望まぬ道と言うが望む道とは何か

「ジ、ジェイド・・・何故いきなりそんなことを言うんですか・・・!?」
「・・・イオン様もそうですが、ルーク達も何故そんなことを言ったのか・・・いえ、正確には今言うことじゃないだろうといった反応ですね」
「「「「っ・・・!」」」」
「・・・それは・・・その、確かにそういう風に思ったのは事実ですが僕の質問に対しての答えにはなっていませんよジェイド・・・」
イオンが動揺のままでも何故そう言ったのかと質問すると正確に他の面々の気持ちを併せて読んだジェイドの返しに、イオン以外の四人は驚きを見せイオンは苦く肯定しつつも再度訳を問う。望んだ答えではないと。
「・・・ではお答えしますが、今だから二人の事について言うべきだと思ってそう言ったのです」
「今だから?」
「えぇ、先程の謁見の間であちらから二人の同席を願われた際にアッシュはルークと一緒にと言われて顔を酷く分かりやすく歪めました。それで思ったのですよ。その場で不機嫌になるだけならまだしもそこで土壇場になってアッシュが機嫌が悪くなったというだけで、退場されては全てが台無しになりかねない・・・とね」
「っ!・・・だからジェイドはそうならないようにそう言った、と・・・」
「そうなります」
「チッ・・・何かと思えばバカらしい・・・・・・確かにこの屑と一緒だってのは気分がよくねぇのは事実だ・・・だが、それでも今の状況じゃ俺がいねぇと事態がうまく進まねぇってことくらいは分かる・・・だから我慢してやってんだ・・・余程の事がなけりゃ勝手に離れたりはしねぇよ・・・!」
ジェイドはその声にアッシュの機嫌を損ねることについての懸念があったからこそと話すのだが、イオンではなく当人が極めて不本意そうなのを滲ませながら否定を返す。そんなことはしないと。
(・・・おかしい・・・いくらなんでもおかしいわ・・・アッシュだったらこういう場面でこそこの屑と一緒なんて出来るか、くらいは言うはずなのに・・・と言うかそもそもこうやって私達、いえルークとまともに話さないにしたって旅をしてることさえおかしいことなのに・・・アッシュがいるならいいって考えたにしても、どうして私はこの不自然な状況にずっと疑問を抱かなかったの・・・!?)
そんな光景にここに至り、ティアはアッシュが場を離れないばかりか今まで旅を共にしてきたことすら本来なら有り得ない事だと考える。



(ん~・・・ちょっとこれ以上ジェイド達にこの話題を続けられるとまずいかもな・・・そう言い過ぎると、本当に一気にアッシュが機嫌を損ねて秘密の事をどうでもいいとか言い出しかねないし・・・)
対して、アッシュが今ここにいる原因で理由でもあるルークは会話を止めようと考える。これ以上は我慢の限界が来ると思い。
「・・・お「アッシュ、いいかしら?」・・・?」
そして発言しようとした時、ティアがやたら力がこもった視線と声をアッシュに向けたことにルークは声を抑え何をと首を傾げる。
「・・・何だ、女?」
「・・・これまで貴方が大人しく私達と共に付いてきた事から、多少疑問はあったけれど問題はないと思ってきた。でも今のやり取りを見て改めて思った・・・貴方は何故、ルークが気に入らないと言いつつそれでも一緒にいるの?貴方の性格なら効果的な方法だと言われても、そんなの関係無いって私達の元から離れる方が貴方らしいと思うのだけれど」
「「「「っ!!」」」」
アッシュが不機嫌なまま質問に答えようとするが、ティアが発した疑問の声に離れていたアドリビトムの面々も含めた部屋の空気が一気に張り詰めた物へと変わった・・・誰も言わないし言われないと思われていた、ある種のタブーを聞かねば気がすまないといった強い決意を滲ませるティアから出てきた為に。








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