避けえぬモノと向き合い越える

「・・・わりぃ、セシル少将。とりあえず話は分かった、後は休んでくれて構わないからよ」
「・・・その前に一つお聞かせください。ルーク様はそのような状況でどのように動かれるおつもりなのですか?」
「・・・その事についちゃ俺が後は何とかする。どうなるにせよ、キチンとした形で当事者同士決着をつける形でな・・・だから俺を信じるだけってのは不安かもしれないけど、俺に任せてその時にどういう結果が起こるかを待っていてくれ。セシル少将」
「・・・分かりました。ですが私に何か出来ることがあれば何でも申し付けください。微力でしょうがお力になります」
「・・・悪い、セシル少将」
それでもう場を切り上げようと弱気な様子で口を開く姿にセシル少将はどうするかと疑問を向け、自分がどうにかするというルークはそっと頭を下げる。難しい状況を任せてくれるということに。
「・・・では私はこれで失礼します」
「あぁ・・・・・・ふぅ・・・」
そしてセシル少将は先にと頭を下げてから場を後にし、ルークはそれを見送り声が聞こえない位置にいってから表情を素の物へと崩し嘆息を吐く。
「・・・もうそろそろ、なんだよなホント・・・色々と、決着をつけないといけない時期は・・・師匠達を倒して、外殻大地を魔界に降ろして、障気をどうにかして・・・そうしたら俺も、どうなるか分からない・・・最悪、本当に俺の存在がどうにかなるかもしれない・・・そうなることは考えてはいたけど、いざその時期が近いって認識するとやっぱ・・・怖いな・・・」
そのままじっくり現実を噛み締めるようにこれからの未来の可能性についてを自身で口にするルークは、震えを抑えるように体を抱いて目を細める・・・一人になることはまだ耐えられると思ってルミナシアではライマから脱け出せても、やはり実際に死という未来がない終わりに関してはルークも耐えがたいものと感じている為に。
「・・・っ、誰か来たのか・・・?」
ただその状態でも周りの状態を感じるくらいには集中していなかった為、ふとセシル少将の消えていった方角から気配を感じ取りハッとした様子で顔を向けて注目する。
「・・・ルークさん、大丈夫ですか?」
「アニー・・・それにナナリーに、ジュディスも・・・どうしたんだ、こんな夜中に?」
その先から現れたのはアニーを始めとした三人が心配そうな表情を浮かべる様子に、素ではあるが何事も無かったとばかりに装いつつルークは応対する。
「・・・さっきセシル少将が部屋の方に戻ってきたのを見たんだけど、どういう会話になったんだい?」
「・・・もしかしてユーリ達から事情を聞いて、どんな話になったのか聞くために待ってたのか?」
「あぁ、そうさ・・・で、どうだったんだい?」
「あ~・・・まぁ結論から言うと、まだアッシュは答えを出し切れてないって様子らしい。話を聞く限りじゃさ」
「ルークとの決着がついてないからかい?」
「それもあるとは思うけど、アッシュが素直に戻りたいなんて言うとも思わないからハッキリとは言えなかったんだと思う。父上達の使いだっていうセシル少将の前だから遠慮だとか、言わない方がいいだとかって気持ちの葛藤があったりしたこともあるんだろうけどさ」
「・・・ま、アッシュの性格を考えればそうもなるか」
続けてナナリーが本題はどうだったのかと聞くとルークはその時の事を話していき、その中身を受けて呆れたように肩をすくめる。








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