戦場に際し開き、詰まる距離
(くっ・・・ルークと離れてしまうし、ラピードはそのルークの方に行ってしまうし最悪だわ・・・!)
そんな二人の会話通り、ティアの内心は酷く荒れていた。特にラピードという数少ないアドリビトムの面々がいてよかったと思う点であり、癒しがいなくなってしまったことに。
「・・・随分と苛立ってんな、あんた」
「・・・何よ、貴方には関係のないことじゃない」
そこにユーリが笑みを浮かべながら現れ苛立ちについて指摘すると、隠す気など全く見せずそのままティアは吐き捨てる。ぶつけようのない感情を。
「あぁ関係はないね。だけど興味はあるんだよ・・・あんたがそんなに苛立ってまであのお坊ちゃんの事を気にかける理由はなんなのか、パッと見そんな相性も良くなさそうになんで一緒にいようとしてるのかって事にはな」
「っ・・・相性が、良くなさそう・・・?」
しかしユーリは苛立ちを意に介さず言葉を続けるが、ティアはピクッと反応した・・・反応せざるを得なかった。自身とルークの相性が悪いと見える言葉に。
「あぁ、俺から見りゃ相性は良くないとしか思えないね。あんたもあのお坊ちゃんも我の強いタイプで、エンゲーブで会ってから何回もぶつかってるのを見てきた・・・正直あのお坊ちゃんと別れた方がいいと俺は思ったんだけどな」
「そんなことないわ!」
‘‘‘‘ッ’’’’
「っ・・・すみませんイオン様、大佐・・・」
「・・・何を話していたのかは分かりませんが、未だ神託の盾の追手は撒いたとは限りません。何も話すなとは言いませんが、出来る限り静かにしていてください」
「はい・・・」
そしてユーリがそう思った根拠を語ったが、ティアはたまらず鬼気迫る表情で否定の言葉を叫んだ・・・が、それが静かな場にいた面々の視線をバッと一斉に集めてしまった事にティアは気まずげに二人にだけ謝る。ジェイドが言葉だけは丁寧だがトゲが多大についた注意を向けると、ティアも流石に意気消沈気味に頷く。
「・・・ま、もうちょっと話したかったとこだがここまでにしとくよ。これ以上は今のような状況で話すべきじゃないだろうしな」
「・・・(・・・私とルークの相性が良くない?・・・落ち着くのよ、この人が言ったのはあくまで今のルークと・・・ルークが変われば今の事なんて関係無くなるわ・・・)」
ユーリも雰囲気の気まずさに気付きこれ以上はやめると距離を取り、ティアもこれ以上は騒げないと思って何も言わずに視線を向けるだけにする。内心は見返してやるとばかりにユーリにもだが、ルークに対しての歪んだ執念を燃やしながら・・・
・・・神託の盾の追手を警戒して二つのグループに分かれて動く面々。その面々は互いに夜に追手は来ることなく、無事に朝を迎えることが出来た。
「・・・じゃあラピード、私達はカイツールに先に行くっていう手紙をユーリに持っていってね」
「ワンッ!」
「・・・大丈夫なのか、あいつ一人で?」
「大丈夫よ。ラピードなら神託の盾の警戒も薄くなるでしょうし、まさかこちらと連絡を取り合ってるなんて思わないでしょうから」
「ふ~ん・・・」
朝になり出発と行く前に、アニーからの言葉を受けラピードは威勢よく一声鳴いてから走って場を後にして行く。ルークはラピードをメッセンジャーにしていいのかと漏らすが、ジュディスの太鼓判にそれ以上の追及もせず頷くに留める。
「では出発しましょう・・・神託の盾の目を避けるためアクゼリュス側からではなくフーブラス河越えをしてカイツールに向かうことにしましたが、フーブラス河まで行って神託の盾が来なければ私達に追手はないか撒いたと見ていいと思います」
「フーブラス河ねぇ・・・そうあってほしいもんだぜ・・・(出来りゃティア達の追手もいなくなってほしいけどな・・・)」
「えぇそうね、そうあってほしいわ」
そしてすずから出発の声と共にフーブラス河が追手がどうあるかの基準になると聞き、ルークは歩き出しながら内心でティア達の無事を思いながら呟きジュディスは意味深な笑みと共に同意して歩き出す・・・
