順調、そして焦燥
「まぁそういうわけだ・・・とりあえず下に降りるぞ。ここにいるだけでは何も起きんからな」
「そうですね、そうしましょう」
そこまで話をしてからそこで下に行くと告げるリオンにイオンも気持ちを切り替え、そうすると頷く。
(・・・セフィロトに行くにしても、ザレッホ火山から行くのとは違いダアトからだとすぐにセフィロトに辿り着いてしまうし・・・付いていってルークの事がどうにかなると思えないし、イオン様が行かないと言えばもう行かないでおこうかしら・・・)
その中でティアはセフィロトに向かうかと考えるが、すぐに気持ちが萎えたと言ったように否定の考えを浮かべる・・・気持ちを何度も立て直しはしても駄目な物は駄目とすぐに思い直す辺り、ティアは懲りてないとしか言いようがなかった。相手の気持ちをどうにかするために一歩づつ、少しづつでも自分から歩み寄ることが必要な事も理解せずに・・・
・・・それで一行はダアトに降り、イオンはセフィロトに行きたそうにしていたがダアトをまとめることが大事だということでルーク達と離れることを選んだ。その際ティアは何とも言い難そうな表情を浮かべ、ルークを見つめてから導師の私室へとイオンと共に向かっていった。
「・・・なんなんだ、あの視線・・・」
「大丈夫ですか、ルークさん?」
「ん~・・・何なんだって言いたい気持ちはあるけど、別に問題はねぇから先に行こうぜ。あんま時間かける訳にもいかねぇだろうしよ」
「はい、行きましょう」
ルークは何気無しにそっと自分の気持ちを漏らし、アニーの気遣いの声に大丈夫と示しつつ先に向かうと言ってアニーはユーリにフィリアにウィルの三人と共にその後を追う。
・・・それでセフィロトへの道が隠されている部屋まで来たルーク達は入口の仕掛けを難なく解除し、ザレッホ火山のセフィロトの中に入った。
『ルークよ、聞こえるか?』
(っ、ローレライか?)
『あぁ、そうだ。セフィロトの操作の間だけだが、少し話をしたいことがある。それはラジエイトゲートに来る際の事についてだ』
(ラジエイトゲートに・・・?)
それでパッセージリングの操作板の操作をしているウィルの背中を見ていたルークだが、唐突に頭の中に響いたローレライの声とその中身に心の中で眉をひそめる。いきなり出てきたラジエイトゲートの単語にどう言うことかと。
『うむ。それで我が何を言いたいのかと言えば、ラジエイトゲートにはそこにいるチーグルの幼子を連れて来ないようにしてほしいのだ』
(えっ?・・・なんでミュウを連れてきたらダメなんだ?)
『アドリビトムの者ならいいが、こちらの世界の者達に知られてはならぬ事があるためだ。そしてチーグルの幼子がそれを知ってしまえば例え黙るように言ったとしてもふとした拍子にその事を言ってしまう可能性が非常に高く、そこから追求が及べばそなたがどのような生涯を送ってきたかにアドリビトムの者達が何者なのか・・・それらがバレた上で今までの行動に苦労が水の泡となる可能性が出てくる。特にヴァンの妹がここぞとばかりに攻撃してくる形でな』
(っ!・・・確かに、それは考えられない事じゃないか・・・それこそさっきの視線を感じたのもあるけど、特にティア・・・ティアがどんな風にその事実を感じて、どんな風に俺に何を言ってくるのか・・・どう少なく見積もっても、俺の判断を肯定的に捉えたと言った感じの事を言うとは思えない・・・)
ただそこでミュウをラジエイトゲートに連れて来ないように言われて何故と思うルークだったが、特にティアを始めとして何と言われるか分からないと言われて苦い気持ちを抱きながらも納得した。どうティアの態度をプラスの物として捉えようとしても、マイナスからの回復が望めない為に。
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「そうですね、そうしましょう」
そこまで話をしてからそこで下に行くと告げるリオンにイオンも気持ちを切り替え、そうすると頷く。
(・・・セフィロトに行くにしても、ザレッホ火山から行くのとは違いダアトからだとすぐにセフィロトに辿り着いてしまうし・・・付いていってルークの事がどうにかなると思えないし、イオン様が行かないと言えばもう行かないでおこうかしら・・・)
その中でティアはセフィロトに向かうかと考えるが、すぐに気持ちが萎えたと言ったように否定の考えを浮かべる・・・気持ちを何度も立て直しはしても駄目な物は駄目とすぐに思い直す辺り、ティアは懲りてないとしか言いようがなかった。相手の気持ちをどうにかするために一歩づつ、少しづつでも自分から歩み寄ることが必要な事も理解せずに・・・
・・・それで一行はダアトに降り、イオンはセフィロトに行きたそうにしていたがダアトをまとめることが大事だということでルーク達と離れることを選んだ。その際ティアは何とも言い難そうな表情を浮かべ、ルークを見つめてから導師の私室へとイオンと共に向かっていった。
「・・・なんなんだ、あの視線・・・」
「大丈夫ですか、ルークさん?」
「ん~・・・何なんだって言いたい気持ちはあるけど、別に問題はねぇから先に行こうぜ。あんま時間かける訳にもいかねぇだろうしよ」
「はい、行きましょう」
ルークは何気無しにそっと自分の気持ちを漏らし、アニーの気遣いの声に大丈夫と示しつつ先に向かうと言ってアニーはユーリにフィリアにウィルの三人と共にその後を追う。
・・・それでセフィロトへの道が隠されている部屋まで来たルーク達は入口の仕掛けを難なく解除し、ザレッホ火山のセフィロトの中に入った。
『ルークよ、聞こえるか?』
(っ、ローレライか?)
『あぁ、そうだ。セフィロトの操作の間だけだが、少し話をしたいことがある。それはラジエイトゲートに来る際の事についてだ』
(ラジエイトゲートに・・・?)
それでパッセージリングの操作板の操作をしているウィルの背中を見ていたルークだが、唐突に頭の中に響いたローレライの声とその中身に心の中で眉をひそめる。いきなり出てきたラジエイトゲートの単語にどう言うことかと。
『うむ。それで我が何を言いたいのかと言えば、ラジエイトゲートにはそこにいるチーグルの幼子を連れて来ないようにしてほしいのだ』
(えっ?・・・なんでミュウを連れてきたらダメなんだ?)
『アドリビトムの者ならいいが、こちらの世界の者達に知られてはならぬ事があるためだ。そしてチーグルの幼子がそれを知ってしまえば例え黙るように言ったとしてもふとした拍子にその事を言ってしまう可能性が非常に高く、そこから追求が及べばそなたがどのような生涯を送ってきたかにアドリビトムの者達が何者なのか・・・それらがバレた上で今までの行動に苦労が水の泡となる可能性が出てくる。特にヴァンの妹がここぞとばかりに攻撃してくる形でな』
(っ!・・・確かに、それは考えられない事じゃないか・・・それこそさっきの視線を感じたのもあるけど、特にティア・・・ティアがどんな風にその事実を感じて、どんな風に俺に何を言ってくるのか・・・どう少なく見積もっても、俺の判断を肯定的に捉えたと言った感じの事を言うとは思えない・・・)
ただそこでミュウをラジエイトゲートに連れて来ないように言われて何故と思うルークだったが、特にティアを始めとして何と言われるか分からないと言われて苦い気持ちを抱きながらも納得した。どうティアの態度をプラスの物として捉えようとしても、マイナスからの回復が望めない為に。
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