「でも、そういうことをルークさんに言えるって事はイオンはルークさんに心を開いてるんですね」
「どうかなぁ・・・心を開かれてるっていうより、イオンは単に元々の性格だと思うぞ。イオンは基本的に誰に対してもあの感じなのはアニーも知ってると思うけど、状況的に俺が来たのもそうだけど俺以外に気軽に話せる相手がいなかっただけだろうしな。ティア達もそうだけど、アドリビトムの皆には俺に話された中身の事って言いにくい事なのは分かるだろ？」
「あぁ・・・確かにイオンの性格もそうですし、私達には色々言いにくい中身ではありますね・・・一応私達は協力してるって言っても別グループとして線引きしてありますし、状況的にティアさん達が仲違いを起こした原因って見られてもおかしくはないですし・・・」
「まぁ少しでも俺なら大丈夫とか思ってくれるのは俺としてもありがたいけど、イオンはイオンで一人悩んでるって結果だろうしあんまり喜ぶのもどうかって思うしさ。そこはまた別の物と思っといてくれよ」
「・・・むぅ・・・」
アニーはそんな様子をイオンから心が開かれてると笑顔で言うが、ルークが根拠を語りながら返していく様子に少し不満げな様子になる。
「どうしたんだ、アニー？」
「・・・こういう時はさ、状況がどうとか自分だけのもんじゃないとかそんなことは細かい事だって素直に受け入れるもんだよルーク。アニーはそういう風に思ったからちょいと不満なのさ。好意は好意なんだから理由とか考えずに受け入れればいいんだよ」
「・・・そう、なのかな・・・」
「そうだよ・・・ホラ、さ・・・」
‘ギュッ’
「「っ！？」」
「ナ、ナナリー！？」
その姿をどうしたのかと気遣うルークはナナリーの言葉に不安げに表情を揺らすが、優しげに微笑まれながら近付かれて抱き締められた事にたまらず驚く。アニーとすずの二人も同じような形で。
「な、なんでいきなり・・・！」
「理由は色々あるとかって言いたいのかもしれないけどさ・・・私はこうしたいからこうしてるし、イオンも同じことをしてるってだけさ。ルークはそれを受け止めればいいんだよ。少なくとも好意はね」
「う・・・わ、分かったよ・・・でも抱き付く必要はなかったよな？それに今アニー達に見られてるけど、いいのか・・・！？」
「あ・・・まぁ別にいいじゃないか、前にアニーは一緒にあんたに抱き着いた仲なんだし」
「ちょっ、ナナリーさん！？あの時の事は言わないでください！ここには私達以外にもすずちゃんもいるんですよ！」
「・・・だ、大丈夫です・・・私は何も言いませんから・・・」
「滅多に動揺しないすずちゃんが口ごもって目を反らした！？」
顔を赤くして慌てるルークにナナリーは艶のある笑顔を見せるが周りについて言うと開き直って気楽な笑顔を浮かべるが、アニーが顔を真っ赤にしてすずの事を指摘すると気まずげに目を反らす様子に更なる驚きを重ねた。
「あちゃ～、すずはこういった刺激には慣れてなかったか～」
「い、いえ・・・そういうわけではなく、その・・・どう、言えばいいのか・・・」
「ま、まぁもうこのくらいにしといた方がいいんじゃないか？すずもこんな様子だしさ・・・！」
「・・・そうだね、そうしようか。流石にすずを困らせてまで続けるわけにはいかないしね」
「続けるって何を！？」
もう恥ずかしいという気持ちなどないとばかりに笑顔のナナリーにすずは心からどうするべきかと悩む様子を見せ、ルークはナナリーの肩を引き剥がしてから説得にかかるが了承しつつの続ける発言に何をと叫ぶ。








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