避けえぬモノと向き合い越える
「それに戦いを見ていましたが、とてもヴァンさんに有効的な攻撃を食らわせているようには見えませんでした。そして近接戦闘に見切りをつけて譜歌で攻撃をしようとしたのかもしれませんが、今のティアさんではさっきの攻撃が多少マシになったくらいのダメージを与える程度にしかヴァンさんには効かないと思います」
「そんなことないわっ!私の譜歌はユリアの譜歌よ!」
「ユリアの譜歌であろうと普通の譜歌であろうと単なる技であろうと、重要なのは術者自身の力量が威力を左右するということです・・・確かに私達のような術者は前衛を担当出来る人達に比べれば力が足りないことは否定は出来ませんが、ある程度力量が近ければ打撃でも少しは効果が期待出来ます。ですがヴァンさんがほとんど意に介した様子を見せないところを見ると、ティアさんの力量は精神力も含めてヴァンさんの力量から遠く離れている・・・としか思えません」
「!!(・・・信じ、たくない・・・けど今思い出した・・・前に兄さんと戦った時は六神将を始めとした敵と戦ってきて、実力が上がった状態だったから戦えてた・・・でも今の兄さんとの戦いではあの時と比べて、全くダメージを与えた手応えがなかった・・・!)」
・・・ここに来てようやく、ティアは自分の今の実力が前のヴァンと戦う時とは比べ物にならない程低いという考えに至った。
アニーが懇切丁寧ながら厳しい口調で話す様子に、今の自分の力の無さを否応無しに実感してしまった・・・確かに打撃でもヴァンには譜歌より少ないとは言え有効なダメージをアブソーブゲートにエルドラントの時は与えていたにも関わらず、今は全くそんな結果が伴っていなかった。つまりは今の自分は実力不足としか言いようがない・・・ということを。
「・・・私は二人のサポートに行きます。後にどうするかはティアさんの自由ですが、譜歌を使えるなら他の人達の分もありますから傷の回復の為にグミを使うのは極力避けてください。では」
「あっ・・・!」
アニーはその姿に追求することなく注意を残してルーク達の元に向かい、ティアの呼び止めようとした声と伸ばされた手など関せずに場を離れていく。
「っ・・・し、仕方無いわ・・・自分で回復してでも兄さん達の所に行かないと・・・・・・っ!?・・・まさか・・・・・・ファーストエイド・・・良かった、こっちは使えた、けれど・・・これは間違いなく、技を使える容量も低下してまってる・・・兄さんに技を使って、消費したという事を除いても・・・!」
それでもすぐに立ち直り自身で自分を回復しようとするが、一度目の譜歌が無事に使えず二度目に唱えた初歩の回復術であるファーストエイドしか成功しなかった事に、技を使える容量までもが少ないということを確信してティアは愕然とした。ここまで実力が落ちたのかと再度分かる形で思い知って。
・・・ここまでティアが誤算だらけの事になってしまったのは、やはり自分の実力を過信してしまったことが主な理由である。以前のように振る舞いつつも自分は力があるところを見せてはならないと本気になることを避け、ヴァン達の時にくらいになれば本気になるのはちょうどいい・・・そういったように思う形でだ。
しかし戦闘はおろか訓練ですらも本気を出さなかったティアは、過去に戻ってきてからの自分の力量に底を完全に見誤っていた・・・そしてその事にようやく気付いた。今となってはもう実力不足をどうにかしようにも取り返しがつかないどころか、ヴァン達との決着を着けるという腕の最後の振るいどころで因縁の総仕上げという場面でだ。
(で、でも今ルーク達は兄さんと戦ってる・・・私が援護しな、い・・・と・・・!?)
・・・それでも尚戦意は折れないティアは援護の為に動こうとヴァン達の方を見るが、そこにあった光景に自分の実力に関して以上の衝撃を感じ静止してしまった。何せルークとアッシュの二人が息ピッタリのコンビネーションを持ってヴァンと戦っていたのだから。
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「そんなことないわっ!私の譜歌はユリアの譜歌よ!」
「ユリアの譜歌であろうと普通の譜歌であろうと単なる技であろうと、重要なのは術者自身の力量が威力を左右するということです・・・確かに私達のような術者は前衛を担当出来る人達に比べれば力が足りないことは否定は出来ませんが、ある程度力量が近ければ打撃でも少しは効果が期待出来ます。ですがヴァンさんがほとんど意に介した様子を見せないところを見ると、ティアさんの力量は精神力も含めてヴァンさんの力量から遠く離れている・・・としか思えません」
「!!(・・・信じ、たくない・・・けど今思い出した・・・前に兄さんと戦った時は六神将を始めとした敵と戦ってきて、実力が上がった状態だったから戦えてた・・・でも今の兄さんとの戦いではあの時と比べて、全くダメージを与えた手応えがなかった・・・!)」
・・・ここに来てようやく、ティアは自分の今の実力が前のヴァンと戦う時とは比べ物にならない程低いという考えに至った。
アニーが懇切丁寧ながら厳しい口調で話す様子に、今の自分の力の無さを否応無しに実感してしまった・・・確かに打撃でもヴァンには譜歌より少ないとは言え有効なダメージをアブソーブゲートにエルドラントの時は与えていたにも関わらず、今は全くそんな結果が伴っていなかった。つまりは今の自分は実力不足としか言いようがない・・・ということを。
「・・・私は二人のサポートに行きます。後にどうするかはティアさんの自由ですが、譜歌を使えるなら他の人達の分もありますから傷の回復の為にグミを使うのは極力避けてください。では」
「あっ・・・!」
アニーはその姿に追求することなく注意を残してルーク達の元に向かい、ティアの呼び止めようとした声と伸ばされた手など関せずに場を離れていく。
「っ・・・し、仕方無いわ・・・自分で回復してでも兄さん達の所に行かないと・・・・・・っ!?・・・まさか・・・・・・ファーストエイド・・・良かった、こっちは使えた、けれど・・・これは間違いなく、技を使える容量も低下してまってる・・・兄さんに技を使って、消費したという事を除いても・・・!」
それでもすぐに立ち直り自身で自分を回復しようとするが、一度目の譜歌が無事に使えず二度目に唱えた初歩の回復術であるファーストエイドしか成功しなかった事に、技を使える容量までもが少ないということを確信してティアは愕然とした。ここまで実力が落ちたのかと再度分かる形で思い知って。
・・・ここまでティアが誤算だらけの事になってしまったのは、やはり自分の実力を過信してしまったことが主な理由である。以前のように振る舞いつつも自分は力があるところを見せてはならないと本気になることを避け、ヴァン達の時にくらいになれば本気になるのはちょうどいい・・・そういったように思う形でだ。
しかし戦闘はおろか訓練ですらも本気を出さなかったティアは、過去に戻ってきてからの自分の力量に底を完全に見誤っていた・・・そしてその事にようやく気付いた。今となってはもう実力不足をどうにかしようにも取り返しがつかないどころか、ヴァン達との決着を着けるという腕の最後の振るいどころで因縁の総仕上げという場面でだ。
(で、でも今ルーク達は兄さんと戦ってる・・・私が援護しな、い・・・と・・・!?)
・・・それでも尚戦意は折れないティアは援護の為に動こうとヴァン達の方を見るが、そこにあった光景に自分の実力に関して以上の衝撃を感じ静止してしまった。何せルークとアッシュの二人が息ピッタリのコンビネーションを持ってヴァンと戦っていたのだから。
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