順調、そして焦燥

『そうだ。だからこそ慎重を期する為にもチーグルの幼子を連れて来ないようにしてほしい』
(それは分かったけど、そろそろローレライが何をやっているのかくらいは教えてくれないか?何かやってるってくらいは分かるけど、結局何をしているのかってのは聞いてないし俺に関係することなら何なのか聞きたいんだけど・・・)
『・・・出来ることなら何をしているのかについて答えたい所なのだが、ラジエイトゲートに来てくれれば全て説明するとしか言えん。実際にそなたに見てもらわねばならない話である上、今のそなたなら心配はないと思うが直前まで内密にしたいのだ。今我が何をしているのかについてを』
(・・・ローレライがそう言う気持ちになるのは分かるけど、それだけ秘密にしなきゃならないのか?皆は多分その中身を知ってるんだろうけど、本当にそこまで秘密にしなきゃならないことをしてるのか?)
『それは間違いない・・・というよりこれを知られる事自体が相当にまずいことなのだ。彼らがこのオールドラントに来ているという事実を知られる事と同様と言えるレベルでだ』
(っ!・・・そこまで、なのか・・・)
だからこそミュウについて場に離すことを強調するローレライだが、ルークが改めて何故ハッキリ言わないのかと疑問を強く聞く。だがローレライが強く断定の形でまだ言えないとアドリビトムの面々を引き合いに出したことに、ルークは逆に言葉を返せなくなった。そこまでなのかと。
『・・・そなたがどういう事なのかと我のしていることが気になるのはよく分かる。だがそれも含めてまだ何があるのかについてはラジエイトゲートに着くまでは聞かないでほしい』
(・・・分かった。そういうことならもうラジエイトゲートに聞くまでは聞かないよ、ダイクロフト経由ならすぐに到着するだろうしな)
『うむ、すまんな・・・とりあえず我からは以上だ。後はラジエイトゲートに来れば我自身も姿を見せるようにする、そこで直に会って話をしよう』
(分かった。じゃあな、ローレライ)
『うむ、ではな』
そして切な願いを込めるローレライにルークも折れ、ラジエイトゲートでの会合を約束して二人は会話を終える。
「・・・よし、これでザレッホ火山のパッセージリングの操作も終わったな。後はどうする?イオン達に報告してから行くか?」
「いや、今からイオン達はダアトをまとめるためにも些事に忙しくなるだろう。それにパッセージリングの操作を終えればダアトを出るとは言っているし、向こうに時間を取らせるような事はあまりしない方がいい」
「・・・決まりだな。んじゃ、次はメジオラ高原辺りか?」
「そうですね。それでロニール雪山に行って残り二つのアブソーブゲートとラジエイトゲートに行くという手順でいいはずです」
「そうか。じゃあ行こうぜ」
そんなルークの傍らでユーリ達は今後の動きについてを話していき、方針が決まった所で一行はセフィロトを出るべく足を動かしていく。


















・・・それでイオン達に報告に顔を出さないままルーク達はダアトを出て、ダイクロフトへと戻った。その上で早くセフィロトの操作を進めるべく、次のメジオラ高原へと向かった。



(あ~・・・前は確かガイがいてあそこの譜業から動力を取ってたけど、この流れだと・・・)
「・・・どうやらあそこの譜業を倒して動力を取らねば、先へは進めんようだな・・・誠に、遺憾だ・・・!」
(・・・そりゃこうなるか・・・と言うかウィルマジ凹み過ぎだろ・・・)
それでセフィロトの中に入り辺りの状況を見ていたルークは、ウィルが状況を進めるためとはいえメンテフォニゴを倒さねばならない事に拳を握り締める様子に流石に苦笑気味な気持ちを抱く。









8/22ページ
スキ