緩やかに向かう道

「・・・というわけで、セシル少将は俺の今後について不安だって話で個人的に話を聞きに来たらしいんだよ」
「・・・そういうことだったんだ・・・」
・・・それでルークは先程の話についてを話し、クレス達は何とも言い難い空気を滲ませる。
「ん~・・・そっちとしても、セシル少将の行動って言うか考えが意外だったりしたのか?」
「うん、それはね・・・まさかセシル少将がそう感じた上で行動するなんて思わなかったし・・・」
「まぁ実際にあの空気を体感したら確かにって気にはなるだろうな・・・俺も気まずいとは思うし」
「けれどこれがいい兆候かどうかっていうと、微妙だと私は思うわよ」
「・・・どうしてだ、ルーティ?」
ルークはそんな面々に問い掛けるとクレスとアスベルの後のルーティの意味深な言葉に、どうしてなのかと首を傾げる。
「まぁセシル少将が悪い人じゃないってことは分かるけど、あの人の様子を見るとルークの言ったことをちゃんと守る可能性って五分五分だと思うのよ。事態の解決って言うかあんたの状況を良くしようって考えて、敢えて公爵達に事実を明かす可能性もあるってことでね」
「あっ・・・そういう可能性か・・・確かにセシル少将の性格を考えると、父上にありのままを報告をするかもしれないって事か・・・」
「そういうことよ・・・義理堅いってのはいいことだけど、この場合どっちに義理を立てるか・・・正直私には予測がつかないわ。それでセシル少将が公爵達に説明するって選択して、あんたの思惑から外れた行動を取られる可能性も否定出来ないって訳よ」
「う~ん・・・出来ればそんな事態にならないようにしたいな・・・父上達には失礼だけど、今の状況でかき回されるような事をされると更にこんがらがりそうだし・・・」
ルーティはその訳についてを説明し、ルークは思わず納得して頭を悩ませてしまう。セシル少将の悪意のない行為がアッシュとの決着に多大な影響を与えてしまう可能性に。
「・・・そういった事態にならないようにするには、先にアッシュに話をしておくのはどうかしら?どういった結論をお互いに話し合った上で実際にどう結論を出すのか・・・それを決める時を近くにすることを言い渡す形でね」
「え?どうしてそんな感じに言うんだ、ジュディス?」
「アッシュの性格を考えてよ・・・彼は貴方の事を気に入らないとは思ってはいても、貴方から尻尾を巻いて逃げ出すような行動を自分から取るなんて人じゃないもの。それを踏まえて一度彼に約束さえさせればいいと思うの。そうすれば彼は凄く嫌な顔こそしてもそれを取り違えるようなことはないでしょうからね」
「あぁ・・・確かにそう聞けばアッシュの事はどうにかなるかな。一応先に話しておけば後から何か言われても余程じゃなかったら覆そうとはしないだろうし・・・それに、もう決着をつける時も近いしな」
「決まりかしら?」
「あぁ・・・出来りゃアッシュに話をしに行きたい所だけど、今いる部屋は・・・」
「そちらは私達に任せてちょうだい。貴方が彼に会いに行くのは今の状態じゃ変に目立ちかねないわ。ワイヨン鏡窟での戦いでアッシュもそうだけど他・・・特にティアに目をつけられている状態じゃね」
「っ・・・分かった、頼む・・・」
それで早目に決着をつけるようにといったよう勧めるジュディスにルークは行動をしようとしたが、ティアのことを切り出されて複雑な気持ちを隠せずに頷く。ティアが知ればどんな事になるか分からない・・・そう今の状態から感じてしまった為に。









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