激動の前の人々の心の動き

「・・・どうしたんだ、ジュディス?俺に何を聞きたいんだ?」
それでグランコクマの街中の人のいない街角に来たルークはジュディスに用向きを問う。
「少し気になったのだけれど、貴方はガイにこれからの旅で付いてきてほしいと思っているのかしら?」
「ガイに、か・・・正直、付いてくるかこないかは問題には思ってはいないよ。それより今の俺が気になってるって言うか、どうにかしなきゃいけないって考えてるのは復讐についてを諦めてもらうことだ」
「・・・そう。と言うことはガイに付いてきてほしいとは是が非でも思ってはいないのね?貴方は」
「まぁ俺はそうだけど・・・そう言うってことは、他に・・・いや、ティアがそう言っていたのか?」
「・・・そうね。事実、彼女がガイの事を言い出したからアニスだけでなく、彼も連れていくかと話になったの」
「あぁ、そうだったのか・・・」
その用向きの本題はガイの事と聞かされルークは考えていることを打ち明けていくが、意味深に話をするジュディスの言葉にティアへと行き着き脱力気味に声を漏らす。
「・・・正直な話、私達もガイに付いてきて欲しいとは思っていなかった。と言うよりガイの件はもう少しした後に回した方がいいと思っていた・・・けれどティアがイオンに乗っかるように言ってしまったのが今の状況の始まりなのだけど、言い出した当人ですらが困惑してる状況なのよ」
「言い出した当人ですらって・・・ティアはただガイに来てほしかっただけだろうな、今までの感じだと・・・でも遅かれ早かれガイの問題に関しては解決しなきゃならいんだし、準備が全く出来てないにしてもこの数日でどうにかしないといけないんだ・・・うまくいく自信なんて正直、準備がないからほとんどないけどな」
ジュディスは自分達もだがティアですらも予想が出来てなかった状況と言い、ルークはその言葉を受け止めつつも逃げるつもりはないと返す。成功の可能性が低いとしつつもガイと向き合う、という気持ちを盛大に込めて苦笑気味な顔ながらも真っ直ぐに。
「・・・ルーク」
「っ、ジュディス・・・なんで抱き付くんだよ、ここ街の中だから人目がないって言っても誰かに見られたら・・・」
「お願い、こうさせてほしいの・・・少しの間だけでも・・・」
「・・・ジュディス・・・」
そんな姿を見てジュディスはルークを包み込むように抱きしめ、慌てて離そうとするが普段の彼女にない悲しむようでいて慈しむような声が耳に届いた事にルークは肩を掴もうとした手を下ろす・・・その想いを受け、ジュディスの行動を拒否出来なかった為に。



・・・そして数分後、ジュディスはルークから身体を離す。
「ごめんなさいね、ルーク。いきなりこんなことをして」
「・・・俺はいいけど、ジュディスは大丈夫なのか?いつものジュディスらしくないっていうのが分かるから、心配になったんだけど・・・」
「・・・貴方が私をそうしたのよ、ルーク?」
「え・・・俺?」
すぐにいつものように謝るジュディスにルークは心配と声をかけるが、自分が理由と言われて理由が分からず首を傾げる。
「・・・今は気にしなくていいわ。それより、ガイの事は私達に任せてもらえないかしら?」
「任せてって・・・ジュディス達はガルディオスにガイを戻せるように動く気なのか?いや、それ以前にガルディオスに戻せる目論見があるのか?」
「・・・戻せるかどうかではなく、そこはガイの気持ち次第ね」
「え・・・ガイ次第?」
ジュディスはそこで話題をガイに戻し自分達に任せるように言い、ルークが成功の可能性について聞くとガイ次第との答えに疑問符を浮かべる。












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