緩やかに向かう道
「もしルークさんが今までの事を全て話したとしたなら、ティアは納得するでしょう。ルークさんが何故あれほど強いかに関しては・・・ですがだからこそ彼女は許せないと思うでしょう。何故自分達の事を信じて真実を打ち明けなかったのかと」
「いや・・・それは、ルークの立場を考えると言いづらいって言うか言えないことだろう・・・もしティアじゃなくてファブレで過ごしてる頃にそれを言い出してたら酷い展開になることとか有り得ただろうし、ルークとしても変に差を作りたくなかったからというのもあっての判断だから・・・」
「えぇ、ですがティアはそんな考えを聞いても意に介することはないでしょう。出てくる言葉は言えばガイ達なら分かってくれたし仲間にもなってくれた、貴方が最初から事実を明らかにしていたならもっと違う形も取れた・・・挙げればキリは無いですが、そう言った発言をするティアの考えの根幹にあるのは何故自分を信じて話をしてくれなかったのかという身勝手な気持ちです。何故自分が同じような立場にいて事実を明かそうとしなかったのか、その事を完全に棚に上げるようにね」
「それは・・・あまりにもティアにとって都合が良すぎないか?その考えは・・・」
「えぇ、ですがそれがティアにとってやっていいことと無自覚ながら当然の事となっているんでしょう。その相手がルークさんとなれば尚更に・・・だからこそあのティアからすればルークさんの行動は裏切りと言うような可能性が非常に高い」
「っ!?・・・だから、ルークがティアに刃を向けられるって言うのか・・・!?」
「この先の展開次第な部分も大きいかとは思いますが、問い詰められた場合にルークさんがティアの望み通りの答えを出さなかった場合は十分に有り得ると僕は思ってます」
「・・・ティアの望む答え?」
「・・・聞いて心地よくないだろう事を承知で言いますが、ルークさんの全てを聞いた上でガイ達との関係を以前のように戻すように言って僕達との関係を断ち切れ・・・くらいは最低条件でしょうね」
「なっ・・・!?」
いかにティアがルークに対して身勝手で、自分の事を考えずに行動するのか・・・ヒューバート自身あまり気持ちよくなさそうに話を進めていく様子に、アスベルもまた絶句する。予測とは言えティアが押し付けようとしていることの中身を聞いて。
「・・・言い過ぎではないかと思うかもしれませんが、今のティアならそれだけの事を言う可能性はあると僕は感じています。特に僕達との関係を断ち切ると言うのは彼女からすれば、ガイ達との関係の修復より急務となる可能性が高くなります・・・ルミナシアから僕達が来たという経緯を知れば、僕達の弁解など聞くこともなく彼女は一層僕達を嫌うでしょう。理由としてはルークさんをルミナシアに再び連れ戻されるのでないか、という強迫観念に囚われる為です」
「連れ戻されるって・・・」
「兄さんの言いたいことは分かります、一応僕達は連れ戻すつもりはありませんからね。ですが世界を越えてまで僕達がここに来たと考えると、ティアが僕達の言い分をすんなりと信じて受け入れてくれるとも思えません。まず向こうに連れて帰る為にこちらに来た、そう見るのがティアからして妥当であり・・・絶対に避けたい事態でしょう。彼女が無理矢理にでも時間を遡ってまでこの過去にまで戻ってきた事を考えればね」
「・・・だからティアはルークに俺達との縁を切れって言って、ダメなら最悪ルークを襲う可能性がある・・・ってことか・・・」
「そういうことです・・・今の彼女は非常に不安定な精神状態にあってまともな説得を聞くかどうかも怪しい上、ルークさんも話次第ではティアを落ち着けるために自ら辛い状況に身を投げる可能性もあります。そう考えるとルークさんに僕達の身の上を明かすのは、これまで以上に危険となるでしょうね・・・」
ヒューバートはそれらの推測は決して誇張ではないと言った様子で話を進め、アスベルと共に苦い表情を浮かべる。ティアの危険性は決して無視出来る物ではないといった物の為に。
