緩やかに向かう道

・・・無事、ヴァン達を倒したルーク達。その中で一足先に船に戻ったルークは船室のベッドの上に寝転がり、考えにふけっていた。












「・・・ん・・・ふあぁ・・・(・・・また寝てたのか、考え事してる最中に・・・)」
・・・それでいつの間にか寝ていたことにルークは眠気から覚め、ベッドから体を起こした時に気付く。
「目覚めたか?」
「あ・・・ウィル、それにヒルダ・・・ミュウがいねーけど、あいつどこ行ったんだ?」
「ミュウなら貴方がいつ起きてもいいように、しばらくは話を聞きたいという名目でユーリ達の所に行ってもらったわ」
「あ~・・・成程、いないのはそういうことか・・・くぁ・・・」
そんなルークに部屋の真ん中にあった椅子に座っていたウィルとヒルダが気付き、ミュウがいない訳を聞いてルークはあくびをする口元を押さえながら納得する。
「・・・あ~、起きたばっかりで分からない事もあるから早速状況確認していいか?」
「特に大事はないぞ。お前達がセシル少将達に話をした後に両軍の兵士が来て、ヴァン達を拘束して連行していった。尚アリエッタに関してだが、こちらは導師の説得により戦わずに済んだ」
「あ~、よかった・・・うまくいったんだな、イオン・・・」
「導師だからというのもあるだろうが、目の前で謡将達がやられた上で捕縛されたのが大きかったのだろう。おそらく六神将に謡将の誰かでも死んでいたなら説得をするには難しい状態になってただろうな」
「そっか・・・それで今はどうしてるんだ?」
「現在は奪い返したタルタロスに神託の盾やヴァン達と共々この船と並走する形で乗っている。一応投降という形ではあるが牢には入っていて、向こうに何人か乗ってもらっているからそうそう何か起きることもないだろう」
「そうか・・・それなら一先ず安心かな」
それでルークはベッドから出て二人に向かい状況を問うと、ウィルがアリエッタの状況とその対策についてを語ったことにホッと胸を撫で下ろす。
「他に何かあるか?」
「ん~・・・あ~、ティアはどうしたんだ?あのティアの事を思い出すと、俺が寝ててもお構いなしに起こしてくるって思ってたんだけど・・・」
「ティアならタルタロスの方よ」
「えっ・・・ちょっと意外だな、あのティアがこんな時を見逃すって・・・」
次を促すウィルにルークは次にティアの事を聞くが、ヒルダの答えに言葉通り意外そうに目を瞬かせる。悪い意味で印象深いティアがそんなことをしたことに対し。
「貴方達が先に戻った後、残った私達の間で話をしたのよ。と言っても主にジュディスが話したのだけれど・・・どちらにしろ流石にあの態度でずっといられるのは他の皆も気分が良くなかったから彼女が言わなかったら誰かが言っていただろうし、そこは関係無いわ」
「ジュディスがって・・・そんなこと率先して言うとか、あんま想像つかないけど・・・」
「そこは深く触れずに話を続けるけど、その話でティアは何かを感じたのか大人しくなってタルタロスに素直に乗ったのよ」
「素直にって・・・それ本当なのか?」
「・・・俺から補足するが、それは本当だ。ただどちらにルークがいるのかと聞いてこちらに乗ろうというように動きかけていたが、今ルークに会った所でさっきと似たような事になるだけだろうからタルタロスに乗るようにと言ったら思いの外素直に乗ったんだ」
「あぁ・・・そっちからしても意外だったって事だったんだ。ティアが素直にそうしたのが」
だが詳しく話を聞いていく内にルークも納得出来た。二人やアドリビトムの面々としてもティアがそうするのは意外だったのだと。













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