避けえぬモノと向き合い越える

「まぁそういうことなんで、とりあえず今日はミュウを頼む・・・多分セシル少将にアッシュが今の考えを全部説明してくれるとは思っちゃいないけど、だからってその中身を来る時が来る前にぶちまけられるような事があったらどうなるかわからないからな」
「うん、分かったよ!」
そんなユーリの声に気付かずミュウを託す旨を話すルークにカロルは元気よく頷く、そんなことにさせるつもりはないためにと意気を込めて。
「んじゃ俺達は心配かけない程度にミュウに説明に戻るけど、お前はどうするんだ?ここにいるのか?」
「あ~・・・ちょっと寝るからここにいるよ。アッシュの事を聞くのにセシル少将が時間的に手間取る可能性が高いし、報告を受ける時に眠ってましたじゃ申し訳無いしな」
「分かった、んじゃゆっくり寝とけよ」
「お休み、ルーク!」
続いてユーリが平時通りの様子で次の行動について聞いてきた為、軽く笑みながら寝ると伝えると二人ともに了承したと笑顔で返して部屋から退出する。
「・・・後少し・・・ここでしくじりたくないしな・・・とりあえずはしばらく寝よう・・・」
二人を見送った後にベッドに寝る体勢へと入りながらそっとルークは呟く。決意と共に休息を取る事を。












・・・そんなルークはしばらく寝てから目が覚め、夕食を皆と共に取ってゆったりとした時間を過ごしていた。

それで日は沈んで夜の闇が空を覆い、大方の人間が寝床につく夜深い時間帯にまで来た。



「・・・申し訳ありません、ルーク様・・・このような形で話すことになって・・・」
「いや、周りに聞かれたくない話だってのは分かるから構わねぇよ・・・それよりこんな時間までかかるなんて、そこまであいつら一緒にいたってのか?」
「それもあるのですが・・・アッシュ様にどうお考えなのか伺ったのですが、思いの外返答をいただくのに時間かかかったのです」
「・・・そこまであいつが悩んでたってのか?」
「悩んでいた、と言うよりは苦悶の表情を浮かべていた・・・と言った方が適切と私は思いました。何故あそこまで苦悶するのか私には分かりませんでしたが・・・」
(・・・今までの旅で色々とあったから、流石にアッシュもどう結論を出すのか決めかねてるのか?俺がアッシュを倒してるってのも多少尾は引いてるとは思うけど、正直意外な気はするな・・・)
・・・船の甲板の上の一角にて、対峙するルークとセシル少将。周囲には時間帯の影響もあって、人の気配などない。
そんなアッシュについての話を早速とする二人だが、セシル少将の何とも言い難そうな推測混じりの言葉にルークも予想してなかったと心で漏らす。
「・・・それで、そんなアッシュはどんな考えでいるのかは答えたのか?まぁ何となくまだ結論は出てないから後にしろくらいな感じだと思うけど」
「・・・ルーク様のおっしゃられた通りです。アッシュ様も出来れば結論は出したいといったような様子ではありましたが、今の時点では結論は出ないから後にしてくれ・・・そう言われました」
「話の流れから何となくそんな感じはしてたけど、実際に聞くと何だろうな・・・出来るなら、あいつがどうしたいのか聞きたかったんだけどな・・・」
「・・・ルーク様・・・」
それでも先は予測出来ると言うルークにセシル少将はその中身は正しいと頷き、複雑さを滲ませながら眉を寄せるその様子にセシル少将は胸を締め付けられているといった表情を浮かべる。ルークの想いを少なからず感じたが為に。











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