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「いや・・・それは、ルークの立場を考えると言いづらいって言うか言えないことだろう・・・もしティアじゃなくてファブレで過ごしてる頃にそれを言い出してたら酷い展開になることとか有り得ただろうし、ルークとしても変に差を作りたくなかったからというのもあっての判断だから・・・」
「えぇ、ですがティアはそんな考えを聞いても意に介することはないでしょう。出てくる言葉は言えばガイ達なら分かってくれたし仲間にもなってくれた、貴方が最初から事実を明らかにしていたならもっと違う形も取れた・・・挙げればキリは無いですが、そう言った発言をするティアの考えの根幹にあるのは何故自分を信じて話をしてくれなかったのかという身勝手な気持ちです。何故自分が同じような立場にいて事実を明かそうとしなかったのか、その事を完全に棚に上げるようにね」
「それは・・・あまりにもティアにとって都合が良すぎないか?その考えは・・・」
「えぇ、ですがそれがティアにとってやっていいことと無自覚ながら当然の事となっているんでしょう。その相手がルークさんとなれば尚更に・・・だからこそあのティアからすればルークさんの行動は裏切りと言うような可能性が非常に高い」
「っ!?・・・だから、ルークがティアに刃を向けられるって言うのか・・・!?」
「この先の展開次第な部分も大きいかとは思いますが、問い詰められた場合にルークさんがティアの望み通りの答えを出さなかった場合は十分に有り得ると僕は思ってます」
「・・・ティアの望む答え?」
「・・・聞いて心地よくないだろう事を承知で言いますが、ルークさんの全てを聞いた上でガイ達との関係を以前のように戻すように言って僕達との関係を断ち切れ・・・くらいは最低条件でしょうね」
「なっ・・・!?」
いかにティアがルークに対して身勝手で、自分の事を考えずに行動するのか・・・ヒューバート自身あまり気持ちよくなさそうに話を進めていく様子に、アスベルもまた絶句する。予測とは言えティアが押し付けようとしていることの中身を聞いて。
「・・・言い過ぎではないかと思うかもしれませんが、今のティアならそれだけの事を言う可能性はあると僕は感じています。特に僕達との関係を断ち切ると言うのは彼女からすれば、ガイ達との関係の修復より急務となる可能性が高くなります・・・ルミナシアから僕達が来たという経緯を知れば、僕達の弁解など聞くこともなく彼女は一層僕達を嫌うでしょう。理由としてはルークさんをルミナシアに再び連れ戻されるのでないか、という強迫観念に囚われる為です」
「連れ戻されるって・・・」
「兄さんの言いたいことは分かります、一応僕達は連れ戻すつもりはありませんからね。ですが世界を越えてまで僕達がここに来たと考えると、ティアが僕達の言い分をすんなりと信じて受け入れてくれるとも思えません。まず向こうに連れて帰る為にこちらに来た、そう見るのがティアからして妥当であり・・・絶対に避けたい事態でしょう。彼女が無理矢理にでも時間を遡ってまでこの過去にまで戻ってきた事を考えればね」
「・・・だからティアはルークに俺達との縁を切れって言って、ダメなら最悪ルークを襲う可能性がある・・・ってことか・・・」
「そういうことです・・・今の彼女は非常に不安定な精神状態にあってまともな説得を聞くかどうかも怪しい上、ルークさんも話次第ではティアを落ち着けるために自ら辛い状況に身を投げる可能性もあります。そう考えるとルークさんに僕達の身の上を明かすのは、これまで以上に危険となるでしょうね・・・」
ヒューバートはそれらの推測は決して誇張ではないと言った様子で話を進め、アスベルと共に苦い表情を浮かべる。ティアの危険性は決して無視出来る物ではないといった物の為に。
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