戦場に際し開き、詰まる距離
「では少ししたら出ましょう。タルタロスの不調で神託の盾の目は動力部に向くでしょうから、そうなれば私達には気付く可能性が低くなります」
「わーったよ」
それですずから時間を空けて出ることを理由付きで告げられ、ルークは頭をかきながら了承する。
(ん~・・・気のせいか?確かにタルタロスは止まったし外で何か人とか魔物が動いてる気配はするんだけど、それにしちゃなんか数が少ない気がするな・・・)
そんなやる気のない態度とは裏腹にルークは部屋の周りから感じる気配の少なさに少し疑問を抱いていた。なんでこんなに静かなのかと。
・・・そんな風にルークが思っている中で時間は経ち、周りに人の気配が全ていなくなったと思い始めた時にすずからの「行きましょう」との声で一同は部屋の外に出た。そしてそこにはルークの感じた通り、人に魔物の姿はなかった。
「なんだぁ?マジで誰もいねぇぞ」
「おそらく神託の盾の目がタルタロスの不調と共に、導師の方に行ってるからではないかと思われます。彼らの目的が導師なら神託の盾の追撃の手は多数に及んでいて、このタルタロスにはあまり兵に将は置けなかったのでしょうからこうやって混乱に陥り統制が効かなくなったのではないかと」
「・・・ってことは、導師とかいう奴らの方に神託の盾は向かってるってのかよ・・・?」
(おいおい、まさかそんなことになるなんて思ってなかったぞ・・・下手すっとティア達、イオン以外は殺されるんじゃないのか・・・!?)
その光景にルークが首を傾げるとすずが淡々と推測を述べた事に表向きは不安げ程度に言葉を漏らすが、内心は酷い焦りに満ちていた。そういった事を考えていなかったことに、リアルなティア達の危険を聞いたことで。
「そちらはクレスさん達が対応すると思います。あの人達ならそのような事態に対しても屈することはないと思いますし、セントビナーにまで逃げ込めれば後は大丈夫かと」
「・・・なんだよ、なんとも言えねぇ答えだなオイ・・・」
(あ~・・・これはもうクレス達に期待するしかない、か・・・ティア達だけだったら危険だろうけど、クレス達がいるなら逃げ切る可能性もあるってな・・・)
しかしすずの信頼を浮かべるが根拠の薄い答えにはっきりしないとルークは頭をかき、内心で無事であってほしいと切に願う。
「話はそのくらいにしてここを出ましょう。今はよくても時間が経てば神託の盾が戻ってくるでしょうから」
「・・・そうすっか」
そしてジュディスの脱出への促しの言葉にスッキリしないながらもルークは頷き、一同と共に先へと歩き出す。
・・・そのように神託の盾の姿を見ないまま通路を歩き、甲板にまで出たルーク達。だが神託の盾の姿も辺りには見えず、悠々とすずを先頭に進みある地点で止まる。
「・・・この辺りでいいでしょう」
「・・・おい、こんなとこで止まって何をしようってんだよ。まさかここから飛び降りようってのか?」
その地点とはタルタロスの中でも比較的低い位置の甲板の端だが、すずが確認の声を上げたことににルークは飛び降りるのかと眉をしかめる。
「そうするつもりですが安心してください、流石にこのまま飛び降りていただくようなことはしません・・・忍法、地雷也!」
‘ボンッ!’
「はっ・・・!?」
だがすずが唐突に戦闘に使う際の技であり使役する動物でもある人以上の大きさもある大蛙を呼び出したことに、ルークは混乱し盛大に目を丸くした。
「では皆さん、乗ってください。これで飛び降ります」
「ちょっ、ま・・・!」
「ほら、行きましょう」
「っ・・・!」
‘ビョォーン!’
