なだらかでも綺麗でもない道

「理解していただきありがとうございます。後はどのように外殻大地と障気の問題について解決するか、そちらについてお話しをしたいと思います」
それでヴァン達についての話は終わりと外殻大地と障気の方に移すと、ヒューバートは話を始める・・・


















・・・そして必要な事全てを話終え会談は終わり、両陣営はアドリビトムの面々の案内により各々の場へと帰された。尚、その際にはナタリアとジェイドもまた各々の陣営に付いていく形で戻っていった。



「・・・ヒューバート、お疲れ」
「いえ、こういった事は僕の得意とする分野ですから大丈夫です兄さん」
それで会談の部屋の中でアスベルがヒューバートに労いの言葉をかける。
「とりあえず、これで会談も終えたし後は明日になればバチカルよりワイヨン鏡窟に向かう船に乗ることになる。後は明日以降に備え、皆部屋でゆっくりと休むといい」
「そうですね、そうしましょう皆さん」
それに続かんとばかりにユージーンが休息を勧め、イオンも事がうまくいった為に陰のない笑顔で周りにもそうしようと促す。



・・・それで場は解散といった流れになり一同は各々の部屋に戻る事になって、ルークも部屋に入り仰向けにベッドに倒れこむ。
「・・・ふぅ」
「ご主人様、大丈夫ですの?」
「んあ~・・・あの場で緊張してたもんだからやけに肩肘張って疲れただけだ。寝りゃすぐに元に戻るから気にせず過ごしてろよ、お前も」
「はいですの」
一息ついた所で足元辺りからミュウの心配の声が聞こえてきたが、気の抜けた安心の滲むルークの声にすぐに安心したよう返す。
(良かった・・・これでキムラスカとマルクトの間で和平を結ぶことが出来たんだな・・・これで後は外殻大地の降下と障気の問題もそうだけど、そっちはさっきの話でどうにかなると思うから・・・やっぱり問題は明日になって、ワイヨン鏡窟にいる可能性が高いと師匠達だよな・・・)
ミュウが黙った所でそっとルークは目を閉じ、やはり最大の障害はヴァンだと改めて思い直す。
(今の俺なら師匠と一対一でも互角とは言わずとも、ある程度までは食い下がれるのは確実だと思う。ただ今ならアドリビトムの皆に兵士の人達もいるから六神将や神託の盾達も含めてどうにかなると思う・・・後はワイヨン鏡窟に実際に師匠達がいることを願う事もだけど、ティアの事もまた不安要素なんだよな・・・)
それで戦力についての不安はないと思いつつも、ヴァン達がいるかどうか以上にティアの事をルークは不安に感じる。
(・・・何て言うか、あのティアなら師匠と戦うことに関して躊躇いを持ちそうにはないとは思う。けどその代わりとして、何て言うか廃工場の時のように進んで前に出そうな感じがするんだよな・・・前のように自分がどうにか兄を止めなければみたいな感じじゃなく、躊躇いがないからこそ激しい攻撃を見切れるかどうか関係無く突っ込むような感じが・・・)
その不安とは廃工場での時のような無謀な行動に出ることにあるとルークは考える。あのティアなら有り得ると。
(・・・多分そうなったら、戦闘中に俺がティアの事を守るのは無理があると思う。多分予期しない攻撃を受けるってなったらエルドラントでの時みたいに一人一人でリグレット達が待ち構えてるなんて状況じゃなく、皆一気に乱戦って状況になるだろうし都合よく分かれて戦うなんて事にならないだろうし・・・その状況で師匠達と戦いながらティアだけを注意しながら守るなんて出来るはずがないよな、やっぱり・・・)
そして今だからこそそんなティアを守れる自信はないと、その時の状況を考えながらルークは苦い想いを抱く。一人でやれることの限界を思い。
(・・・大丈夫、今なら他にも皆がいる・・・皆ならティアのミスもカバー出来る、俺はそう思う・・・!)
だからこそルークはアドリビトムの面々を信じることを選ぶ。ティアよりも頼りになって周りを見れる面々の事を・・・















・・・新たな形で国と国は結ばれる



だが個人と個人の繋がりはまだ複雑である



整えられた環境に道などそこにはなく、自分達で整えていかねばならないのだから



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