緩やかに向かう道
「それで他に何か聞くことはあるのか?」
「ん~・・・んじゃ最後に一つ聞くけど、タルタロスも一緒に来てるって話だけどこれからバチカルまで行くのか?一応マルクトの艦なんだし、神託の盾に奪われてたことを考えると流石にバチカルに横付けは厳しいんじゃないのか?」
「そこはセシル少将が取りなすと言っていた。流石にタルタロスを放っておくわけにはいかない上、だからと言ってマルクトの兵だけをタルタロスに乗せてマルクトの方へ帰すとなると折角今回協力した意味という物が薄くなると言っていたからな。だから先に港にこの船を着け、タルタロスも港に着けれるようにするらしい」
「ん?それだと師匠達はバチカルの牢に入ることになるのか?」
「現状でグランコクマまでというのは無理がある上、キムラスカの領土内で神託の盾も含めてヴァン達を収監出来る牢獄施設はバチカルくらいしかないとの事だ。それにあまり離れた所にヴァン達を置くより、監視の意味も含めて手元に置く方が安心もするらしい」
「あぁ、そう言えば前ディストがモースを助けに来たな。今回は皆まとまって捕まってるからそんなことはないだろうけど・・・あ、そう言えばダイクロフトに師匠達を置くことは出来ないのか?」
「・・・出来んこともないが、神託の盾を実際に捕まえたという証明をするには連行してきたという他の者にも見てわかる事実が必要だ。酷な事だとは思うがこれから先、ヴァン達の罪を裁く事を考えればな」
「・・・まぁこれはどうしようもないか、もうこっちの師匠達は取り返しのつかない事をしてしまったんだし・・・」
それで次の質問をとタルタロスの事を口にしたルークだが次第にヴァン達の身柄についての話に変わり、ウィルからの返答の中身を受けて重い表情を見せる。が、ふと何かに気付いたといったようルークはハッとする。
「なぁ、こういうこと聞くのはあまりよくないことだって分かってて聞くけどさ・・・師匠以外の面々は皆に縁がなかったからまだともかくとしても、師匠がそうなるのってウィル達は辛くないのか?」
「ドライなことを言うようだけれど、正直私はそこまでヴァンと関わってないからあまり情といった物はないわ。だから私の事は気にしなくていいわよ」
「・・・まぁ確かにヒルダやヒューバート達と違い、俺達はヴァンとアドリビトムで結構な時間を共にしてきたからな。それなりに情も無いわけではないし、エステル達は俺達より複雑だろう。だがそれも全部含めた上でこちらのヴァンとルミナシアのヴァンが違う存在だということは、皆認知して動いている。無論エステル達もそうなるだろうことについては覚悟してもらっているし、最早こうする以外に止めようのなかった事・・・だからこちらの事は気にするなルーク」
「・・・そう思うしかない、か」
そこから出てきたのはヴァンに対する情についてだが立場的な意味でヒルダはともかく、ウィルが思わない所はない訳でもないとしつつ気にしないよう返す様子にそうしかないのかと表情を暗くする。
「・・・気にするなと言っても無理なのは見ていて分かるわ。だから今度は気晴らしも兼ねて、こちらから言いたいことを言わせてもらっていいかしら?」
「・・・なんだ?」
「さっき言ったけれど、ティアが貴方に必要以上にこだわってる事は分かってるわよね・・・これからは貴方一人で行動するのは止めて、私達の内の誰かと一緒にいなさい」
「それって・・・ティアが俺に突っかかるのをどうにかするためか?」
「えぇ、そうよ」
ヒルダはあえて空気を変えるように口を開くが、その要望が示す真意にルークは気付く。ティアに対する対策だと。
.
「ん~・・・んじゃ最後に一つ聞くけど、タルタロスも一緒に来てるって話だけどこれからバチカルまで行くのか?一応マルクトの艦なんだし、神託の盾に奪われてたことを考えると流石にバチカルに横付けは厳しいんじゃないのか?」
「そこはセシル少将が取りなすと言っていた。流石にタルタロスを放っておくわけにはいかない上、だからと言ってマルクトの兵だけをタルタロスに乗せてマルクトの方へ帰すとなると折角今回協力した意味という物が薄くなると言っていたからな。だから先に港にこの船を着け、タルタロスも港に着けれるようにするらしい」
「ん?それだと師匠達はバチカルの牢に入ることになるのか?」
「現状でグランコクマまでというのは無理がある上、キムラスカの領土内で神託の盾も含めてヴァン達を収監出来る牢獄施設はバチカルくらいしかないとの事だ。それにあまり離れた所にヴァン達を置くより、監視の意味も含めて手元に置く方が安心もするらしい」
「あぁ、そう言えば前ディストがモースを助けに来たな。今回は皆まとまって捕まってるからそんなことはないだろうけど・・・あ、そう言えばダイクロフトに師匠達を置くことは出来ないのか?」
「・・・出来んこともないが、神託の盾を実際に捕まえたという証明をするには連行してきたという他の者にも見てわかる事実が必要だ。酷な事だとは思うがこれから先、ヴァン達の罪を裁く事を考えればな」
「・・・まぁこれはどうしようもないか、もうこっちの師匠達は取り返しのつかない事をしてしまったんだし・・・」
それで次の質問をとタルタロスの事を口にしたルークだが次第にヴァン達の身柄についての話に変わり、ウィルからの返答の中身を受けて重い表情を見せる。が、ふと何かに気付いたといったようルークはハッとする。
「なぁ、こういうこと聞くのはあまりよくないことだって分かってて聞くけどさ・・・師匠以外の面々は皆に縁がなかったからまだともかくとしても、師匠がそうなるのってウィル達は辛くないのか?」
「ドライなことを言うようだけれど、正直私はそこまでヴァンと関わってないからあまり情といった物はないわ。だから私の事は気にしなくていいわよ」
「・・・まぁ確かにヒルダやヒューバート達と違い、俺達はヴァンとアドリビトムで結構な時間を共にしてきたからな。それなりに情も無いわけではないし、エステル達は俺達より複雑だろう。だがそれも全部含めた上でこちらのヴァンとルミナシアのヴァンが違う存在だということは、皆認知して動いている。無論エステル達もそうなるだろうことについては覚悟してもらっているし、最早こうする以外に止めようのなかった事・・・だからこちらの事は気にするなルーク」
「・・・そう思うしかない、か」
そこから出てきたのはヴァンに対する情についてだが立場的な意味でヒルダはともかく、ウィルが思わない所はない訳でもないとしつつ気にしないよう返す様子にそうしかないのかと表情を暗くする。
「・・・気にするなと言っても無理なのは見ていて分かるわ。だから今度は気晴らしも兼ねて、こちらから言いたいことを言わせてもらっていいかしら?」
「・・・なんだ?」
「さっき言ったけれど、ティアが貴方に必要以上にこだわってる事は分かってるわよね・・・これからは貴方一人で行動するのは止めて、私達の内の誰かと一緒にいなさい」
「それって・・・ティアが俺に突っかかるのをどうにかするためか?」
「えぇ、そうよ」
ヒルダはあえて空気を変えるように口を開くが、その要望が示す真意にルークは気付く。ティアに対する対策だと。
.