緩やかに向かう道
「・・・では皆様、私に付いてきてください。陛下には連絡は届いているはずですから、このまま城にまで行き謡将達を捕らえた事の報告に参ります」
(ナイス、セシル少将・・・!)
そんな場でセシル少将が若干切り出しにくそうながらも城に向かう事を口にし、一同が頷いた事にルークは内心で感謝する。一先ずだけでも状況が変わったことに。
・・・ただだからと言って張り詰めたような空気自体は変わる訳ではなく、謁見の間に辿り着くまで一行は和やかな空気など一切なく会話一つもないままに進んでいった。
「おぉ、よく無事に戻ってきてくれた・・・これで一先ず安心と言った所か」
「えぇ、お父様」
「セシル少将から話は聞いているだろうが、ヴァン達は責任を持って牢に入れておく。然るべき時が来るまで一時我々預かりという形でな」
「すみません、インゴベルト陛下・・・」
そして謁見の間に入るとインゴベルトは空気を読んでか読まずか安堵といった表情を浮かべて話し掛けてくるが、イオンは若干表情を悲し気にしながら頭を下げる。その言葉が示すのは遠くない未来でヴァン達を裁く時の事で、ダアトのトップであるイオンはそれを避けられない・・・そうイオン自身も分かっている為に。
「本来ならそなたらの無事を祝う場を設けたい所だが、今はまだその時ではないだろう」
「はっ。外殻大地の降下に魔界の障気に対しての対策と、早急に解決せねばならぬ事はまだ残っています。今はあまり時間を取るわけにはまいりません」
「うむ、それはわしも分かっている・・・だがそなたらもヴァン達との戦いもそうだが、船の上で何日も過ごしてきて疲れが溜まっているだろう。今日くらいは城に泊まるといい。最高のもてなしをしよう」
続けてインゴベルトは祝いの場はまだにしてももてなしはしたいと、ヒューバートの肯定の言葉の後に切り出す。
「我々はピオニー陛下に報告にまいらねばならないのですが・・・」
「急いでいる事は分かっておるし、是が非でもここにいよと無理強いはせん。だが今日この後くらいは我々に労わせてほしいのだ。そなたらの事をな。無論、絶対にと言うわけではないから断ってくれても構わんが・・・」
「そうですか・・・ではダイクロフトの皆様、少々手間を取らせますがピオニー陛下に報告の為に移動の装置を使わせてはいただけないでしょうか?せめて出席するにしてもまずは報告の後に陛下にお伺いを立てたいのですが・・・」
「分かりました、そういうことなら何人かでフリングスさんとグランコクマに向かいます」
「ありがとうございます、クレスさん・・・インゴベルト陛下、私の出席はピオニー陛下の意向次第になるのですがよろしいでしょうか?」
「うむ、流石にそういうことならな」
ただそこでフリングスが報告の為にグランコクマへ戻りたいと言い出したことで、二人は会話を重ねてピオニーの許可が出たならということで落ち着く。
「さて、他に何かある者はおるか?・・・おらぬなら場はもう解散とするので、部屋は用意させるから食事の用意が出来るまで部屋で休むなり外に出るなりゆっくり過ごすといい」
そしてインゴベルトは辺りを見渡しながら堅苦しい事はもう終わりとばかりに、場の終わりを告げる。
・・・そんなインゴベルトの宣言により、謁見の間を出た一行。
(さて、どうしようかな・・・あまりティアの所に近寄らないようにするのはさておきとしてだ・・・)
その中で歩きながらルークはどうするかを考える。空いた時間の過ごし方を。
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(ナイス、セシル少将・・・!)
そんな場でセシル少将が若干切り出しにくそうながらも城に向かう事を口にし、一同が頷いた事にルークは内心で感謝する。一先ずだけでも状況が変わったことに。
・・・ただだからと言って張り詰めたような空気自体は変わる訳ではなく、謁見の間に辿り着くまで一行は和やかな空気など一切なく会話一つもないままに進んでいった。
「おぉ、よく無事に戻ってきてくれた・・・これで一先ず安心と言った所か」
「えぇ、お父様」
「セシル少将から話は聞いているだろうが、ヴァン達は責任を持って牢に入れておく。然るべき時が来るまで一時我々預かりという形でな」
「すみません、インゴベルト陛下・・・」
そして謁見の間に入るとインゴベルトは空気を読んでか読まずか安堵といった表情を浮かべて話し掛けてくるが、イオンは若干表情を悲し気にしながら頭を下げる。その言葉が示すのは遠くない未来でヴァン達を裁く時の事で、ダアトのトップであるイオンはそれを避けられない・・・そうイオン自身も分かっている為に。
「本来ならそなたらの無事を祝う場を設けたい所だが、今はまだその時ではないだろう」
「はっ。外殻大地の降下に魔界の障気に対しての対策と、早急に解決せねばならぬ事はまだ残っています。今はあまり時間を取るわけにはまいりません」
「うむ、それはわしも分かっている・・・だがそなたらもヴァン達との戦いもそうだが、船の上で何日も過ごしてきて疲れが溜まっているだろう。今日くらいは城に泊まるといい。最高のもてなしをしよう」
続けてインゴベルトは祝いの場はまだにしてももてなしはしたいと、ヒューバートの肯定の言葉の後に切り出す。
「我々はピオニー陛下に報告にまいらねばならないのですが・・・」
「急いでいる事は分かっておるし、是が非でもここにいよと無理強いはせん。だが今日この後くらいは我々に労わせてほしいのだ。そなたらの事をな。無論、絶対にと言うわけではないから断ってくれても構わんが・・・」
「そうですか・・・ではダイクロフトの皆様、少々手間を取らせますがピオニー陛下に報告の為に移動の装置を使わせてはいただけないでしょうか?せめて出席するにしてもまずは報告の後に陛下にお伺いを立てたいのですが・・・」
「分かりました、そういうことなら何人かでフリングスさんとグランコクマに向かいます」
「ありがとうございます、クレスさん・・・インゴベルト陛下、私の出席はピオニー陛下の意向次第になるのですがよろしいでしょうか?」
「うむ、流石にそういうことならな」
ただそこでフリングスが報告の為にグランコクマへ戻りたいと言い出したことで、二人は会話を重ねてピオニーの許可が出たならということで落ち着く。
「さて、他に何かある者はおるか?・・・おらぬなら場はもう解散とするので、部屋は用意させるから食事の用意が出来るまで部屋で休むなり外に出るなりゆっくり過ごすといい」
そしてインゴベルトは辺りを見渡しながら堅苦しい事はもう終わりとばかりに、場の終わりを告げる。
・・・そんなインゴベルトの宣言により、謁見の間を出た一行。
(さて、どうしようかな・・・あまりティアの所に近寄らないようにするのはさておきとしてだ・・・)
その中で歩きながらルークはどうするかを考える。空いた時間の過ごし方を。
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