望まぬ道と言うが望む道とは何か
「・・・端から聞けば薄情に思うかもしれんが、俺達からすれば別に三人に是が非でも仲良くしてもらわねばならない理由は別にない。極端な事を言うなら三人が喧嘩別れをしても構わん立ち位置にいる。それはお前も分かるはずだ」
「・・・言われてみればそうですね。貴殿方からすれば預言通りの戦争が無くなることに加え、謡将達を止めることにある。その事を踏まえればそれ以降のゴタゴタは余程でなければ貴殿方にとって、関わる意味のないゴタゴタになりますが・・・それで尚、貴方がそうやってゴタゴタに関わろうとする理由とは?」
「確かに以降の事はもう俺達には関わりは無くなるだろう・・・だがだからと言って全部それで終わりと済ませるのは後味が悪い、と言うのが俺達の気持ち・・・いや、本音だ」
「ほう・・・」
そんな声にユージーンにしてはらしくないような事を口にするが、自身の気持ちを本音と言い換えるその言い方にジェイドは思わず納得と言った声を漏らす。一本筋が通ったユージーンらしく、今までの流れに沿った答えに。
「今言ったように三人の事は後の俺達には関係無い事だ。だがそれをむざむざと見過ごす気はない。いや見過ごしたくないんだが最善の結果になり得るとは限らん・・・だからこそせめて最善とはいかずともちゃんとした形で決着をつけさせてやることが出来れば、まだ三人にとっても心残りを残さず吹っ切る為の物となる。そしてそうさせたい・・・そう思ったからこそ、俺は今までの話をしたんだ」
「成程、それが貴方の本音と言うわけですか・・・その上で本音で話をして出た結論なら最善でなくとも次善の結果として良しとする、というところですね」
「そうだ。その話し合いの中でどのような結論が出るかはまだ定かではないが、こうであるべきと押し付けた選択よりは三人・・・特にアッシュは納得するだろうと思ってな」
「・・・まぁどうやってアッシュの本音を引き出させるかはさておいて、その考えを私が反対する気持ちはありません。私もマルクトに戻れば三人と離れて疎遠になることもありますが、貴方の今までの話を踏まえて行動すれば不利な状況でアッシュが離脱しかねない可能性というものが一気に少なくなるでしょうからね」
ユージーンはそのまま本音についてを深く語っていき、ジェイドは盛大にらしさを含ませその考えに賛同すると返す。自分には責任はないし、もしもの危機も回避しやすくなるからと。
「・・・では二人はどうだ?この考えをどう思った?」
「っ・・・」
そんな賛同を受けてユージーンはイオンとティアに視線を向けて感想を聞こうとするが、ティアは一気に口内に苦み走ったとばかりに表情を歪ませる。
(・・・・・・悔しい、けれど・・・ここは賛成するしかない・・・三人共仲良くさせたいけど、今の私じゃどう言っていいか分からないし、何よりここで私のせいで失敗したなら・・・それこそもう、色んな意味で取り返しがつかない・・・!)
そういった表情になる理由はやはりユージーン達が気に入らない以上に、先の失敗が尾を引いて反対を押し通せないからだ。なら良案があるかと言われれば、是と答えることが出来ない事もあるために。
「・・・確かに仲良くしてほしいという気持ちはありますが、それで無理をして最悪の結果が訪れるよりはまだその方がいいと僕は感じました」
「っ・・・私も、イオン様と同じ意見よ・・・!」
「・・・ならいい。ではこれからは時期が来るまではアッシュもそうだが、ナタリアの前でも今の話については言わないでおいてくれ。ルークに関しては折を見て、俺達から話をしておく」
そしてイオンが頷いたので極めて仕方無いと遺憾の意を表しながら口にするティアに、ユージーンはこれでこの場での話は終わりとばかりにまとめる。ルークには後で話すと言って。
望むものが皆が皆、一致するとは限らない
望むものが譲れない程大きいなら、すりあわせるしかない
誰が望むものに寄せるかを・・・
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「・・・言われてみればそうですね。貴殿方からすれば預言通りの戦争が無くなることに加え、謡将達を止めることにある。その事を踏まえればそれ以降のゴタゴタは余程でなければ貴殿方にとって、関わる意味のないゴタゴタになりますが・・・それで尚、貴方がそうやってゴタゴタに関わろうとする理由とは?」
「確かに以降の事はもう俺達には関わりは無くなるだろう・・・だがだからと言って全部それで終わりと済ませるのは後味が悪い、と言うのが俺達の気持ち・・・いや、本音だ」
「ほう・・・」
そんな声にユージーンにしてはらしくないような事を口にするが、自身の気持ちを本音と言い換えるその言い方にジェイドは思わず納得と言った声を漏らす。一本筋が通ったユージーンらしく、今までの流れに沿った答えに。
「今言ったように三人の事は後の俺達には関係無い事だ。だがそれをむざむざと見過ごす気はない。いや見過ごしたくないんだが最善の結果になり得るとは限らん・・・だからこそせめて最善とはいかずともちゃんとした形で決着をつけさせてやることが出来れば、まだ三人にとっても心残りを残さず吹っ切る為の物となる。そしてそうさせたい・・・そう思ったからこそ、俺は今までの話をしたんだ」
「成程、それが貴方の本音と言うわけですか・・・その上で本音で話をして出た結論なら最善でなくとも次善の結果として良しとする、というところですね」
「そうだ。その話し合いの中でどのような結論が出るかはまだ定かではないが、こうであるべきと押し付けた選択よりは三人・・・特にアッシュは納得するだろうと思ってな」
「・・・まぁどうやってアッシュの本音を引き出させるかはさておいて、その考えを私が反対する気持ちはありません。私もマルクトに戻れば三人と離れて疎遠になることもありますが、貴方の今までの話を踏まえて行動すれば不利な状況でアッシュが離脱しかねない可能性というものが一気に少なくなるでしょうからね」
ユージーンはそのまま本音についてを深く語っていき、ジェイドは盛大にらしさを含ませその考えに賛同すると返す。自分には責任はないし、もしもの危機も回避しやすくなるからと。
「・・・では二人はどうだ?この考えをどう思った?」
「っ・・・」
そんな賛同を受けてユージーンはイオンとティアに視線を向けて感想を聞こうとするが、ティアは一気に口内に苦み走ったとばかりに表情を歪ませる。
(・・・・・・悔しい、けれど・・・ここは賛成するしかない・・・三人共仲良くさせたいけど、今の私じゃどう言っていいか分からないし、何よりここで私のせいで失敗したなら・・・それこそもう、色んな意味で取り返しがつかない・・・!)
そういった表情になる理由はやはりユージーン達が気に入らない以上に、先の失敗が尾を引いて反対を押し通せないからだ。なら良案があるかと言われれば、是と答えることが出来ない事もあるために。
「・・・確かに仲良くしてほしいという気持ちはありますが、それで無理をして最悪の結果が訪れるよりはまだその方がいいと僕は感じました」
「っ・・・私も、イオン様と同じ意見よ・・・!」
「・・・ならいい。ではこれからは時期が来るまではアッシュもそうだが、ナタリアの前でも今の話については言わないでおいてくれ。ルークに関しては折を見て、俺達から話をしておく」
そしてイオンが頷いたので極めて仕方無いと遺憾の意を表しながら口にするティアに、ユージーンはこれでこの場での話は終わりとばかりにまとめる。ルークには後で話すと言って。
望むものが皆が皆、一致するとは限らない
望むものが譲れない程大きいなら、すりあわせるしかない
誰が望むものに寄せるかを・・・
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