激動の前の人々の心の動き

「その事について理解していただいた上で二人に選択していただきたいのです、これから僕達に付いてくるかどうかを・・・ただ先に言わせていただきますが、付いてこないとしても僕達もですが導師達も二人を責める気はないでしょう。貴殿方の立場を考えれば無理をしてまで事実を知る必要はありませんから」
「そ、それはそうなのかもしれないが・・・俺達がいないと困るとか、そう言った事はないのか?」
「その件に関しては自己責任以外にない、としか言えません。前にも言ったかとは思いますが、貴殿方は無理をしてでも僕達と行動を共にしなければならないような事情はありませんからね・・・むしろ無責任にこちらがただ貴殿方の気持ちを考えず付いてきてほしいなどと言えば、僕達が無理強いをしたと取られかねません。ただ自分達が来てほしいからそう言った、世界の命運がかかった場に単なるわがままを二人に押し付けて連れ出したのだと陛下達にね」
「「「っ!」」」
そう言った上で付いてこずとも責めはしないとキッパリ言うヒューバートに、ガイはむしろ付いてきてほしいと言われたいとばかりにすがるように声を上げる。が、自分達はそうしないと壮大な理由をつけて言い切ったヒューバートにガイとアニスだけでなく・・・ティアまでもが息を呑んだ。



(まずい・・・ガイ達には付いてきてはほしいけど、今の言葉で一層難易度が上がってしまった・・・ガイをどうにか復讐を諦めてもらった上で付いてきてもらうように説得しないといけないのだけど、無理矢理連れていこうとしてるなんて見られ方をされたら私が批難されることになってしまう・・・!)
・・・何故ティアが息を呑んだのかと言えば、ただでさえ難しいと思っている説得が更に難しくなったと感じたからだ。



(あ~・・・ヒューバートの言ってることは間違ってはいないんだよな・・・ただこの感じだとアニスはともかくとしても、ガイは付いてくるかどうかが微妙な感じなんだよな・・・これからの事を考えるとどうなるにせよ後で一度ガイと話をしなきゃならないな、付いてくるかどうかはともかくとしてもこれからの為に・・・俺の命もかける覚悟で・・・!)
そんなティアとは違い、ルークは説得ではなく話をしようと心の中で決心する。復讐の件も含めて。
「・・・まぁ色々言いましたが、今すぐ僕達に付いてくるかを決める必要はありません。とりあえず僕達は数日程はグランコクマで待機する予定ではいますので、その間にどうするかを決めてください」
「・・・分かった、そうするよ・・・」
そしてヒューバートが話をまとめるように考えるように言うと、ガイは視線を反らしながら了承を返す。自分はどうするべきか、そのことについてを考えようとしているように。









・・・それで二人に話すべき事を話終えた事に加え、イオン達はグランコクマに帰ってきたばかりであることから場は解散となる。
(さて、どうしよう・・・今すぐガイのいる方に向かうべきか、もうちょっと待ってから行くべきか・・・)
「少しいいかしら、ルーク?」
「あ?んだよ、ジュディス?」
ルークはガイとの接触をどうするべきかと考えていると、ジュディスから声がかかった事に意識をそちらに向けて対応する。
「少し話したいことがあるのだけど、二人で外に出ないかしら?」
「二人?・・・しゃあねぇな。おら、お前はここでこいつらと待ってろよ」
「はいですの」
「んじゃ行こうぜ」
「えぇ」
それでジュディスが二人で外での話と切り出した事にルークはミュウに付いてこないように言ってから、二人で部屋を後にしていく・・・











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