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そんな二人の会話通り、ティアの内心は酷く荒れていた。特にラピードという数少ないアドリビトムの面々がいてよかったと思う点であり、癒しがいなくなってしまったことに。
「・・・随分と苛立ってんな、あんた」
「・・・何よ、貴方には関係のないことじゃない」
そこにユーリが笑みを浮かべながら現れ苛立ちについて指摘すると、隠す気など全く見せずそのままティアは吐き捨てる。ぶつけようのない感情を。
「あぁ関係はないね。だけど興味はあるんだよ・・・あんたがそんなに苛立ってまであのお坊ちゃんの事を気にかける理由はなんなのか、パッと見そんな相性も良くなさそうになんで一緒にいようとしてるのかって事にはな」
「っ・・・相性が、良くなさそう・・・?」
しかしユーリは苛立ちを意に介さず言葉を続けるが、ティアはピクッと反応した・・・反応せざるを得なかった。自身とルークの相性が悪いと見える言葉に。
「あぁ、俺から見りゃ相性は良くないとしか思えないね。あんたもあのお坊ちゃんも我の強いタイプで、エンゲーブで会ってから何回もぶつかってるのを見てきた・・・正直あのお坊ちゃんと別れた方がいいと俺は思ったんだけどな」
「そんなことないわ!」
‘‘‘‘ッ’’’’
「っ・・・すみませんイオン様、大佐・・・」
「・・・何を話していたのかは分かりませんが、未だ神託の盾の追手は撒いたとは限りません。何も話すなとは言いませんが、出来る限り静かにしていてください」
「はい・・・」
そしてユーリがそう思った根拠を語ったが、ティアはたまらず鬼気迫る表情で否定の言葉を叫んだ・・・が、それが静かな場にいた面々の視線をバッと一斉に集めてしまった事にティアは気まずげに二人にだけ謝る。ジェイドが言葉だけは丁寧だがトゲが多大についた注意を向けると、ティアも流石に意気消沈気味に頷く。
「・・・ま、もうちょっと話したかったとこだがここまでにしとくよ。これ以上は今のような状況で話すべきじゃないだろうしな」
「・・・(・・・私とルークの相性が良くない?・・・落ち着くのよ、この人が言ったのはあくまで今のルークと・・・ルークが変われば今の事なんて関係無くなるわ・・・)」
ユーリも雰囲気の気まずさに気付きこれ以上はやめると距離を取り、ティアもこれ以上は騒げないと思って何も言わずに視線を向けるだけにする。内心は見返してやるとばかりにユーリにもだが、ルークに対しての歪んだ執念を燃やしながら・・・
・・・神託の盾の追手を警戒して二つのグループに分かれて動く面々。その面々は互いに夜に追手は来ることなく、無事に朝を迎えることが出来た。
「・・・じゃあラピード、私達はカイツールに先に行くっていう手紙をユーリに持っていってね」
「ワンッ!」
「・・・大丈夫なのか、あいつ一人で?」
「大丈夫よ。ラピードなら神託の盾の警戒も薄くなるでしょうし、まさかこちらと連絡を取り合ってるなんて思わないでしょうから」
「ふ~ん・・・」
朝になり出発と行く前に、アニーからの言葉を受けラピードは威勢よく一声鳴いてから走って場を後にして行く。ルークはラピードをメッセンジャーにしていいのかと漏らすが、ジュディスの太鼓判にそれ以上の追及もせず頷くに留める。
「では出発しましょう・・・神託の盾の目を避けるためアクゼリュス側からではなくフーブラス河越えをしてカイツールに向かうことにしましたが、フーブラス河まで行って神託の盾が来なければ私達に追手はないか撒いたと見ていいと思います」
「フーブラス河ねぇ・・・そうあってほしいもんだぜ・・・(出来りゃティア達の追手もいなくなってほしいけどな・・・)」
「えぇそうね、そうあってほしいわ」
そしてすずから出発の声と共にフーブラス河が追手がどうあるかの基準になると聞き、ルークは歩き出しながら内心でティア達の無事を思いながら呟きジュディスは意味深な笑みと共に同意して歩き出す・・・
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