なだらかでも綺麗でもない道
「いやいやアニー、あんたが無理をする事はないんだよ?」
「いいえナナリーさん、私が無理をする必要はないなんて事はないです。むしろ私も今の話で決意がつきました・・・ルークさんの為にやれることなら私も何でもやりたいです」
「・・・参ったねぇ・・・私はそんな風にアニーもしてほしいなんて思って言ったことじゃないんだけどさぁ・・・」
そう聞いて慌てつつも制止に入るナナリーだが、アニーの決心を滲ませて譲るつもりはないといった様子を見て困り笑いを浮かべる。そういった事にしたかった訳ではないと。
「・・・取りあえず、私達の部屋に戻ろうじゃないか。このままここで話をしてたら誰かに聞かれるかもしれないし、立ったまんまでずっとってのもなんだしさ」
「・・・そうですね、そうしましょう」
そして仕切り直して部屋で話をというナナリーに頷き、アニーは二人で部屋に向かう。
「・・・すみません、ジュディスさん。少しよろしいですか?」
「あら、すず。どうしたのかしら?」
・・・同じ時間、すずがジュディスのいる部屋を訪れていた事など知らないままに・・・
・・・ルークを取り巻く環境に別の意味で嵐が訪れる。そんな状況になりつつあるが、以降は何も起こることはなく夜を越えた。
「・・・皆様、まずはお集まりいただきありがとうございます。私はダイクロフトの住民を代表してこの場を進めさせていただきますヒューバートと申します。以後よろしくお願いいたします」
・・・大会議室とも呼べる大きな部屋の中で片側をキムラスカ陣営、もう片側をマルクト陣営として長机と椅子を用意して座らせたルーク達。ルーク達はそんな両者をまとめるようキムラスカから見れば右手側でマルクトから見れば左側になる位置で集まって立っている。
そんな状況の中でヒューバートが司会進行を勤めると、一歩前に出て両者に対して挨拶をする。
「さて・・・本来なら和平に関する事柄は重要事であるため様々な話し合いをした上で行うべきかと思いますが、まずはあえて先に和平締結するべきかと思われます。勿論和平も大事ですが、この会談より後に控える事柄にどのように挑むのか・・・そちらの方が我々だけでなく皆様にとっても重要だと思われますが、どうですか?」
「こちらは異存ない」
「こちらもだ」
「ではこちらで紙を用意しました・・・締結書にサインをお願いします」
そのままにヒューバートはまずは和平をと切り出し両陛下が反対を返さなかった事で、紙を取り出し早速の締結をと話を進める。
・・・数分後、ヒューバートより渡された紙に両陛下がサインをしてイオンにその紙が手渡された。
「・・・これで和平は締結されました。以後の細かな条件に関してはまた後程に話していただくこととして、まずは目下残されている大事についてをお話したいと思います」
「それは外殻大地と障気、そしてヴァン達についてだな?」
「はい、そうなりますが・・・前者の問題に関してはこちらにいる皆様の協力があれば解決は出来る見通しになっています。むしろ問題なのは謡将一行の方になります」
「ヴァン達か・・・」
それを確認して次の話へと進むヒューバートが出した問題提起にピオニーが中身を予想すると、肯定しつつ強調した部分に公爵が苦い表情で声を漏らす。ヴァンの事かと。
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「いいえナナリーさん、私が無理をする必要はないなんて事はないです。むしろ私も今の話で決意がつきました・・・ルークさんの為にやれることなら私も何でもやりたいです」
「・・・参ったねぇ・・・私はそんな風にアニーもしてほしいなんて思って言ったことじゃないんだけどさぁ・・・」
そう聞いて慌てつつも制止に入るナナリーだが、アニーの決心を滲ませて譲るつもりはないといった様子を見て困り笑いを浮かべる。そういった事にしたかった訳ではないと。
「・・・取りあえず、私達の部屋に戻ろうじゃないか。このままここで話をしてたら誰かに聞かれるかもしれないし、立ったまんまでずっとってのもなんだしさ」
「・・・そうですね、そうしましょう」
そして仕切り直して部屋で話をというナナリーに頷き、アニーは二人で部屋に向かう。
「・・・すみません、ジュディスさん。少しよろしいですか?」
「あら、すず。どうしたのかしら?」
・・・同じ時間、すずがジュディスのいる部屋を訪れていた事など知らないままに・・・
・・・ルークを取り巻く環境に別の意味で嵐が訪れる。そんな状況になりつつあるが、以降は何も起こることはなく夜を越えた。
「・・・皆様、まずはお集まりいただきありがとうございます。私はダイクロフトの住民を代表してこの場を進めさせていただきますヒューバートと申します。以後よろしくお願いいたします」
・・・大会議室とも呼べる大きな部屋の中で片側をキムラスカ陣営、もう片側をマルクト陣営として長机と椅子を用意して座らせたルーク達。ルーク達はそんな両者をまとめるようキムラスカから見れば右手側でマルクトから見れば左側になる位置で集まって立っている。
そんな状況の中でヒューバートが司会進行を勤めると、一歩前に出て両者に対して挨拶をする。
「さて・・・本来なら和平に関する事柄は重要事であるため様々な話し合いをした上で行うべきかと思いますが、まずはあえて先に和平締結するべきかと思われます。勿論和平も大事ですが、この会談より後に控える事柄にどのように挑むのか・・・そちらの方が我々だけでなく皆様にとっても重要だと思われますが、どうですか?」
「こちらは異存ない」
「こちらもだ」
「ではこちらで紙を用意しました・・・締結書にサインをお願いします」
そのままにヒューバートはまずは和平をと切り出し両陛下が反対を返さなかった事で、紙を取り出し早速の締結をと話を進める。
・・・数分後、ヒューバートより渡された紙に両陛下がサインをしてイオンにその紙が手渡された。
「・・・これで和平は締結されました。以後の細かな条件に関してはまた後程に話していただくこととして、まずは目下残されている大事についてをお話したいと思います」
「それは外殻大地と障気、そしてヴァン達についてだな?」
「はい、そうなりますが・・・前者の問題に関してはこちらにいる皆様の協力があれば解決は出来る見通しになっています。むしろ問題なのは謡将一行の方になります」
「ヴァン達か・・・」
それを確認して次の話へと進むヒューバートが出した問題提起にピオニーが中身を予想すると、肯定しつつ強調した部分に公爵が苦い表情で声を漏らす。ヴァンの事かと。
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