避けえぬモノと向き合い越える
「自分がそんなことを言われるとは思ってなかった、と言った様子だけれど・・・そんなこと信じられないと言うなら私達にじゃなく、アッシュ達にも聞いてみたらどうかしら?貴女は私達の言葉は自分の逆と言ったように思っているみたいだから、そう思っていない二人に聞いた方が私が間違ってるかどうか分かりやすいと思うけれど」
「っ、アッシュ、ナタリア・・・!」
ジュディスは自分の言葉を信じないならとアッシュとナタリアに聞くよう引き合いに出すと、すぐさま二人にティアは視線を向ける。ジュディスの言葉を拒否してほしいと、そんな想いがありありと込められた視線を。
「・・・私はその、ジュディスの言うことは間違ってはいないと思いました・・・確かにルークのあの強さに関しては何故隠していたのかという気持ちはありますが、それでもそれで二人が結果として今は何事もなくいられているのにそれを全く考えていないのですから・・・」
「くっ・・・・・・あの屑の事を庇うつもりもねぇし、認めるのはシャクな事だが・・・俺とお前は確かにヴァンにより死にそうな所を助けられた・・・忌々しい事にな・・・!・・・ただそれを踏まえても本来なら戦いの場で助けた助けられたなんざ戦いを有利に進める上での事だから、貸し借りだとか後にどう返すだ取り戻すだなんか一々気にせず行くのが普通のはずだが、テメェはそいつを持ち出したばかりか言いがかりすらつけた・・・俺はあの屑に同情に感謝なんてしねぇしこう言うつもりもなかったが、テメェはそれを軽々しく口にした。筋違いかどうかもそうだが、単純にみっともない・・・俺はそう思ったぞ」
「!!」
・・・だが頼りの筈の二人から出てきた答えは、互いに言いにくそうながらもジュディスと同じ物であった。
始めはナタリアの気まずそうな声でアッシュはナタリアの意見を聞いたからか気に入らなそうにしながらも同意といった答えを返すばかりか、みっともないという+αの言葉まで追加された事にティアは衝撃を受けた。
・・・アッシュは神託の盾として、六神将として短くない時間を戦いの中で過ごしてきた。そしてその中で少なからず人の死・・・それも敵方だけではなく、味方である神託の盾の兵士の死も見てきている。そんなアッシュだが当人自身の素質もあるのだろうが、味方に助けられたとしても大して感謝もしないし兵が死んだとしても動揺というものを覚えることは時が経つにつれなくなっていった。戦場というのは常に死と隣り合わせの場であり、一々そういったことを気にしていてはやっていられなくなる・・・そういった考えを持つようになったために。
だが六神将ではないとはいえ同じ神託の盾であるはずのティア、それもリグレットから教えを受けているのにアッシュとここまで違うのは何故なのか・・・と言うと、ティアは兵士として敵を殺した事は多々あっても味方の死という物に直面した経験が今生も含めてほとんどないに等しいからである。
これはティアが神託の盾に入ったのはいいもののカンタビレ経由でモースの配下につかされた事から、経緯が経緯なだけにあまり団体で誰かと組む・・・それも危険に陥るような仕事を任されることがほぼなかったからだ。まぁティアのやったことを考えれば誰かと組むことを選ばせるのは普通に考えれば避けたいことと言えるだろう。
故にティアは誰かと組んで戦うことなどほとんどなく、戦ったとしても味方が死ぬような苦境に陥る戦いなど経験してこなかった。そしてその結果として味方の死にほぼ免疫がないばかりか、戦いにおける心掛けが言葉ばかり立派で実際はメンバーに恵まれた勝ちしか経験がないティアの完成と言うわけである。兵士としてアッシュにみっともないと言われる心構えのティアが。
.
「っ、アッシュ、ナタリア・・・!」
ジュディスは自分の言葉を信じないならとアッシュとナタリアに聞くよう引き合いに出すと、すぐさま二人にティアは視線を向ける。ジュディスの言葉を拒否してほしいと、そんな想いがありありと込められた視線を。
「・・・私はその、ジュディスの言うことは間違ってはいないと思いました・・・確かにルークのあの強さに関しては何故隠していたのかという気持ちはありますが、それでもそれで二人が結果として今は何事もなくいられているのにそれを全く考えていないのですから・・・」
「くっ・・・・・・あの屑の事を庇うつもりもねぇし、認めるのはシャクな事だが・・・俺とお前は確かにヴァンにより死にそうな所を助けられた・・・忌々しい事にな・・・!・・・ただそれを踏まえても本来なら戦いの場で助けた助けられたなんざ戦いを有利に進める上での事だから、貸し借りだとか後にどう返すだ取り戻すだなんか一々気にせず行くのが普通のはずだが、テメェはそいつを持ち出したばかりか言いがかりすらつけた・・・俺はあの屑に同情に感謝なんてしねぇしこう言うつもりもなかったが、テメェはそれを軽々しく口にした。筋違いかどうかもそうだが、単純にみっともない・・・俺はそう思ったぞ」
「!!」
・・・だが頼りの筈の二人から出てきた答えは、互いに言いにくそうながらもジュディスと同じ物であった。
始めはナタリアの気まずそうな声でアッシュはナタリアの意見を聞いたからか気に入らなそうにしながらも同意といった答えを返すばかりか、みっともないという+αの言葉まで追加された事にティアは衝撃を受けた。
・・・アッシュは神託の盾として、六神将として短くない時間を戦いの中で過ごしてきた。そしてその中で少なからず人の死・・・それも敵方だけではなく、味方である神託の盾の兵士の死も見てきている。そんなアッシュだが当人自身の素質もあるのだろうが、味方に助けられたとしても大して感謝もしないし兵が死んだとしても動揺というものを覚えることは時が経つにつれなくなっていった。戦場というのは常に死と隣り合わせの場であり、一々そういったことを気にしていてはやっていられなくなる・・・そういった考えを持つようになったために。
だが六神将ではないとはいえ同じ神託の盾であるはずのティア、それもリグレットから教えを受けているのにアッシュとここまで違うのは何故なのか・・・と言うと、ティアは兵士として敵を殺した事は多々あっても味方の死という物に直面した経験が今生も含めてほとんどないに等しいからである。
これはティアが神託の盾に入ったのはいいもののカンタビレ経由でモースの配下につかされた事から、経緯が経緯なだけにあまり団体で誰かと組む・・・それも危険に陥るような仕事を任されることがほぼなかったからだ。まぁティアのやったことを考えれば誰かと組むことを選ばせるのは普通に考えれば避けたいことと言えるだろう。
故にティアは誰かと組んで戦うことなどほとんどなく、戦ったとしても味方が死ぬような苦境に陥る戦いなど経験してこなかった。そしてその結果として味方の死にほぼ免疫がないばかりか、戦いにおける心掛けが言葉ばかり立派で実際はメンバーに恵まれた勝ちしか経験がないティアの完成と言うわけである。兵士としてアッシュにみっともないと言われる心構えのティアが。
.