なだらかでも綺麗でもない道

「・・・何て言うかまぁ、一応俺も前の時の経験があったから単純に何も分からない子どものフリが難しかったってのもあるとは思う。アッシュから見て、俺が気に食わないって言うか何か不自然に思っただろうっていう理由はさ(ちょっと不用意な事を言い過ぎたな、いくらなんでも・・・)」
流石にそんな一同の空気にルークはすぐに理由についてを弁明するかのよう苦笑しているといった様子で口にし、空気を変えようと出る。
「・・・まぁそれは何となく分かるかもしれないけど、どうしてそんなことをナナリーは言い出したんだ?」
「あ~・・・何て言うか一回も二人が仲がいいっていう時期がないのかって思ったのさ。子どもの時なら流石にそういったことはないんじゃないかって思ったから聞いてみたんだけど・・・ごめんね、ルーク。変なこと聞いちゃってさ・・・」
「別に気にしなくていいって、ちょっと気になったくらいだってのは分かったからさ」
その中でゼロスが気まずげといったようながらも理由をナナリーに問い、答える傍らで頭を下げられた事に笑顔でルークは首を横に振る。大したことじゃないと。
「・・・話がまとまったならいいと言いたいところだが、現在のアッシュにナタリアはさっきも言ったようにティアのせいで微妙なバランスにより精神状態は成り立っている。ここで下手にアッシュ達を焦らせるような真似を取るのは得策ではないから、僕達もお前もこれからはまずティアの警戒に重点を置いて行動するぞ。いいな?」
「あぁ・・・今の状況じゃ下手にティアも動かないって信じたいけど、もうそんなこと出来るような感じじゃないもんな・・・」
その空気を続けつつまとめに入ったリオンの声に、ルークも少し苦いといった様子を見せながらも頷く。行動で示された勝手さにもう信頼は出来ない物と、植え付けられてしまったが為に。
「・・・ではあまり長居しても休息にならんだろうから俺達はそろそろ出るが、何か聞きたいことはあるか?」
「あ、じゃあピオニー陛下はもうグランコクマに戻ったのか?こっちに戻ってすぐ部屋に案内されたから、俺どうなってるのか知らないんだけど・・・」
「その点については問題ない。先程の経緯を話した後に準備をしたいと言われた為、ジェイドも一緒にグランコクマ付近へと降ろした。明日になったなら迎えに行くことも伝えた上でな」
「あ~、そうなるとダイクロフトにいるのって俺にティアにアッシュにナタリアにイオンってことになんのか・・・」
ユージーンがもう聞くことがないならと戻るといったように言ってきた事でピオニーの事について聞くルークは、ジェイド共々下に戻ったと聞いて考え込むように名前を呟く。
「どうかしたのか?何か他に不安要素でもあるのか?」
「あ~、いや・・・今の状況でティアが動く事はないだろうけど、誰かの元に来るなら俺かイオンの所だろうって思っただけだよ。今までのパターンを考えると俺達の誰かの所に来る可能性があるけど、アッシュとナタリアの所に行くとは思えないし」
「・・・有り得ん話ではないが、ならどうする?何か対策を立てるか?来ないように」
「いや、可能性は低いしもし来ても俺なら自分で何とかする。けどちょっとイオンには注意をしたいんだよな・・・もしかするとティアの気持ちをどうにかしたいって擁護する方に傾くかもしれないし・・・」
「成程、全く有り得ん事ではないか・・・」
「だから・・・ちょっと俺、イオンの所に行ってくる」
「・・・何?」
そんな様子を訝しんだユージーンにルークは不安要素についてを答えるのだが、話していくうちに決意が固まったとイオンの元に行くと言いユージーン達は一斉に眉を寄せる。何故なのかと言わん様子で。











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