なだらかでも綺麗でもない道
「一々気にするな。明日になって会談をすれば終わること、最後まで気を抜かない事を咎める方が王女かどうか以前に人として狭量にしか思えんぞ」
「うっ・・・わ、分かりましたわ・・・」
そんな光景を見かねたとばかりにリオンが狭量という言葉を用いて声をかけたことに、ナタリアはたまらず息を詰まらせ頷く以外に出来なかった。プライドが高いナタリアからすれば、そのような言い方をされれば受け入れねば格の低い人間と思われると思い。
「まぁそういうことなら残る人とそうでない人を分けて早目に行動しよう。あまり遅くなると城の人もどうしていいか分からなくなるだろうしね」
それでクレスが場をまとめるよう早目に分かれることを提案すると、微妙に表情を歪ませたままのナタリアを除いて一同は反対することなく頷く。
・・・そこから話し合いをして城に残るのはリオンにユージーンにフレンにヒューバート、そしてナタリアとなった。前述した四人は話し合いの末に決まったことだが、ナタリアは二人がいないならせめて自分くらいは残りたいと言い出した為だ。
(・・・まぁここまで話が進んでもうモースがいない状況なら、伯父上達もわざわざナタリアの事を言いはしないし殺すような判断を下しはしないだろうけど・・・やっぱりどうしたって、微妙に不安残るよな・・・これから先、絶対ナタリアが大丈夫なんて保証が無くなったような感じがあるし・・・)
・・・それでダイクロフトに戻り一人部屋をあてられたルークはベッドで仰向けに寝転がり、考える。ナタリアの今の状況についての不安さを。
(本当ならそういったことの不安をどうにかしたいけど、そこのとこはもう伯父上達を信じるしかないんだよな・・・前のようになんて出来ないしならないのはもう分かってるから下手に手を出すと事態がややこしくなるのもあるし、そもそも何でそんなこと知ってるんだとかってなるだろうしなぁ・・・本当にそこは事が露見しないようにするために墓場まで伯父上達が黙っておく事を期待するしかないか・・・)
だがそれで自分が取るべき行動は何もしない方がいいという考えになる為、何とも言い難いと気持ちが沈むのを感じてしまう。
‘コンコン’
「・・・ルーク、ちょっとい~い?」
「あ?・・・んだよ、カロル。俺に何か用か?」
そんな時にノックの後に入室してきたカロルに、ルークは起き上がりながら気だるげに返す。
「ちょっとミュウ貸してくれない?ラピードと話してみたいんだけど、通訳が必要なんだ」
「ん?まぁいいぞ。ってわけで行ってこい」
「分かったですの!」
そのカロルが頼んだのはミュウの貸し出しについてでルークは特に反論することなく足元にいたミュウに指示を出し、カロルの方へ快く向かわせる。
「じゃあしばらくしたら戻しに来るね~」
‘バタン’
「・・・なんだ?」
‘ガチャ’
「よ~う、ルーク君。今ミュウ出てったでしょ?本音でお話しようぜ~」
「あぁ、なんだ・・・そういうことか」
そしてミュウを抱き上げてさっさと退出したカロルを不審に思ったルークだが、すぐさま続けて入ってきた笑顔のゼロス達の姿と発言に気付く・・・カロルはミュウを連れ出す為だけに来たのだと。
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「うっ・・・わ、分かりましたわ・・・」
そんな光景を見かねたとばかりにリオンが狭量という言葉を用いて声をかけたことに、ナタリアはたまらず息を詰まらせ頷く以外に出来なかった。プライドが高いナタリアからすれば、そのような言い方をされれば受け入れねば格の低い人間と思われると思い。
「まぁそういうことなら残る人とそうでない人を分けて早目に行動しよう。あまり遅くなると城の人もどうしていいか分からなくなるだろうしね」
それでクレスが場をまとめるよう早目に分かれることを提案すると、微妙に表情を歪ませたままのナタリアを除いて一同は反対することなく頷く。
・・・そこから話し合いをして城に残るのはリオンにユージーンにフレンにヒューバート、そしてナタリアとなった。前述した四人は話し合いの末に決まったことだが、ナタリアは二人がいないならせめて自分くらいは残りたいと言い出した為だ。
(・・・まぁここまで話が進んでもうモースがいない状況なら、伯父上達もわざわざナタリアの事を言いはしないし殺すような判断を下しはしないだろうけど・・・やっぱりどうしたって、微妙に不安残るよな・・・これから先、絶対ナタリアが大丈夫なんて保証が無くなったような感じがあるし・・・)
・・・それでダイクロフトに戻り一人部屋をあてられたルークはベッドで仰向けに寝転がり、考える。ナタリアの今の状況についての不安さを。
(本当ならそういったことの不安をどうにかしたいけど、そこのとこはもう伯父上達を信じるしかないんだよな・・・前のようになんて出来ないしならないのはもう分かってるから下手に手を出すと事態がややこしくなるのもあるし、そもそも何でそんなこと知ってるんだとかってなるだろうしなぁ・・・本当にそこは事が露見しないようにするために墓場まで伯父上達が黙っておく事を期待するしかないか・・・)
だがそれで自分が取るべき行動は何もしない方がいいという考えになる為、何とも言い難いと気持ちが沈むのを感じてしまう。
‘コンコン’
「・・・ルーク、ちょっとい~い?」
「あ?・・・んだよ、カロル。俺に何か用か?」
そんな時にノックの後に入室してきたカロルに、ルークは起き上がりながら気だるげに返す。
「ちょっとミュウ貸してくれない?ラピードと話してみたいんだけど、通訳が必要なんだ」
「ん?まぁいいぞ。ってわけで行ってこい」
「分かったですの!」
そのカロルが頼んだのはミュウの貸し出しについてでルークは特に反論することなく足元にいたミュウに指示を出し、カロルの方へ快く向かわせる。
「じゃあしばらくしたら戻しに来るね~」
‘バタン’
「・・・なんだ?」
‘ガチャ’
「よ~う、ルーク君。今ミュウ出てったでしょ?本音でお話しようぜ~」
「あぁ、なんだ・・・そういうことか」
そしてミュウを抱き上げてさっさと退出したカロルを不審に思ったルークだが、すぐさま続けて入ってきた笑顔のゼロス達の姿と発言に気付く・・・カロルはミュウを連れ出す為だけに来たのだと。
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