なだらかでも綺麗でもない道

「あっ、ルークさん。話は済んだんですか?」
「おぉ、だから部屋に戻るわ」
「じゃあ私達も付いていきます」
そんなルークにアニーが話し掛け、自然に四人はルークにあてがわれた部屋へと向かう。



「・・・どうしたんだ、三人とも?まだ何か俺に話したいことがあるのか?」
「あぁ・・・ちょっと気になったのさ。ルミナシアに導師っていうか、イオンって存在はいたのかってことがね」
「ルミナシアに、か・・・」
それで部屋に戻って早速と素で用について聞くルークは、ナナリーからの問いに眉を寄せる。
「それに関しちゃノーだな。俺もティア達とか師匠が一緒だってんなら他にもいるんじゃないかって思ったけど、少なくとも俺の周りにイオンの影なんかは見当たらなかった。けどどうしていきなりそんなことを聞くんだ?」
「ん~・・・何て言うか、イオンがいた上でルークがライマを出るかどうか決断したのかが気になったのさ。ミュウもそうだけど、イオンがいなかったからそこのとこをちょっと聞いてみたくてね・・・」
「あ~・・・そういうことか・・・」
そして考えた結果いないと言った上で訳を聞いたルークだが、イオンの存在で踏みとどまった可能性についてを言いにくそうに口にしたナナリーに同じく何とも言い難そうに頭をかく。やはりライマから脱走したことはまだ事実は事実としても、互いに気まずい話題ではあったために。
「それで、ルークさん自身はどう思いますか?」
「・・・・・・正直、イオンかミュウ・・・どっちかでも俺の近くにいたら、俺はライマに残ることを選択してたかもしれない。あの二人がいるなら頑張ろうとか、そんな事を思う形で動くようにってな」
「・・・それだけルークさんは導師やミュウの事を信頼しているんですか?」
「信頼・・・と言うのとはちょっと違うかもしれない。どっちかって言うと、ホッとするんだ・・・別にティア達が優しくないとかそんなんじゃないけど、あの二人は俺にいつも優しかったり気遣ったように接してくれた。勿論それは俺が不甲斐ないとか頼りないとかそういったこともあったんだろうけど、あの二人はそういう気分にさせてくれるんだ。俺が演技をしてるとかしてないとか、そんなこと関係無くさ」
「っ、そう、なんですか・・・」
すずはそんな中で切り込んで話を続け、ルークは可能性に関してを葛藤を見せながらも答えていくが徐々に優しさを表情に滲ませながら二人の事を話していく様子に、息を詰まらせそうになりながらもすぐにすずは頷き誤魔化す。
「そういえば少しイオンの部屋から出てくるのが遅かったけど、何をそんなに話してたんだい?」
「あぁ、それは・・・まぁ話の内容だけ言うならこれからうまくいくようになってほしい、みたいな希望をイオンが言って俺がそれを聞くって感じだよ。って言っても実際はアニスがいないってのもあって、イオンは一人で悶々としてるのに少し心細くなってたんだと思う。環境的にギスギスしてる感じがどうにかならないかとか、そんなことを思う感じになってさ」
「だからそれをルークに話したって言うのかい、イオンは?」
「今の状況で俺が来たから話をしたいって思ったんだろうけど、まぁこれに関しては偶然が重なったくらいだろうしそかは気にしなくていいと思うぞ」
「う~ん・・・まぁタイミングはそうだとしても、それだけとは思えないけどねぇ・・・」
続いてナナリーがイオンとの会話内容についてを聞くのだが、ルークがそこまで大したことではないといった様子にそうじゃないんじゃと首を傾げる。










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