順調、そして焦燥

「・・・我々を信頼してくださっていることに関しては感謝します。ですが我々は事が済めばダイクロフトに戻り、地上とは関わりのない暮らしに戻るようにします」
「・・・それは残念だが、ダイクロフトはいつまで浮き続けられるのだ?セフィロトツリーに支えられないまま遥か空の上を浮かんでいるのはこの世界の人間なら誰しもが知っていることだが、いくらなんでもいつまでも浮かべる事が出来る訳でもないだろう」
「・・・そちらに関しましては我々も正確には把握はしていません。何分ダイクロフトの中で生まれて育ってきたとは言え、創世歴時代の技術を全て解析して使用出来るようには知識を伝えられていませんので・・・ただ時が来たならダイクロフトもまた外殻大地のように浮遊していられる時間の限界が訪れるとは我々も認識していますので、その時には外殻大地上には避難するようにとは言われてはいます。ただそれがいつになるか分かりません、明日か一年後か何百年も先の事なのかは」
「・・・いつになるか分からない事を話しても仕方無い、と言うことか」
「そういうことになりますが、もうしばらくしたなら外殻大地の問題について解決する目処が立つことになりますのでそろそろアクゼリュスの皆様を始めとして、ダイクロフトにまだおられる方を地上にお返ししたいと思っています。ですのでそちらの方の受け入れに対策についてをお考えください」
「・・・そう言えばそうだな。アクゼリュスの住民は無事だとは聞いてはいたが、実際にどこで受け入れているのかについてを考えるのを忘れてしまっていたが・・・確かにそこからはこちらの問題だ。分かった、そちらについては外殻大地の降下前にでももう一度こちらに来てくれ。どうするかについてを考えた上での結論をそちらに伝えた上で対処をしたいからな」
「はっ、かしこまりました」
ただヒューバートはそれは必要はないと後々に関わる気はないことを示して頭を下げ、ピオニーとダイクロフトの事で話をしていきアクゼリュスの住民達についての話もついた所でもう一度頭を下げる。
「・・・さて、一先ずの話はついたが他に何かある奴はいるか?無ければそちらの都合を考えこれで終わりにするが・・・・・・何も無いようだな。では後は頼んだぞ」
ピオニーはそんな姿を見てから他の面々にも話題を振り、反応が無かった為に終わりの旨を告げる。


















・・・それでフリングスと別れた上でダイクロフトに戻った一行は、話をしたよう三つに分かれまずはタルタロスに乗ってベルケンドに向かう面々を送り出した。
「さて、次はダアトだがここにはまとまって入りその後に二つに分かれるぞ。一応ダアト内にセフィロトへと続く道があり、その入口については調べはついているのでな」
「そうなんですか?」
「こちらもセフィロトについて調べていく内に、ザレッホ火山からわざわざ行かなくてもダアトの中から入れる道を作っていたと知った。まぁザレッホ火山の麓からわざわざ時間をかけて登り下りなど火山という場の危険性もあり、当時の技術者達はもしセフィロトへ向かわねばならない場合の時の為に作っていたのだろうな」
「そうなんですか・・・確かにもしもの事を考えたなら麓からザレッホ火山を登ると考えると、めまいがしそうですね・・・」
そこでリオンが一同の前で途中まで行動を共にすることを口にした後、イオンの疑問の声に答えると確かにと納得する。ザレッホ火山の大きさを考えると、まず一朝一夕に登頂することすら難しいとイオンも少ない体力だからこそ余計に感じた為に。












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