床に座りながら手をヒラヒラ振るユーリの痛ましげな様子に立っているルークは心配そうに声をかける。
「心配すんな、むしろこんな手応えがある方がやりようがあるってもんだ・・・追い付く楽しみがあるからな」
「追い付くって・・・一応前の経験分があるからなんだけどな、今の俺の腕って・・・じゃないと師匠と一対一なんて流石に無理だったろうし」
「ま、腕が確かなのは間違いないんだ。別に構わねぇだろ」
「まぁ、そうなんだけどな・・・」
しかしユーリが楽し気に返してくる様子にルークは何とも言えない気持ちを抱いて頭をかく。
「ま、ミュウが戻ってくるまでまだ時間がありそうだし適当になんか話しとくか」
「まぁいいけど・・・と言うか、何か違和感あるな・・・アドリビトムじゃユーリとこんな風に話すような事ってなかったから・・・」
「それはお前が突っ掛かってくるからだろ。まぁ演技ってのもあったからだろうけど、何でわざわざ俺にあんな風に言ってきたんだ?自分で言うのもなんだが、俺結構面倒だったろ?」
「あ~・・・俺としちゃユーリに限った訳じゃないんだよ。ほら、スパーダとかイリアとかとも結構喧嘩紛いな事よくしてたろ?あれって前の俺の性格を考えて衝突がないようにとか遠慮がないようにとかって無理だろうと思ったから、会う度に余程の事がないように突っ掛かるって風にしてたんだ。だから誰を特定のターゲットみたいな感じにしてたつもりは俺からしたらなかったんだよ」
「んじゃ俺はたまたまだったって訳か。あんな風に何回も突っ掛かってきたのは」
「まぁそうだけど・・・そもそもユーリって貴族嫌いで、俺の事も良くてわがままお坊っちゃん程度にしか思ってなかったろ?なのに、なんでここまで皆と一緒に付き合ってくれたんだ?」
そんなことなど構わずユーリが気楽に話しかけてきた事にルークも座って返していくのだが、ふと思い出したといったようにルークはユーリに聞く。ユーリは自分の事を少なくとも好きではなかった筈だと。
「・・・ま、貴族が嫌いだってのは否定はしねぇよ。だからって貴族全部が嫌いだってんなら、俺はエステルの望み通りにガルバンゾから連れ出すなんて真似はしてねぇから」
「あぁ・・・そう言えばユーリ達がアドリビトムに来て罪人って俺が言ったのってそういった事があったからだったっけ・・・」
「そうそう・・・正確に言えば俺が嫌いなのは上の立場に立って権力を振りかざし、下の奴らの事を考えないで迷惑をかけるような奴だ。その点でエステルは何も知らないままは嫌だと事実を知りたいって動こうとしてたから、俺も協力したんだよ」
「まぁエステルがそんなタイプじゃないってのは分かるんだけど・・・それで言うと俺はエステルとは違うと思うけど・・・」
「まぁ確かにエステルとは違うよ、お前は・・・けどそれは状況もあるだろうがエステルと違ってお前が誰も頼らず、色々悪名だとか自分に降りかかるものを全て背負ったっていう行動を一人でも起こしたって違いだ」
「・・・それは・・・」
ユーリは貴族嫌いは否定はせずとも全て嫌いではないとエステルを引き合いに出しつつ話を進め、ルークはエステルと違うと自分の事を言うが自身の行動について言われ視線をさ迷わせる。そこまで仰々しく言われるような物ではないといったように気まずげに。
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