避けえぬモノと向き合い越える

「そう。そうすると言うならキムラスカ側も貴方や私達の事を一概に拒否は出来ないでしょう。それにそうなることを逃れようとして下手にマルクトとかダアトに行くとかという風に言ったとしても、それが絶対に大丈夫だという保証もないわ。ピオニー陛下にイオンが大丈夫なんて庇おうとしたところでキムラスカから要望が来れば、貴方を引き渡そうとする人も出てきかねない可能性もある」
「あ~・・・外交上の問題も考えると、より一層ダイクロフトに行った方がいいってことか・・・激しくキムラスカから要請と言うか、抗議が来たらピオニー陛下でも突っぱね続けるには難しいだろうし、そもそも厄介者になる可能性が高い俺を受け入れてくれるとも思えないしな・・・」
更にジュディスがどこに行くかについても危険と言うと、ルークは一層納得してしまう。知識を得ている今のルークからすれば、国と国の関係であったり外交の重要性に危険性と言うものは分かるため、自分自身の為に周りを危険に晒せないと思ったために。
「そういうわけだから、もしその時が来たなら私らの所に来るって言いな。多分その時は揉めることにはなるだろうけど、何も決めずに事を進めたら妙な事になるだろうしさ」
「・・・俺もそうするのがいいとは思う。けど一つ疑問が出てきたから聞いていいか?」
「ん?なんだい?」
「ピオニー陛下に言った時の事を思い出すと、確かレアメタルがこのダイクロフトに使われてて創世歴時代から動いてるって話だけど・・・このダイクロフトっていつまで浮いてるんだ?今まで疑問に思ってなかったけど、エネルギーがいつまで持つのかどうかも分からないし皆がルミナシアに戻るんなら誰がここを管理するかって話になるだろうしさ」
「あっ・・・あぁ、そう言えばその事についちゃ何も話しちゃいなかったね」
ナナリーが笑顔でだから大丈夫と言うのだが、ふとルークがダイクロフトの動力源についてを改めて疑問に思った様子で口にした事に忘れていたと今度は困り笑顔を浮かべる。
「・・・その事についてはここで話すより、明日の夜に部屋の中で話しましょう。今は人のいない時間帯ではありますけど、一応人に聞かれたらまずいので念を入れたいんです。それに時間も時間ですからあまり遅くなると、明日にも響いてきますし・・・」
「あぁ・・・まぁそういうことなら仕方無いか。今も大分遅い時間だし、秘密にしなきゃならないってんなら明日にしよう」
「そうしましょう」
アニーは話はするが明日にと言いルークも納得して頷き、この話は終わりとなる・・・









・・・だがルークは知らなかった。その翌日に聞いた話が後の自分やティア達にアドリビトムの面々、それら全ての面々の結末に大きく関わっていく事になることを・・・そして、アニーとナナリーの想いがどのような物なのかということを・・・















・・・それから数日後、ルーク達を乗せた船はワイヨン鏡窟付近へと辿り着いた。



「・・・あれは、タルタロス・・・あの様子では謡将率いる神託の盾はワイヨン鏡窟にいるのは間違いはないようですね」
「・・・皆様、神託の盾は我々の迎撃に向かうような様子は見せていません。我々は船が着いたならタルタロスの奪還及び、神託の盾兵の鎮圧に全力を尽くします。皆様は鏡窟の奥に進まれて謡将達と戦われてください。我々もそれが済みましたらすぐに応援に参ります」
「分かりました」
鏡窟の入口付近にタルタロスを見つけてセシル少将にフリングス少将が以降の流れを口にした事に、クレスが頷く。改めて自分達に謡将達を任せると言われた為に気を引き締めるように。











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