「うわぁぁぁ・・・!」
それですずの呼び掛けに面々が一斉に大蛙に捕まりルークのみが戸惑っていたが、ジュディスに腕を掴まれ蛙がすぐに飛び降りたことに抵抗も出来ず叫び声を残して一同は場からいなくなった。
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「わーったよ」
それですずから時間を空けて出ることを理由付きで告げられ、ルークは頭をかきながら了承する。
(ん~・・・気のせいか?確かにタルタロスは止まったし外で何か人とか魔物が動いてる気配はするんだけど、それにしちゃなんか数が少ない気がするな・・・)
そんなやる気のない態度とは裏腹にルークは部屋の周りから感じる気配の少なさに少し疑問を抱いていた。なんでこんなに静かなのかと。
・・・そんな風にルークが思っている中で時間は経ち、周りに人の気配が全ていなくなったと思い始めた時にすずからの「行きましょう」との声で一同は部屋の外に出た。そしてそこにはルークの感じた通り、人に魔物の姿はなかった。
「なんだぁ?マジで誰もいねぇぞ」
「おそらく神託の盾の目がタルタロスの不調と共に、導師の方に行ってるからではないかと思われます。彼らの目的が導師なら神託の盾の追撃の手は多数に及んでいて、このタルタロスにはあまり兵に将は置けなかったのでしょうからこうやって混乱に陥り統制が効かなくなったのではないかと」
「・・・ってことは、導師とかいう奴らの方に神託の盾は向かってるってのかよ・・・?」
(おいおい、まさかそんなことになるなんて思ってなかったぞ・・・下手すっとティア達、イオン以外は殺されるんじゃないのか・・・!?)
その光景にルークが首を傾げるとすずが淡々と推測を述べた事に表向きは不安げ程度に言葉を漏らすが、内心は酷い焦りに満ちていた。そういった事を考えていなかったことに、リアルなティア達の危険を聞いたことで。
「そちらはクレスさん達が対応すると思います。あの人達ならそのような事態に対しても屈することはないと思いますし、セントビナーにまで逃げ込めれば後は大丈夫かと」
「・・・なんだよ、なんとも言えねぇ答えだなオイ・・・」
(あ~・・・これはもうクレス達に期待するしかない、か・・・ティア達だけだったら危険だろうけど、クレス達がいるなら逃げ切る可能性もあるってな・・・)
しかしすずの信頼を浮かべるが根拠の薄い答えにはっきりしないとルークは頭をかき、内心で無事であってほしいと切に願う。
「話はそのくらいにしてここを出ましょう。今はよくても時間が経てば神託の盾が戻ってくるでしょうから」
「・・・そうすっか」
そしてジュディスの脱出への促しの言葉にスッキリしないながらもルークは頷き、一同と共に先へと歩き出す。
・・・そのように神託の盾の姿を見ないまま通路を歩き、甲板にまで出たルーク達。だが神託の盾の姿も辺りには見えず、悠々とすずを先頭に進みある地点で止まる。
「・・・この辺りでいいでしょう」
「・・・おい、こんなとこで止まって何をしようってんだよ。まさかここから飛び降りようってのか?」
その地点とはタルタロスの中でも比較的低い位置の甲板の端だが、すずが確認の声を上げたことににルークは飛び降りるのかと眉をしかめる。
「そうするつもりですが安心してください、流石にこのまま飛び降りていただくようなことはしません・・・忍法、地雷也!」
‘ボンッ!’
「はっ・・・!?」
だがすずが唐突に戦闘に使う際の技であり使役する動物でもある人以上の大きさもある大蛙を呼び出したことに、ルークは混乱し盛大に目を丸くした。
「では皆さん、乗ってください。これで飛び降ります」
「ちょっ、ま・・・!」
「ほら、行きましょう」
「っ・・・!」
‘ビョォーン!’
「うわぁぁぁ・・・!」
それですずの呼び掛けに面々が一斉に大蛙に捕まりルークのみが戸惑っていたが、ジュディスに腕を掴まれ蛙がすぐに飛び降りたことに抵抗も出来ず叫び声を残して一同は場からいなくなった。
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