順調、そして焦燥

「・・・とりあえずやんならさっさとやるぞ。俺達が一番時間があるって言っても、ここで時間を食うわけにはいかねぇだろ」
「・・・そうだな。確かに遺憾ではあるが、俺達がここで足踏みをするわけにはならないのだからな・・・」
ルークはそこに頭をかきながら早くやると言い、ウィルも分かってはいるものの気乗りはしないと気落ちしたまま返しハンマーを手にし、メンテフォニゴに視線を向ける。









・・・それから数分後、特にメンテフォニゴに負けるような要素などなかった為ルーク達は動力に必要な譜業を倒れたその身から取り出した。
「・・・やっぱやるもんだな。謡将と互角に戦えるだけはあるってか」
「あ~・・・まぁなんつーか、その事は後でにしてくれ。今言うのはあんまり嫌なんだよ」
「そうか・・・んじゃ、後で俺と一戦な。出来る限りは本気で頼むぜ」
「・・・ま、出来る限りな」
そんな中で戦闘で手加減することを止めたルークの戦いぶりにユーリが楽し気に声をかけてきたことに、何とも言い難そうに返す。素で話すにはまだミュウがいるため、どうにも素直に言えない様子で。

















・・・そこからメジオラ高原内部のパッセージリングの操作も何事もなく済ませて終わり、ダイクロフトに戻ったルーク達は次のセフィロトがあるロニール雪山へと向かった。ただダイクロフト経由でロニール雪山に来たため、経路として特に長い時間雪道を歩くことも何か強敵が出てくるといったトラブルもなく、パッセージリングの操作を終えた。



「・・・すみません、皆さん。後二つのセフィロトを残した状態ですが少し休憩しませんか?時間をかけすぎない方がいいとは分かりますが、それでもメジオラ高原での戦いにロニール雪山の環境と少し体にとってキツい物が続きましたから・・・」
「・・・そうだな。この辺りで少し休憩の時間を取ってもいいと俺も思うが、誰か反対という者はいるか?」
「「「・・・」」」
「・・・いないか。なら決まりだな。少し時間を取って休憩しよう」
それでダイクロフトに戻った時にフィリアから休憩を提案され、ウィルが納得した後回りを見渡し反論が出てこない様子に休憩と皆が頷く。
「・・・よぉ、休憩って言ったがちょっと手合わせに付き合ってくれよ。こんな機会これからあんまり無さそうだしな」
「・・・分かった。んじゃお前はウィル達とでも一緒にいるか、ここの奴らに何か食べ物でも持ってくるように頼んでこい。手合わせ一回くらいなら特に時間もかかんねぇだろうし、ちょうど何か食いてぇ所だからな」
「はいですの!食べ物を持ってきてもらうように頼むですの!」
それでユーリが楽し気に手合わせと真っ先に接触してきてルークは体のいい言い訳として食べ物を持ってくるようミュウに言い、久し振りに具体的な命を受けて至極嬉しそうに手を上げてウィルの方に向かう。
「・・・よっし、んじゃ手加減は出来るだけ無しで手合わせしてくれよ。こっちはうずうずしてんだ。あんな戦いを見せられた後でずっとお預け食らってたんでな」
「・・・そこまで戦いたかったのかよ、ユーリ・・・まぁミュウも見てない事だし、出来るだけ本気でやるよ」
そしてユーリが極めて嬉しそうに剣を抜いたことに、ルークは半ば呆れつつも同じように剣を抜き戦闘体勢に入る。手合わせに集中するために。











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