順調、そして焦燥
(・・・あ~、やっぱり仕方無いとは思うけど気持ちが重くなるな・・・ティアの思うようにしたらまずくなるのは分かるけどな・・・)
それで今までに何度となく感じた罪悪感をルークは覚える。やはり慣れない物だと。
(・・・悔しい・・・けど、今の私とルークじゃ言い争いにしかならないのは目に見えているし・・・それでイオン様を困らせるのは、私としても本意ではないし・・・!)
対してティアも内心で我慢をしているのだが、ルークとは真逆の方向性であることなど当人は全く考えていない。
「・・・皆様、お待たせしました。こちらが陛下が書かれた書簡になります」
「はい、ありがとうございます・・・では誰がどう行くのかは一先ずここまでにして、グランコクマに向かいましょう。フリングス少将、まずはタルタロスに向かって兵に経緯の説明をお願いします。許可が降りたなら兵の方々の帰りかたが問題になりますからね」
「はい。では参りましょう」
そこに城から書簡を持った兵士が来てヒューバートがそれを受け取った後にフリングスへ兵の事について話をし、了承を返した後に一行は歩き出す。グランコクマに向かう為に。
「・・・成程。障気をどうにかするためにタルタロスが必要ということか」
「はっ。つきましてはタルタロスをお譲りいただけないでしょうか、陛下?」
「あぁ、それならいいだろう。タルタロスを使えば障気がどうにか出来るというなら反対する理由はない・・・そちらで自由に使うといい」
「ありがとうございます、ピオニー陛下」
・・・それで兵達も引き連れてダイクロフトを経由してグランコクマに来たルーク達はヒューバートが一連の流れを説明した後、ピオニーからあっさりとした許可が返って来たことに一同は揃って頭を下げる。
「まぁそれは構わんが・・・その代わりという訳ではないが、ダイクロフトの面々にいくつか聞きたいことがある」
「何でしょうか?」
「今回の事がうまく進めば、もう以降は戦争も余程でなければ起きることもなくなりお前たちの望んだような状態になるわけだろう・・・そこで聞きたいのだが、お前達は以降もこちらに姿を見せて活動する気はあるのか?」
「・・・それは、我々と何らかの協定であったり繋がりを作ろうということですか?」
「平たく言うならそう言うことだ」
ただそこからピオニーがアドリビトムの面々に真剣にこれからの事についてを聞き、ヒューバートがその意を察したといった返答に頷く。
「こちらとしてはお前達に感謝をしてもしきれんことをしてもらったという気持ちを抱いている。負け戦と詠まれていた戦争を止めてくれた事からな。そしてそれはキムラスカにダアトも程度の差はあれ、同じような物だとは思う・・・その上でお前達がどうしようと思っているのかを聞きたいんだ。もし地上で何かをしたいと言うなら、マルクトとして何か協力出来る事があればさせてほしいからな」
「・・・よろしいのですか、そのようなことを言われて?我々はあくまで我々の思惑の為に動いたまでで、もし我々が何かを企んでいたなら陛下はそれをみすみす見逃したばかりかそれを幇助すらしたことになりますが・・・」
「そういったことを自ら言い出してくれるならむしろ安心出来る。もしそちらが何か企てているのならこちらに注意など喚起せず、そちらは都合のいい事をこちらに求めて来るだろうからな。そうしないということはそちらにそういった意思はないか、もしくは薄いかこちらには関係のないことだという証明だ」
「・・・っ!」
そのまま話を進めていくピオニーとヒューバートだが、ピオニーが満足そうに微笑む姿にティアは気に入らないとギリリと歯を噛み締める。ピオニーがアドリビトムの面々に信頼を向けているという己にとって気に食わない事態に。
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それで今までに何度となく感じた罪悪感をルークは覚える。やはり慣れない物だと。
(・・・悔しい・・・けど、今の私とルークじゃ言い争いにしかならないのは目に見えているし・・・それでイオン様を困らせるのは、私としても本意ではないし・・・!)
対してティアも内心で我慢をしているのだが、ルークとは真逆の方向性であることなど当人は全く考えていない。
「・・・皆様、お待たせしました。こちらが陛下が書かれた書簡になります」
「はい、ありがとうございます・・・では誰がどう行くのかは一先ずここまでにして、グランコクマに向かいましょう。フリングス少将、まずはタルタロスに向かって兵に経緯の説明をお願いします。許可が降りたなら兵の方々の帰りかたが問題になりますからね」
「はい。では参りましょう」
そこに城から書簡を持った兵士が来てヒューバートがそれを受け取った後にフリングスへ兵の事について話をし、了承を返した後に一行は歩き出す。グランコクマに向かう為に。
「・・・成程。障気をどうにかするためにタルタロスが必要ということか」
「はっ。つきましてはタルタロスをお譲りいただけないでしょうか、陛下?」
「あぁ、それならいいだろう。タルタロスを使えば障気がどうにか出来るというなら反対する理由はない・・・そちらで自由に使うといい」
「ありがとうございます、ピオニー陛下」
・・・それで兵達も引き連れてダイクロフトを経由してグランコクマに来たルーク達はヒューバートが一連の流れを説明した後、ピオニーからあっさりとした許可が返って来たことに一同は揃って頭を下げる。
「まぁそれは構わんが・・・その代わりという訳ではないが、ダイクロフトの面々にいくつか聞きたいことがある」
「何でしょうか?」
「今回の事がうまく進めば、もう以降は戦争も余程でなければ起きることもなくなりお前たちの望んだような状態になるわけだろう・・・そこで聞きたいのだが、お前達は以降もこちらに姿を見せて活動する気はあるのか?」
「・・・それは、我々と何らかの協定であったり繋がりを作ろうということですか?」
「平たく言うならそう言うことだ」
ただそこからピオニーがアドリビトムの面々に真剣にこれからの事についてを聞き、ヒューバートがその意を察したといった返答に頷く。
「こちらとしてはお前達に感謝をしてもしきれんことをしてもらったという気持ちを抱いている。負け戦と詠まれていた戦争を止めてくれた事からな。そしてそれはキムラスカにダアトも程度の差はあれ、同じような物だとは思う・・・その上でお前達がどうしようと思っているのかを聞きたいんだ。もし地上で何かをしたいと言うなら、マルクトとして何か協力出来る事があればさせてほしいからな」
「・・・よろしいのですか、そのようなことを言われて?我々はあくまで我々の思惑の為に動いたまでで、もし我々が何かを企んでいたなら陛下はそれをみすみす見逃したばかりかそれを幇助すらしたことになりますが・・・」
「そういったことを自ら言い出してくれるならむしろ安心出来る。もしそちらが何か企てているのならこちらに注意など喚起せず、そちらは都合のいい事をこちらに求めて来るだろうからな。そうしないということはそちらにそういった意思はないか、もしくは薄いかこちらには関係のないことだという証明だ」
「・・・っ!」
そのまま話を進めていくピオニーとヒューバートだが、ピオニーが満足そうに微笑む姿にティアは気に入らないとギリリと歯を噛み締める。ピオニーがアドリビトムの面々に信頼を向けているという己にとって気に食わない事態に。
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